アクリルヘッドライト加工方法（第13回）

LEDテープライトでアクリル板をキレイに光らせるコツ

アクリル板をキレイに面発光させるコツにせまる。光源はLEDテープ。使いたい長さピッタリに切って使える便利なアイテムだが「キレイに光らせる」ためには、もうひと工夫がある。加工のプロのアクリル×LED工作は、見るだけでもかなり楽しい！

「アクリル面発光の光源は、どんなLEDがよい？」の続きです

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  アクリル板をLEDテープで光らせる場合、どこに付けたら、どう光るか？……というのは、やってみないと分からない面があります。

  ●アドバイザー：球屋 森田研究員

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  付ける位置が決まっているわけではない？

  ●レポーター：イルミちゃん

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  そうですね。
  毎回状況が違いますからね。

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  そっかー。

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  LEDテープも、細かくカットして使う可能性が大です。しかし、現時点では、どの長さで切り出したらいいかさえ、分かりません。

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  じゃあ、どうするんですか？

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  とりあえず、LEDテープを切断する前に、配線だけ付けた状態で光らせてみるのです。

✔ ひとくちメモ

LEDテープはカットラインで切って使えるのが利点。しかし切った残りには、もう配線が付いていない状態となるので、次に使うときは配線をハンダ付けし直す必要がある。

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  ところで、このLEDテープへの配線ハンダ付けについて、初心者の人にはちょっとした注意点があります。

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  と言うと？

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  なるべくLEDに熱をかけないように、短時間で済ませる、ということです。

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  「配線が付けばいい」というものではない……と。

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  そうなんです。その時は光っても、熱でダメージを負ったLEDは、寿命が縮まります。

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  プレッシャーですね。

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  別にヘッドライト加工に限った話ではないのですが、ヘッドライトの中で使うLEDなら、なおさらなのです。

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  切れたら、またヘッドライトを殻割りしないと直せませんからね。

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  絶対に切れないLEDはないとは言え、できるだけ切れにくくするように作業したいですよね。

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  まずはLEDテープの電極に、先にハンダを盛っておきます。



プラスとマイナスの両方に予備ハンダを盛る


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  そして配線コードの芯線にも、ハンダを染みこませておきます。


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  これが意外と重要。やっておくと、実際に基板上にハンダ付けするとき、短時間で付けることができます。

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  なるほど。

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  LED側……つまりLEDテープ側にハンダごてを当てる時間は、極力少なくすることを意識しながら配線を付けます。



もう1本も同様に付ける


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  プラスとマイナスの両方に、配線を付けました。

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  配線を付けたら、この段階ではまだLEDテープをカットせずに、12V電源を用意して仮で点灯させて光源位置を探ります。



✔ ひとくちメモ

LEDテープは、グルグル巻きの状態で長時間点灯させると熱を持ちやすい。テスト点灯はごく短時間で済ませるか、時間をかけるならグルグル巻きではなく、伸ばした状態で点灯させるとより安全。
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  どの向きでLEDを照射したら、アクリルがキレイに光るのか？ オモテ側からも見ながら、光源の「位置」「向き」を考えます。



✔ ひとくちメモ

●車に付ける前に点灯確認することは、重要なポイント。もしショートしていても、この段階なら大きな問題にはならない。

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●車に付けた状態でショートさせたら、車側のヒューズを飛ばしたり、コンピューターを壊したりしかねず、被害は甚大。
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  車に付ける前に、LEDテープ自体に問題がないことを確認しておきましょう。ココはとても重要です。

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  インナーに埋め込んだアクリル板を光らせる場合、1本モノのLEDテープでは難しいケースが多いです。

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  今回のケースでは？

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  今回も、1本モノでは厳しそう。短いほうのアクリル2本分の光源として、短く切り出します。


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  こうするのは、なぜ？

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  今回埋め込んだアクリルフィンは5本。そのうち短いほうのアクリル板は、ナナメにLEDテープを当てる感じになる。これはインナー裏面の形状の影響ですね。



※この段階では両面テープによる仮固定。

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  表側から見たところ（↓）……ひとまず短い方の、2本のアクリルは発光。


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  ところがアクリルが長い方は、同じような向きで、ナナメから光を当ててもダメなんですね。その角度では端まで光が飛ばない。

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  アクリル板が長いから？

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  そうなんです。長い板の光源は、LEDテープの光がなるべく横から入るように角度を起こしたい。

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  そっか。5本ともアクリル板の長さが違うから、工夫がいるんだ。

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  で、LEDテープを「向けたい方向に向ける」ためには、「壁」を作りたい時も出てくるわけです。

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  カベ？

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  たとえば「この角度でLEDを照射したい！」と思っても、後ろになにもない空間だと、LEDテープの角度を起こしようがない。

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  なるほど。
  そこで壁が必要になる。

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  壁、またはステーみたいなものですね。

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  どうやって作るんですか？

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  LED自作をする人なら、基板などが使えると思いますよ。まずは、型紙を切り出しましょう。

ボール紙などを切り出す



「こんな角度でLEDを立てたい」という壁のカタチを検討



型紙に沿って基板を切り出す



基板を仮でセットした



※この段階ではまだ両面テープによる仮固定。

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  ちなみに球屋では、基板ではなくポリカーボネート板を使っています。ハサミで切れて、柔軟性もあるので湾曲面も作れて便利です。

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  今回は、入手性の高い基板を使いました。……ところでコレ、厚紙のままではダメなんですか？

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  紙はダメです。万が一ショートしたときに燃えやすいので。紙はあくまでも、型取りに使うだけですね

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  そっか。

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  ひとまず！ 両面テープで仮固定して、点灯させてみましょう。



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  おお〜。
  全アクリルが光った！

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  しかし今の状況だと……長い方のアクリル板は、先端が少し暗いですよね。

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  ムムム……言われてみれば。

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  ちなみに今回は、反対側からは「青」のLEDテープを入れようと思ってます。

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  え？
  こっち側は白で、あっち側は青？

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  そうすると、アクリル板がグラデーションカラーに光りますよ。

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  あー、球屋がよく使っている技ですね！

こんな感じになる予定

「アクリル板をLEDでグラデーション発光させる方法」に続きます

この記事の実践アドバイザー

球屋・田中宏信サン。森田研究員に輪をかけたドM。働き者。

DIY Laboアドバイザー：森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。アクリルづかいを筆頭に、最先端のライト加工技の探求者。実際にお客さんの10台中9台はアクリル加工をする、というほどのエキスパートだ。派手さよりも「完成度と質感」を重視。デザイン性の高さでも全国屈指。

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