デッドニング完全ガイド
ドア内張り(プラスチックパネル)への吸音材の貼り方
ドア内張りのプラスチックパネルに吸音材を貼る方法。前回のデッドニングでは制振材を貼ったが、「制振」と「吸音」それぞれの効果・意味を知りつつ、仕上げの作業を進めていく。これでドア内張りデッドニングが完成する。
ドア内張り内の音の乱反射や、ロードノイズを消すための吸音材
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「プラスチックパネルの制振方法」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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制振材に続きまして、ドア内張りに吸音材を貼ります。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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前回のは「制振」で、今回のは「吸音」が目的ですね。違いが分からない人も多いかと思いますが……
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制振材は、プラスチックパネルであるドア内張りの振動を抑える目的で貼りました。
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ビビリ音抑制ですね。
では今回は? -
今回の吸音材の目的は、ドア内張り内に乱反射する余計なノイズを吸収するためです。ロードノイズなどが車内に入るのを防ぐ意味もあります。
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車内の静音化につながるんだ。
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そうですね。ですので、ここで使う「静音シート(パネル)」は、オーディアの「for Silentシリーズ」に属するアイテムです。
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サイレントグッズが出てくるのはまだ先だと思っていたけど、このへんから出てくるのかー。
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ドア鉄板と、ドア内張りの隙間に貼る専用の吸音材がコレです。
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吸音材を貼る場所は?
先に貼った、制振材の上に重ねて貼るのかな? -
重ねて貼っていいんですが、制振材はスピーカーのあるドア下部を重点的に貼りましたよね。
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それに対して吸音材は、プラスチックパネルの全体にバランスよく貼るのが望ましいです。つまり、制振材を貼っていない場所にも貼っていきます。
✔ エーモンのオーディアには、音質向上を目的とした「for Sound」と、静音化を目的としては「for Silent」がある。
エーモンの静音シート・パネル(8358)
制振材を貼った位置
ドア内張り(プラスチックパネル)への吸音材の貼り方
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なお、この吸音材(静音シート)には、粘着剤は付いていません。
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どうやって貼るの?
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付属の両面テープを使います。まずは、貼る場所に合わせて、吸音材をカットしましょう。
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せっかくだから、角アールにしておこうかな。
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その、角を切り落としたのには、どんな意味が?
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角アールのほうが見た目がキレイになるというだけで、特に機能的な意味はありません。
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機能的な意味もないのに、切り落として面積を減らすなんてもったいないッ!!
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……という方は、そのまま四角で貼りましょう。
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……やっぱり、星形とかにしようかな。
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いや、そういうのはさすがにもったいないから、やめて。
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次は、付属の両面テープを切り出します。
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吸音材の長さに合わせて、切り出してから貼るんだ。
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吸音材の端のほうと、真ん中あたりに両面テープが貼ってあれば十分です。
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一枚できたぞ。
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これをドア内張りパネルに貼ります。
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ここは制振材も大きいのを貼った、一番広い平面部分ですね。
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凹凸などは避けながら貼っていきます。
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でも、1枚ずつ行き当たりばったりで貼ると、バランス良く貼れないかもしれませんね? 上のほうが足りなくなったり……とか。
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そうですね。そうならないように、まず全体に平均的に貼れるようにイメージしながら、貼る場所を決めましょう。
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……その結果、今回はこのように、先にバラバラにカットしました。
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それから、両面テープ切り出しのコツ。まず長い辺のぶんを優先的に切り出して、短い辺は余りでなんとかする、みたいなイメージです。
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ここまでやったら、あとはペタペタ貼るだけだ。
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注意点もあります。今回は、ドア側もすでにデッドニング済みじゃないですか。
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それが何か?
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例えばスピーカー周辺には防音テープを巻いたので、その周辺には貼らないほうがいいです。
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あー。スピーカーに巻いた防音テープは厚みがあるから、干渉してしまう。
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そうなんです。内張り側だけでなく、ドア鉄板側のことも考えながら、貼る場所を決めましょう。
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吸音材のレイアウトの一例としては、こんな感じになりました(↓)
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う~ん。フルコースやりきった感あるなぁ♪ ドアがすごいことになってる。
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まあでも、フルデッドニングと言うには、まだまだほど遠いですけど。
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オーディオは凝り出すとキリがないってよく言うけど、デッドニングも同じだな。
チョキン
こんな感じでOK
ドア鉄板とドア内張り、両方のデッドニング完成です
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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