電気用語の導通とは？ テスターでのチェック（導通確認）方法

導通（どうつう）は車業界ではあまり馴染みのない電気用語だが、導通について知っておくと、電気のトラブルに強くなれる。よくあるアース不良も、テスターで導通チェックできれば原因を絞り込める。

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  今日のテーマは導通（どうつう）です。

  ●アドバイザー：CEP 服部研究員

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  ……あれ？

  ●レポーター：イルミちゃん

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  どうかしましたか？

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  今日は「アース不良とは？」の続きで、アース不良の撲滅方法を教えてくれるはずだったのでは？

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  そうです。そのために「導通」を理解しておいてほしいんですよ。

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  ドウツウってなに？

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  「電気的につながっている」という意味です。

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  えーっと、全然分かりません。

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  A地点とB地点が電気的につながっていることを、「導通している」っていうんですよ。

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  ……はあ。

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  具体的に分かりやすい例として、短い配線コードを用意します。

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  フム。

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  そしてテスターを使って、導通を調べているシーンがコレ（↓）です。


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  何をやってるのか、ぜんぜん分かりませんけど？

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  これはね、配線コードの左端と右端が、導通していることを確認したのです。

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  配線コードの端と端がつながっている……と言いたいのデスカ？

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  そうですね。無事につながっていることが確認できました。

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  当たり前じゃないですかッ!!
  配線コードなんだから!!

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  ……いやいや。
  そうとは限らないでしょう？

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  どういう意味ですか？

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  「導通しているかどうか」というのは、見た目のハナシではなく、「電気的につながっているかどうか」ということですよ。

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  でも、配線は電気を流すものなんだから、測るまでもなくつながっていますよね？

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  正常な配線コードならね。でも内部で断線していれば話は別でしょう？

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  ……ムムム。

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  間にギボシ端子などの端子類やコネクターを使っていたら？ そこでカシメ不良（端子の取り付けミス）が起こっているかも知れませんよ？

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  ……そうすると、「導通していない」状態になるの？

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  そうです。導通チェック（導通確認）する目的のひとつが、「その間で、断線や接触不良が起こっていないかを確認する」ということです。

導通モードのあるテスターならカンタン

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  それでは、導通の確認方法を教わります。

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  導通チェックを簡単にできるのは、テスター（サーキットテスター）の導通モードを使う方法です。

サーキットテスターを用意


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  そういえば以前に、テスターの使い方は教わりましたね。

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  あのときは、まず基本中の基本として、「電圧の測り方」や「電流の測り方」をやりました。

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  テスターの基本的な使い方から知りたい人は、こちら（↓）からどうそ。

✔ 「車の電圧の正しい測り方（テスターの使い方）」参照。

✔ 「車の電流の正しい測り方（テスターの使い方）」参照。

✔ 「サーキットテスターの使い方例╱マイナスコントロール線を探す」参照。

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  基本編ではスルーしましたが、テスターには「導通チェックモード」あるいは、それがなくても「抵抗値を測るモード」があります。

導通チェックモード



抵抗値を測るモード



Ω（オーム）のマークが付いているエリア。

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  導通チェックは、このどちらのモードでもできますが、上のテスターのように両方あるなら、「導通モード」を使う方が分かりやすいです。

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  この電波マークみたいの何だろう、と思っていたら、導通モードだったのか。

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  「導通モード」があるテスターのいいところは、導通していると『ピー』音が鳴ってくれることです。

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  どうやって調べるんですか？

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  カンタンです。テスターの赤い棒と黒い棒の先を、それぞれ、自分が調べたい地点（2箇所）に当てるんです。



ピー

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  こんな感じ（↑）で、A地点とB地点が導通していることが確認できます。

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  ハサミ単体でも反応するんだ。つまり、実際に電気が流れている必要はないんですね。

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  ハイ。べつに電気が流れていないモノ（単なる金属の棒など）でも、テスターを当てるだけで導通は調べられます。

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  言葉としては難しそうなイメージでしたが、実際に調べるのはカンタンですね〜。

もしも、テスターに「導通モード」がなかったら、「抵抗モード」でも調べられます



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  抵抗値を測るモード（Ωマーク）にセットします（↓）


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  このとき、抵抗値のレンジ（測定幅）は、一番小さいレンジを選んでおきます。

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  上のテスターの例でいうと、最大で「2000キロオーム」まで測れるモードと、最小で「200オーム」までのモードがありますね。

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  この場合は200にセットすればよいですね。

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  フムフム。

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  あとは同じように、導通していることを確認したい2点にテスターの棒を当てます。



シーン

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  『ピー』って鳴りませんね？

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  抵抗モードで測っている場合は、「抵抗値を測っている」ので音は出ません。

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  抵抗値？

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  上のテスターの画面に0.05って出ていますよね。この数値が抵抗値を示しています。

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  そんなもの調べてどうするんですか？

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  上のように配線コードが導通していれば、抵抗値はほぼ0に近い数字となります。

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  0ではないけれど……。

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  まあ、配線自体にも若干抵抗はあるので、ゼロにはなりません。1Ωもないような抵抗値ならほぼゼロ、つまり導通していると言えます。

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  そういうことか〜。
  導通してなかったらどうなるの？

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  無限大マークが出たら、導通していない（つながっていない）ということです。

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  なるほどね。
  そうやって判別できるんだ。

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  そうなんです。どっちのモードでもいいですが、これからテスターを買うなら、よりカンタンな「導通モード」付きを選ぶといいかも知れません。

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  導通していたら『ピー』ってなるのが、便利そうですね〜。

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  というわけで、導通チェック方法が身についたら、これをアース不良対策に応用します。

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  ……そういえば、アース不良の撲滅作戦の途中でした。

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  今回は卓上での説明でしたが、次回は車での実践的な方法を解説しますよ〜。