電源、入力、出力の違いが分かれば、電装品取り付けのスキルが上がる

電装品の配線は「電源」「入力」「出力」に大別できる。この3つの用語の違いが分かるだけで、電装DIYのスキルが上昇する。なんとなく知っているけれど、やや曖昧だった人も、ここで押さえておこう。

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  今日は「電源」「入力」「出力」について、勉強しておきましょう。

  ●アドバイザー：CEP 服部研究員

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  なにそれ？

  ●レポーター：イルミちゃん

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  電装品には、だいたい「電源線」「入力線」「出力線」の3種類が出てくるんですよ。

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  プラスとマイナスじゃなくて？

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  ……それとは別の話ですね。LED取り付けならその2本で済みますが、電装品はそうはいきません。

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  ……そういえば、コムエンタープライズの電装品には配線がいっぱい出てきますよね。

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  そうなんですけど、それを整理すると「電源」「入力」「出力」に分かれるんですよ。

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  ふぅーん。

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  反応が薄いですけど、この3つの違いを知っておくことはけっこう大切なことです。

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  そうなの？

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  それぞれに注意点が違うし、トラブルシューティングにも役立ちます。DIYのスキルアップにつながりますよ。

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  ホホウ。

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  ここでは、ウェルカムランプキットの配線を例に説明しましょう。

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  ウェルカムランプキットって？

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  車をアンロックしたときと、エンジン停止したタイミングで、後付けLEDを光らせる目的の電装品です。


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  後付け電装品を、純正っぽく制御できますね。これはいいな。

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  で、そのウェルカムランプキットの配線はこれだけ出てきます。


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  コムエンタープライズの電装品の場合はまず、赤と黒が「電源線」です。

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  では、3種類の配線のうち、まず電源から教わっていきましょう。

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  「電源線」とは、後付けの電装品を動かすための電力を供給する線です。

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  名前の通りですね。

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  電装品によって使う電力には差があります。

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  ふむ。

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  例えばパワーアンプなど、すごくパワーを使う電装品では太い電源線を使ったりします。


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  まあパワーアンプの場合はバッ直で取りますが、そこまではしない一般的な電装品でも、電源容量の大きいところから取るのが基本です。

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  容量の大きい小さいって、どう判断するんですか？

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  純正配線から分岐で取る場合には、その配線の太さがひとつの目安となります。

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  そういえば、以前にも「細線から電源を取らないほうがいい」という話が出てきましたね。



✔「細線、中線、太線の違い。配線から電源取り出しするならどれ？」参照。

>>>リンク先で詳しく読む。

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  「大は小を兼ねる」ので、小さい電装品の電源を、太線から取るのは問題ありませんが、逆はマズイです。

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  細線に電源線をつなぐと？

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  車両側のヒューズが飛んだり、電装品が正常動作しなかったりします。

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  電源線はつなぐ相手を慎重に選んだほうがいいってことですね。

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  そうです。電源線にはプラスとマイナスがあって、マイナス線はボディアースするので問題は起こりませんが、プラスの電源線をつなぐ相手は、慎重に決めましょう。

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  でもどのくらいの電気が流れるかは電装品によるんでしょ？

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  ですね。その電装品が何アンペア使うのかは、「消費電流」としてスペックに書いてあることが多いです。

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  ふむ。

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  もしくは「消費電力」で書いてある場合は、12（※車の電圧）で割り算すれば、消費電流が分かります。

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  それだけの電流が、「電源線」には流れるんだ。

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  スペックに書いていなくても、電源線に付いているヒューズの容量も目安にはなります。

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  次は「入力線」。ウェルカムランプキットを例にすると、4本出てきます。


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  「入力線」っていっぱいあるんですね。

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  ウェルカムランプキットの例だと、「ロック線」「アンロック線」「ACC電源」「ドア開閉検知線（ドアカーテシ線）」につなぐ4本は、すべて「入力線」です。

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  ……ちょ、ちょっと待った。

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  なにか？

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  ACC電源は電源線じゃないの？ 「エーシーシー電源」って言ってるじゃん。

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  ウェルカムランプの場合は、電源線ではなく入力線として、ACC電源が必要なんですよ。

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  そのへん、初心者にはちょっと紛らわしいかも。

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  そうですね。電装品の中にはACC電源を電源として使うモノもありますが、ウェルカムランプキットは違います。

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  電装品によるんですね。

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  「入力線」というのは、ようするに電装品のトリガー（引き金）になる線のことなんですよ。

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  トリガー？？？

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  例えばロック線から電気が流れてきたら、「あ、いまロックされたな」ってことが電装品に伝わります。

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  フムフム。

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  ようするにユニットが、車の状態を情報として知るための線が「入力線」なんですね。

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  じゃあ、ACC電源を入力線として使うイミはなに？

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  ウェルカムランプキットの例でいうと、エンジンオフのタイミングを知りたいから、ACC電源線を取るんです。

ACC信号オフを検知して、LEDを点灯させる目的


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  それで車から降りるときにも、LEDが光るんだ。

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  あくまでも、情報を知るために取っている線で、それを電源（メインパワー）としては使っていません。

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  なるほどね。

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  だから、基本的には、（電装品の設計によるとはいえ）小さな電流しか流れません。

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  単なる合図みたいなものだから、大電流を取る必要はないですね。

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  そうなんです。「入力線」は少ししか電気を取らないように設計するのが普通です。

✔ ユニットの設計次第な面はあり、出来の悪い製品だと無駄に電気を取るケースもあり得るが、マトモなメーカーの電装品ではあり得ない。

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  なるほど、なるほど。

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  だから、「入力線」をつなぐ相手は細線でも問題ありません。

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  「電源線」をつなぐときのように、気を遣う必要はないわけか。

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  ですね。電装品の説明書に「ACC電源につなぐ」という指示がある場合でも、それが「電源線」なのか「入力線」なのかで違うってことです。

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  そのへんは、機械的にやってしまう人が多そうですが……

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  でも、電源として取ることが目的なのか、入力信号として欲しいだけなのか、この違いを意識できると無用なトラブルを避けられます。

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  では、残る「出力線」はどうなのか？

ウェルカムランプキットを例にすると「出力線」は残りの2本です



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  出力線とはなんですか？

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  電気を出力する線ですね。
  プラス出力の電装品の場合は。

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  プラス出力？

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  プラス出力とマイナス出力というのがありますが……

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  ？？？

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  ……ってなるので、その説明は後回しにするとして、とりあえずウェルカムランプキットの場合は、出力＝「電気を出力する線」です。

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  出力ってどこに？

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  ウェルカムランプキットの場合は、後付けしたLEDにつなぐ線のことですよね。

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  そっか。
  後付けLEDを光らせるのが目的のユニットだから。

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  そういうことですね。キーレスだったらウインカーを光らせるための線が「出力線」になります。

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  なるほどね～。

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  で、「出力線」の注意点は「容量がある」ってことですね。ウェルカムランプキットだと、50Wまで対応しています。

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  その限界容量を超えてつなげたらダメなんだ。

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  ハイ。「入力線」では容量を意識する必要はありませんが、「出力線」では重要な注意点です。

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  なるほど。

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  今回説明した「電源」「入力」「出力」の3つの違いが分かっていると、取り付けた電装品が動かない、なんていう時のトラブルシューティングにも役立ちます。

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  どういう風に役に立つの？