スパナ＆めがねレンチ、サイズの基礎知識。自動車向けと一般向けの違い

めがねレンチやスパナは、基本的に両端で違うサイズの口径部を組み合わせてあるが、初心者はどれを買えばいいのか。DIY用途だとしても、複数必要になったりするめがねレンチ＆スパナ。基礎知識を学ぶと、納得のいく「自分セット」が選べるようになる。

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  「スパナの正しい使い方╱正しい向きは？」の続きです。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  スパナやめがねレンチのサイズの選び方について、初心者向きに解説しましょう。

  ●アドバイザー：KTC トリー研究員

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  初心者は何ミリを買えばいいの？ トリー研究員のおすすめは？

  ●DIYラボ別館 ユキマちゃん

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  そこはまあ、相手（ねじ）による話なので「ねじのサイズに合わせて買ってください」としか言いようがありませんが……

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  ぐぬぬ。
  ……わ、分かってるわよ、そんなこと！

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  ただ、スパナやめがねレンチの場合、両端でそれぞれ違うサイズの口径部を組み合わせているのが基本形です。


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  そういえばそうだ。
  2つセットですね。

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  え～っと。
  10ミリのスパナが欲しいんですけど？

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  その10ミリの口径サイズに組み合わせる相方のサイズが、12ミリのものもあれば、13ミリのものもあります。

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  ん？

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  そして、KTCのスパナやめがねレンチはサイズバリエーションが多いのも特長で、「10×11」「10×12」「10×13」「10×14」と選べます。

10ミリスパナのサイズバリエーション



このほかに「8×10」も含めれば全5種類となる。

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  え？ ……えぇ？

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  どれも10ミリのスパナ。
  こんなにいろいろあるんだ。

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  まあ、いま欲しいのは10ミリなんだから、反対側なんて何でもいっか。

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  ちょっと！
  どうせ買うなら反対側もちゃんと選びなさいよ！

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  選ぶときは、スパナやめがねレンチのサイズの組み合わせには、自動車向けのものと一般向けのものがある……というのもポイントですよ。

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  え？
  スパナに自動車用とか、一般用とかあるの？

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  ここで、連載最初の「ねじ講習」に話が戻ります。

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  ふむふむ。
  また戻るんですね。

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  自動車用のボルトは、一般的なボルトとはアタマのサイズが違う、という話をしましたよね。



✔「車で使われている〈ねじの種類〉と〈サイズの謎〉」参照。

>>>リンク先で詳しく読む。

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  例えばM8のボルト。自動車の場合は12ミリアタマですが、一般的には13ミリアタマが使われます。

同じM8ボルトでもアタマのサイズが違う


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  自動車は、アタマの小さいボルトを使っているんでしたね。

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  そうです。「小径ボルト」と「標準ボルト」の違いです。自動車の世界では、小径ボルトが使われています。

【M8】六角ボルトの二面幅

小 形	12ミリ
標 準	13ミリ
高 力	-----

【M10】六角ボルトの二面幅

小 形	14ミリ
標 準	16ミリ or 17ミリ
高 力	-----

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  つまりスパナやめがねレンチにおける「10×12」は自動車向けのサイズで、「10×13」は一般向けのサイズということになります。

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  そういうことか。

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  じゃあ、ここでは「10×12」ミリのスパナとめがねレンチにしておけばいいんだ。

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  でも、その理屈でいうと「10×14」も自動車向けのサイズってことになるわね。14ミリも、車で出てくるねじサイズなんだから。

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  ちなみにその「10×14」は自動車用としてはかなりレアなサイズ設定でして、KTCはコダワリで用意しています。

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  レアなんだ！
  じゃあ、それにする！

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  ……って、だから、そういう選び方はヤメロ。

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  車のねじサイズは、8ミリ・10ミリ・12ミリ・14ミリ……の間隔で出てくるんだから……

国産車の定番的なねじサイズ


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  九九みたいに覚えたわよ。8/10/12/14/17/19……でしょ。

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  普通に考えたら「10×14」なんて飛ばさずに、「10×12」あるいは「8×10」のスパナやめがねレンチが妥当な気がするけど？

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  確かに10ミリと12ミリはよく使われるサイズなので、「10×12」は持っておくと便利なサイズです。

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  やっぱりね。

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  それなら、KTCはなぜ「10×14」なんていう妙なサイズを作ったの？

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  「10ミリと14ミリがほしい」人もいるからですよ。その人にとっては「10×14」のサイズ設定がなかったら、「10×12」と「12×14」を2本持たないといけなくなりますよね。

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  へー！ そのためにわざわざ「10×14」なんて、ニッチサイズを作るんだ。

工具のサイズに関しては「持つ本数をできるだけ少なくしたい」ニーズに応えることは重要です



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  ですから、「できるだけたくさんの組み合わせを用意しておく」。それがKTCの考え方なんです。

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  ナルホド。

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  だったら、アタマを使えば工具を買う本数を減らせる！ なるほど。ここは慎重に考えなくては。

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  私、やっぱり、最初は「8×10」のスパナとめがねレンチにするわ。

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  え!?
  定番の「10×12」はスルーしちゃうの？

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  だって、2本目に「12×14」を買えば、そこで12ミリも手に入るでしょう？


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  ふむ。
  ……それもそうか。

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  確かに、工具の本数を少なくしようと思ったら、そのように口径サイズが重ならないように選ぶことになりますよね。

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  「8×10」の次は「12×14」。その次は「17×19」にすれば、サイズに無駄がない。

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  しかし、「10×12」ミリは両側の口径部ともによく使うサイズなので、持っていると使用頻度が高くて便利なんですよ。

よく使う「10×12」


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  「8×10」と「12×14」を持っていれば機能面では足りるとはいえ、10ミリと12ミリを使う作業に対応するには、2本持たないといけません。

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  ……そっか。

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  だから、特によく使うサイズは、重ねておくほうが対応力が上がります。つまり作業効率が上がるんです。

サイズを重ねながら揃えるスタイル


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  それに「よく使う10ミリが1本だけ」っていうのも、不便かも。ユキマちゃんすぐなくしそうだし。

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  ……それは言えてる。
  いろいろ考え出すと、どんどん迷うわね。

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  でも、めがねレンチとスパナの口径サイズは、考え出すとけっこう面白いんです。そこは楽しんで選んでください。

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  そうかも。
  パズルゲームっぽい。

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  改めてサイズラインナップを見れば、「こんな組み合わせあるんだ」とか、「これがあれば効率いいかも!?」というのが見えてくるかも知れませんよ。

✔ KTCの標準的なめがねレンチのサイズラインナップは、「45°×6°ロングめがねレンチ」参照。

※（口径部のサイズラインナップはスパナも共通）。

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