LED自作の知識
整流ダイオードを使うときは容量の選び方にも注意
整流ダイオードにも容量(アンペア数の違い)があるので、選び方に注意が必要。例えば消費電力の大きい、長いLEDテープライトで使う場合。前回解説した「整流ダイオードの並列接続」とあわせて、具体的に整流ダイオードの容量選びを学ぶ。
整流ダイオードにはアンペア数の違いがあるが、これが容量
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●レポーター:イルミちゃん
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今回は、整流ダイオードの並列接続で容量を稼ぐ方法が、有効な場面について触れておきましょう。
●アドバイザー:エルパラ 平川研究員
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フムフム。
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今回のそもそもの目的は、車の電圧(DC13.8V)を、LEDテープの電圧(DC12V)まで下げることでしたよね。
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その目的は、直列接続で達成できましたよね。
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しかし、電圧降下させることだけ考えていてもダメで、整流ダイオードを使う場合、容量の選び方には注意が必要なのです。
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整流ダイオードにも容量がある?
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そうです。ここでいう容量というのは、流せる電流量のキャパのことです。
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つまり、アンペアの数値のことですね。
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エルパラで販売している整流ダイオードは、1アンペア・2アンペア・3アンペアがあります。
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前回までの話は、1アンペアの整流ダイオードを使って説明していましたが……
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じっさいに何アンペアの整流ダイオードを使うべきかは、そこに流れる電流によります。
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え~っと、つまり、LEDテープライトの明るさ・長さによって変わってくる?
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そういうことです。例えば消費電力が12WのLEDテープなら、12V時に1アンペアということになりますが……
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1アンペアの整流ダイオードでは、ここまでがギリギリってことか。
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いや、整流ダイオードや抵抗のような電子部品は、容量的に2倍くらいの余裕を見て選んだほうがいいのです。
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ということは、実際に1アンペア流れるなら、1アンペアではなく2アンペアの整流ダイオードを選ぼうってこと?
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そういうふうに考えたほうが無難です。
12W÷12V=1A(アンペア)…という計算
整流ダイオードの容量の選び方
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例えば、消費電力の大きい例。5メーターで37WのテープLEDを付けるとしましょう。
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フムフム。
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37W÷12Vで計算すると、約3アンペアの電流が流れるということが分かります。
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37÷12=3.08。この数字がアンペア(電流値)ね。
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ということは、容量的に倍近い余裕をみて、5アンペア以上の整流ダイオードがほしいところです。
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計算上3アンペアだから、3アンペアの容量で足りるとは思わないほうがいいんですよね。
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そうですね。でもエルパラで販売している整流ダイオードは3アンペアまでですが……。
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え? ……あれ???
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こういう場合に例の、整流ダイオードの並列接続という手があります。
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おお、そういうことか!
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3アンペアの整流ダイオードを2個並列に付ければ、6アンペア分まで対応できます。
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これなら、明るいLEDテープを5メーターで使うような場面でも対応できます。
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へえぇ~。
整流ダイオードの容量と、電圧降下に差は出るのか?
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ちなみに容量の大きい3アンペアの整流ダイオードだと、1アンペアに比べてもっと電圧降下するのでしょうか?
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順方向電圧は1アンペア・2アンペア・3アンペア共に 大きく変わりません。それも測定してみましょう。
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ホントだ。前回まで使っていた1アンペアも含めて、どれも0.8V前後の電圧降下が起こっているという結果は同じですね。
2アンペア
3アンペア
整流ダイオードの特性を知っていれば便利に使える場面もある
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今回教わったテクニックを使えば、車に取り付けたLEDテープも安心というか、より長寿命で使えそう。
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やらなくても大丈夫といえば大丈夫なんですが、やったほうがいいのは確かです。
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過電流気味になるのを気にする人にとっては、いいやり方ですよね~!
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整流ダイオードを付けるだけのお手軽さもポイントかと。
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ちなみに、抵抗で同じような効果は狙えないのでしょうか?
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抵抗だといろいろ問題も出てきます。ダイオードの順方向電圧を利用するのが、電圧降下を狙う方法としては一番いいんじゃないかなと思います。
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なるほどね。
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ただエンジンオフの状態だと、バッテリー電圧の12Vからさらに電圧降下させてしまうので、エンジン停止時の光り方は、少し暗くなってしまいますが。
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……そうか。強いていうならそこが今回の話のデメリットだ。
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とはいえ、エンジンオフで光らせるLEDカスタムって、そんなに多くはないかなと。
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ACC連動とかIG連動とか、イルミ連動にしてもエンジンオンで光っているのが普通だから、電圧降下させてちょうどいい案配になる。
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はい。エンジンオン時に光らせるLEDテープ保護の観点からは、今回のテクニックはオススメできます
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