電源、入力、出力の違いが分かればトラブルに強くなる

「電源」「入力」「出力」の違いを理解する最大のメリットは、トラブルシューティング。「取り付けた電装品が動かない！」ことはよくあるが、その原因に迫れる自分になれるのだ。

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  「電源、入力、出力の違いが分かれば、電装品取り付けのスキルが上がる」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  前回の話だけだと、「そんなこと知って何になるの？」と思ったかも知れませんが……

  ●アドバイザー：CEP 服部研究員

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  まあ、どの線が「入力線」か？ なんて意識しなくても、電装品は取り付けできますよね？

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  確かに、説明書通り「この線は常時電源につなぐ」「これはアンロック線に……」とやっていく過程で「どれが電源線でどれが入力線で」とは、ほぼ意識しないと思います。

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  じゃあ、なぜこんな勉強しているの？

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  分かりやすく差が出るのは、トラブルが起こったときですね。

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  ムムム。

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  取り付けした電装品が動かない！
  これはよくある話ですよね。

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  このユニット壊れてるッ!!
  さっそくクレームだ！

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  ……その前に、調べてほしいことがあるのです。

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  例えば、「ウェルカムランプキット」という電装品を取り付けたけど動作しない、としましょう。

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  ふむ。

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  正常動作していれば、アンロック時と、エンジン停止したタイミングで、後付けLEDが光る……というものです。



コムエンタープライズのウェルカムランプキット・ルミナス参照。

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  で、「うまく動作しない」という時に、どうやって原因を絞り込むか。ここがスキルの問題になってきます。

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  フムフム。

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  ありがちな勘違いは、「LEDが光らない＝ユニットが出力していない」と考えてしまうことです。

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  ……合ってるような気がするが。

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  でも、順番としてはまず「入力」があって、はじめて電装品が「出力」します。

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  ？？？

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  「アンロックしたらLEDを光らせる」電装品なら、アンロック信号という「入力」があって、それを合図に電源をLEDに「出力」するということです。

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  ……ふむ。

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  だからアンロック信号という「入力」が取れていなかったら、「出力」するはずもない。光るわけがないんです。

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  そっか！

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  それと、そもそも「電源」が取れていることが大前提ですけどね。

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  そりゃそーだ。

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  だから、まずはユニットにつながる直前の配線で、「電源線」と「入力線」に電気が来ているかを、検電テスターで調べるといいんですよ。

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  ほう。
  「出力線」は後回しか。


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  まず、「電源線」の赤に電気が来ているかどうかは、検電テスターを当てればすぐ分かりますね。



✔「検電テスターの正しい使い方」参照。

>>>リンク先で詳しく読む。

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  隊長、電源は来ていますっ！

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  アンロック信号などの「入力線」はどうでしょう？ 検電テスターを当てながら、アンロックしてみてください。

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  あれ～、電気来てないなァ。

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  ちゃんとアンロック線につなぎましたか？

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  ちゃんとつなぎましたよ!!
  たぶん。

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  ……と、本人は思っていても、実際にはアンロック線に電気は来ていない。これじゃ「出力」もされないわけです。

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  なんでだ？

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  まあ、つなぐ線を間違えていたり、エレクトロタップの接触不良だったり、原因はいろいろでしょうけど。

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  ……ふむ。

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  いずれにしても「入力線」に検電テスターを当てていけば、どの線が取れていないか、すぐ分かる話なんです。

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  なるほどね。

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  だから電装品が動かないときは、アンロック線に限らず、まずは「入力線」全部に、電気が来ているかを確認するといいんですよ。

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  ウェルカムランプキットの場合だと「入力線」は4本ありましたよね。


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  ハイ。「ロック線」「アンロック線」「ACC電源」「ドア開閉検知線（ドアカーテシ線）」の4本です。

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  つまり、ロックして電気がくるか、アンロックして電気が来るか、ACCオンで電気が来るか……

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  ドア開閉検知線はマイナスコントロールなので、普通にテスターを当てては調べられませんが、とりあえずすぐ調べのつく線を調べます。

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  ふむふむ。

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  取り付けた電装品が正常に動かない場合、「入力線」が正しく取れていないケースが多いです。

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  この段階で、「あれ？」っていう線が出てくるんだ。

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  そうです。だから順番としてはまず、「電源」と「入力線」を確認するといいんですよ。

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  そういうことね。

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  隊長、やっぱりヘンです！

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  どうしましたか？

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  さきほどのアンロック線は取り直して、「入力線」はオールOKとなったにもかかわらず……

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  ふむ。

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  かんじんのウェルカムLEDが光りません!!

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  それは意外な展開ですね。そもそも「電源線」に、電気は来てますか？

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  そんなのは最初に見ました。
  単なる常時電源だからすぐ分かるし。

電源線・出力線をぜんぶ調べて異常がない状態なら、ここではじめて「出力線に電気が流れるか」を見てみましょう



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  「電源」「入力」が正常なのに、「出力」されないケースなら……この場合は、確かにユニットが壊れている可能性はあります。

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  ウーム。
  やっぱり犯人はコム？

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  取り付けミスでショートさせて内部の基板が壊れたりした場合でも、そういう挙動になりますけどね。

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  （……ウッ。もしかしてやっちゃった系かも）……って、あれ？？？

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  ……どうですか？

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  「出力線」にも電気が流れてる。なんだこれ。

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  ……え？ それならユニットは全て正常ってことじゃないですか。ウェルカムランプ、光りませんか？

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  それが光らないんですよー。

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  ……しかし、その場合はもう、LEDにつながる配線のどこかに原因があるのは明らかですよね。

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  ……そういえば、「出力線」をちゃんとLEDのプラスにつないだか、自信なくなってきたなァ。

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  ……。
  原因が分かって良かったですね。

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  なるほど。こうやって原因を絞り込んでいくわけかー。

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  今回のやり方は、電装品につながるカプラーの根元でいっぺんに調査していけるので、わりと短時間でトラブルの原因が絞り込めますよ。