アクリルヘッドライト加工方法（第25回）

イカリングやアクリルLEDの電源は車のどこから取り出すの？

加工したヘッドライトを車体に取り付ける工程。加工ライトには、イカリング・アクリルLEDなどが盛り込まれているので、それらを光らせるための電源がいる。追加した光モノの電源は、車のどこからどのように取り出すのか。

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  ヘッドライト加工連載も、いよいよ最終局面です。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  今日は、加工したヘッドライトを車体に取り付ける手順について解説したいと思います。

  ●アドバイザー：球屋 森田研究員

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  それって、外したときの逆で、ネジを締め直せばいいんですよね？

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  固定に関してはそうですけど、それだけじゃ加工ライトは付きませんよ。

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  ん？

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  ヘッドライトの加工とは、つまり光モノを追加したってことです。だから、追加した光モノの電源を、車体側から取らないといけません。

加工後のヘッドライト裏



こんな風に配線が出ている状態


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  ヘッドライト単体を球屋で加工したケースでも同じことが言えますが、加工ライトからは、こんな風に、イカリングやアクリルLEDの配線が出てくることになります。

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  そうでした。
  帰り道はカプラーオンでは済まない。

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  そうなんですよ。必ず車から電源を取るという作業が必要になります。

✔ ひとくちメモ

加工の内容によっては、カプラーオンで装着できるケースもある。例を挙げると、「C-HRの純正デイライトを約2倍の明るさにする〈強発光〉とは？」など。しかし、このパターンはむしろイレギュラーなケース。
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  ライト加工を頼む前は、てっきりカプラーオンで付くと思っていたら、意外な配線作業が待ち受けていて……驚く人もいそうです。

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  そうなんです。この電源取り出し作業は、車があってはじめてできることなのでヘッドライト単体加工だけを球屋で請け負った場合でも、球屋では作業できないのです。

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  プロに加工を依頼するとしても、電源取り出しの基本をしっかりマスターしておく必要がありますね〜。

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  今回のヘッドライト加工で取り付けたのは、イカリングとサイドアクリルフィンと流れるウインカー（純正風シーケンシャルウインカー）です。


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  この場合、イカリングとサイドアクリル用の電源としては、イルミ電源（スモール電源）を取るのが定番的です。

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  そうすると、スモールランプ連動でイカリングとアクリルが光るわけですね〜。

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  そういうことです。イルミ電源は、通常はスモールランプのプラス線から取り出せばいいのですが……、

普通はスモールランプのプラス線から取り出す



やり方は「スモール（ポジション）ランプ線からの電源取り出し方法」参照。

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  今回の86後期のように、ヘッドライトのメインハーネスの中にイルミ電源が通っている車種もあります。

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  そうなんだ。

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  86後期は、ヘッドライト内部に純正LEDポジションが仕込まれているので、バルブではない。そういう場合、ハーネスの中からイルミ電源を探し出す必要があります。

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  最近は純正LEDポジションも珍しくはないから、バルブとは限りませんね〜。

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  というわけで、検電テスターを使ってイルミ電源を調べましょう。

検電テスターを用意する



電源取り出しの必須ツール。基本的な使い方は、「検電テスター正しい使い方」参照。

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  ヘッドライトを外すときに抜いた、純正配線カプラーを相手に、スモールランプに連動してテスターが反応する線を探します。


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  配線に刺さなくても、カプラーの端子にテスター先端をあてて通電の有無をチェックできます。

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  スモールランプオンで反応するだけでなく、スモールオフで反応が消える（連動している）線を探しましょう。

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  次に、「流れるウインカー」用の電源として、ウインカー信号線が必要になります。



ライト加工方法は、「シーケンシャルウインカー（純正風の流れるウインカー）の作り方」参照。

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  これはどこから？

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  ウインカーは電球が使われている車種が多いので、その電球につながっている2本線のうちのプラス線から取るのが定番コースですね。

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  じゃあポジションランプから取り出すイルミ電源と、やり方は同じか。

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  ただし、今回の86後期の場合は、ヘッドライトにつながっていた純正配線のカプラーの中にあります。そういうケースもありますよ。


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  ウインカーを点滅させて、それと連動するようにテスターが反応する線（端子）を探しましょう。

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  これでイルミ電源と、ウインカー線（プラス）がわかりました〜。

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  わかったら、純正配線に印をつけておきましょう。マスキングテープでも何でもいいです。



今回の例は赤線がイルミ電源で、赤/白の線がウインカー線（プラス）だったが、通常はこんな風に1個のカプラーから取るのではなく、各バルブ裏の配線から取ることが多い。

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  なお、どれが何の線だから分からなくならないように、マーキングしておくことは重要です。

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  少しの間なら覚えていられるだろう、とか思ってしまいますが……、

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  間違えて結線してショートさせる、というのが一番恐いんです。最悪ヘッドライトとかコンピューターを壊してしまうこともあり得るので。

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  ここまで来て、それは避けたいですね。

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  イルミ電源とウインカー線は取り出せましたが、残っているのはマイナスです。

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  イカリングも流れるウインカーも、マイナスをつながないと動きませんね〜。

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  マイナス線を調べるときは、まずは検電テスターに常時電源を取らないといけないので、バッテリーのプラスターミナルに接続します。



詳しくは、「検電テスターでマイナス線を調べる方法」で解説している。

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  検電テスターに常時電源を取っている状態だと、そのテスターはマイナス線に反応するようになります。


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  ただし、このマイナス線探しには注意点が多い。反応する線が全部マイナス線というわけではないのです。

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  ん？

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  例えば、さっき見つけたウインカー線（プラス線）ですが、これはプラス線なんですけど、ウインカーが切れている状態だと、マイナス線として反応します。

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  あー。

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  そういうのは、他の信号線でもよくある話です。オフの状態ではマイナス線になっている。

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  それは紛らわしい。

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  イカリングとかLED用のマイナスとして探すべきなのは、常時マイナス線なんですね。どんな状況でもマイナス、という線です。

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  どうやればそれが分かるんでしょう。

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  例えば、イグニッションオンでもイルミオンでもウインカーオンでも変化がない。常にマイナス線として反応する、マイナス線を探せばいいのですが……、

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  あー、なるほどね！

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  しかし、カプラーにつながる配線がいっぱいあって、あの線もこの線もマイナス反応してしまったりするもんだから、ワケが分からない、ということになりがち。

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  ……確かに混乱しそうですね。

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  そういう場合に、一番確実なマイナスの取り方というのは、ボディアースすることです。



基本的なことは、「クワ型端子でボディアースするための知識」参照。

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  ん？ 純正配線からマイナスを取るのは諦めて、ボディアースする？

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  そうです。純正の常時マイナス線でも、ボディアースでも、あるいはバッテリーのマイナスターミナル直結でも、結局は電気の流れとしては同じことですから。

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  なるほど。無理に、ややこしい配線からの取り出しにこだわる必要はないんだ。

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  次回は、ウインカーをLED化したときに必須の「ハイフラ防止抵抗」の付け方を解説します。