車の電装における電気の逆流対策

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前回は車の電気で逆流が起こる原因を学んだので、その対策編。電気の逆流防止のために、整流ダイオードを使う方法と、リレーを使う方法の2つの例を解説する。

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  「電気の逆流ってなに？　車の電装DIYで逆流が起こる原因と、その結果…」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  今回は電気の逆流対策です。整流ダイオードを使う方法と、5極リレー（c接点リレー）を使う方法があります。

  ●アドバイザー：CEP 服部研究員

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  車の電装だと、整流ダイオードを使う方法のほうが知名度はありそう。

整流ダイオード



✔ ダイオードを付けると、電気の流れを一方通行にできる（逆流防止）

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✔ カソードマーク（オビ）をマイナス方向に向けて付ける。

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  整流ダイオードに配線を付けた状態のものも、販売されていますよね。



コムエンタープライズで販売している線付きダイオード　※容量は1アンペア。この他に6アンペア版もある。

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  まずはこの整流ダイオードを使った逆流防止対策からおさらい。

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  ここでは前回紹介した〈NGパターン〉をモデルに、対策方法を解説します。


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  このままだと、ACC電源→イルミ電源、あるいはイルミ電源→ACC電源への逆流が起こってしまいます。

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  電気の逆流対策で整流ダイオードを使う場合は……


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  ACC電源とイルミ電源を取り出しした線のそれぞれに、整流ダイオードを入れます。

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  整流ダイオードを入れたことで、何が変わるかというと……

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  電気の流れが一方通行になるので、イルミオン時はこのようにしか電気が流れなくなるし……


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  ACCオン＋スイッチオンの状態では、このようにしか電気が流れなくなります。


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  それぞれ逆流がなくなった。

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  この方法でも電気の逆流は防げますが、これがリレーでもできる、というのが今回の話。

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  電気の逆流防止の目的で使うのは5極リレー（c接点リレー）です。



コムエンタープライズの12V用パワーリレー（5極）

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  4極リレー（a接点リレー）でも2個使えば逆流防止はできますが、5極リレー1個のやり方のほうがシンプルです。

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  リレーをどう使うのでしょうか？

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  5極リレー（c接点リレー）の仕組みを思い出してみましょう。「コモン」「ノーマリーオープン」「ノーマリークローズ」という3つの接点がありますが……


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  この中で「ノーマリーオープン」「ノーマリークローズ」がつながることは絶対にありません。

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  フムフム。「コモン」とどちらかがつながる、という仕組みだもんね。

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  ということで、この2つの接点に対して、2種類の電源を取るという使い方になります。

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  ほう？

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  今回でいうと「ノーマリーオープン」にACC電源を取り、「ノーマリークローズ」にイルミ電源を取ります。


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  こうすれば「ACC電源」と「イルミ電源」をつなげてはいないので、電気の逆流が起こることもありません。

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  ナルホド。で、リレーの「コイル」にはなにを流すのでしょうか？

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  今回の例では、ACC電源をスイッチ経由でコイルに流します。


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  これで、ACCオン＋スイッチオンの状態でコイルに電気が流れます。

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  そうすると、接点がイルミ電源からACC電源に切り替わって……

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  ACC電源でフットランプが光ります。

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  「ACCオンを合図に、ACC電源に切り替える」なんて、なんだか妙な感じだけど……やっているのはそういうことなんですね。

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  それ以外のタイミングでは、イルミ電源とつながっている、という回路です。

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  単純にACC電源とイルミ電源を合流させたNGパターンとの大きな違いとしては……

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  「ACC電源」と「イルミ電源」を直接つないでいないことです。

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  直接つながっていないのだから、一方通行化（整流ダイオード）の必要性もないんだ！

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  そういうことですね。リレーを使った逆流防止のやり方とは、このようなものです。こんなリレーの使い方もありますよ。

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  リレーでできることは、つくづく多いですねぇ。

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  とはいえ、DIYで電装をいじっている人が逆流防止対策をする場合には、整流ダイオードを入れるほうがイメージしやすいかもしれませんが。