スピーカー交換╱第8回 中編
車のスピーカー交換方法╱バッフルボードの取り付け方
車のスピーカー交換方法の続き。純正スピーカーが外せても、開いた穴にポコンと市販スピーカーが付くわけではない。サイズもネジ穴も、何もかもが合わなくて普通なのだ。ここでバッフルの出番。まずはバッフルボードの取り付け方から解説する。
スピーカーサイズに合ったバッフルボードを用意する
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「スピーカー交換方法╱純正スピーカーの外し方」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
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今日は市販フロントスピーカー(ドアスピーカ-)の取り付け方法です。
●アドバイザー:カーデン 佐伯研究員
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純正スピーカーを外した穴に、そのままポコンと付くわけでは……
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サイズも全然違うので、そのままでは付きません。
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特に今回のモデル車、30プリウスの純正スピーカーは特殊な大型楕円形をしています。
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それに対して、付けようとしているアルパインのスピーカーサイズは、市販フロントスピーカーとしては定番的な17センチの円形です。
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比較すると(↓)こんなにサイズと形状が異なっていますよ。
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ということは、ネジ穴も何もかも、全然合いませんね。
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ここで必要になってくるのが、バッフルボードですね。
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ちなみにスピーカーの付属品として汎用のバッフルボードが付いていたりもするんですが……
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付属品はトヨタ用・ニッサン用・ホンダ用などと、自動車メーカー別にざっくり分けた汎用のものです。
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フムフム。
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プリウスの場合のような、特殊形状のスピーカーには対応していませんので、別にバッフルボードを用意しなければいけません。
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ナルホド。
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そこで今回用意したのは、同じアルパイン製の木製バッフルボード。
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これは明確にプリウス専用品ですね。
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そうです。30プリウスに17センチ(または16センチ)スピーカーを付けるための専用設計です。
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バッフルボードが、まさしく変換スペーサーの役割を果たします。
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というわけで、まずは先にバッフルボードの取り付け方を解説していきます。
外した純正スピーカー
✔ バッフルボードって何? という初心者の人は、第4回「バッフルボード(インナーバッフル)とは?」を先に読むのがオススメ。
スピーカーの付属品。
バッフルボードの取り付け方法
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バッフルボードをドア鉄板に固定するときの注意点ですが……
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例えば、こんな風に(↑)先にバッフルボードを固定してしまって、後からスピーカーケーブルを通すための穴に気づく……というパターン。
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今回使っているアルパインのバッフルボードを例にすると、スピーカーケーブルを通すための穴(配線通し用のミゾ)が裏面にあるので、後からでは配線が通りません。
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なるほど。
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バッフルボードによっては、オモテ面にミゾがあったりするので問題ありませんが。
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そのへんは、バッフルボードによりけりなんですね。
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そうです。で、今回のように配線通しのミゾが裏面にある場合は、先にスピーカーケーブルを通しておかないとダメですね。
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こういうこと(↑)ですね。
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なお、今回のスピーカー交換は入門編なので、スピーカーケーブル自体は、純正を流用しています。
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ここでいう「先に通すスピーカーケーブル」は、フロントスピーカーに付属している、純正カプラーから変換するための短いスピーカーケーブルです。
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もうひとつ注意点。バッフルボードを固定するときは、それ以前に、ドア鉄板との間にスポンジを貼るのが先です。
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なんですか、このスポンジは?
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これはバッフルボードの付属品。スポンジ(クッション材)を、バッフルボードがドア鉄板に当たる面に対して貼っておきます。
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なんのため?
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鉄板に対して木製のバッフルを直接当てると、振動で音が出たりする。クッションの役割を果たすのです。
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ナルホド。
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どの車種でも、この作業はやりますね。付けないケースはあまりないです。
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せっかちな人はバッフルボードを固定してから、「なにこのスポンジ?」ってなりそうなので、忘れないようにしましょう。
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なお、今回の30プリウス(楕円)のように円が大きくて付属スポンジが届かないケースは、少し伸ばし気味にしながら貼ると、届く場合もあります。
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なんとか届きました〜。
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あとは、バッフルボードをねじ留めするだけですね。
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ねじ穴の位置は当然、純正と合うようになっています。
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ところで今回のバッフルボードには、六角穴付きボルトが付属していました。
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ということはこの場面では、六角棒レンチが必要ですね。
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普通のボルトの場合も多く、ケースバイケースです。
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ひとまず、バッフルボードの取り付けが完了です。
カプラー付きの短いスピーカーケーブルが付属している。
スピーカーの取り付け方法
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そして、先に通しておいたスピーカーケーブルをつないで……
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スピーカーをバッフルボードにねじ留めします。
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できた〜!
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いやまだなんです。スピーカーをバッフルボードに固定したら、またスポンジを貼る。
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え!?
スポンジならさっき貼ったじゃないですか! -
オモテ面のスピーカー外周にも貼るんです。これは、スピーカーと内張りの密閉性を高めるためのもの。
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ウーム。確実にどれか1本くらい忘れそうな気もするので、皆さんは注意しましょう。
スピーカーをバッフルボードに取り付けするときも、間にスポンジを貼ります
これでスピーカー交換完了!
パッシブネットワークの設置場所に注意!!
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ところで今回の30プリウスのドアスピーカー交換では、パッシブネットワークが出てきませんでしたが……
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そういえば……フロントスピーカーに付属していたあの箱は、どこに付けるんだ?
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一般的な車種の場合、このパッシブネットワークはドア内に設置することが多いです。
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フムフム。
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ドアスピーカー裏に音の出口(配線)が4本あり、パッシブネットワークを経由した配線が、ツイーター側につながっていく流れ。これは、よくあるパターンです。
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今回の30プリウスだと、ドアスピーカー用の2本しか出てこなかったような……?
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そうなんです。30プリウスの場合はちょっと特殊(※)。ツイーターを経由して、ドアスピーカーも鳴らすような回路になっています。
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そのため30プリウス用キットに付属するパッシブネットワークも、ツイーターにしかつなげない仕様なのです。
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ということは、パッシブネットワークはドア側ではなくて……
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純正ツイーター側(ダッシュボード)に付けることになりますね。
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な〜るほど。
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でも通常は、パッシブネットワークはドア内に設置することが多いです。
✔ パッシブネットワークってなに?という人は、「パッシブネットワークとは?」を参照。
※ ツイーターの線を抜くと、ドアスピーカーも鳴らなくなる構造のトヨタ車の例。
スピーカーを増設するときは単純な配線分岐ではNG!…その理由についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:佐伯武彦
コワモテだけど優しく謙虚な佐伯(さえき)研究員。オーディオイベントでは数々の賞を取っている、腕利きインストーラーだ。●カーデン TEL:0561-35-5015 住所:愛知県みよし市黒笹町西新田1205-1 営業時間9:00-18:00 火曜・水曜定休
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