リレー用語「ノーマリーオープン」と「ノーマリークローズ」の違いを理解しよう

リレーのノーマリーオープンとノーマリークローズとは何なのかを、初心者にわかるように解説。難しげなイメージをかもし出しているリレー用語だが、ひも解くと実に単純。この2つの用語は登場頻度が多いので、早い段階で理解しておくのがおすすめ。

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  「リレー内部の〈コイル〉と〈接点〉について理解を深めよう」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  前回は4極リレー（a接点リレー）でしたが、今回は5極リレー（c接点リレー）です。

  ●アドバイザー：CEP 服部研究員

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  どう違うのでしょう？

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  5極リレーと4極リレーは「接点」の部分に違いが出てきます。



5極リレー（c接点リレー）のコイルと接点

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  「コイル」側だけ見たら4極リレーと同じなんですが、「接点」側の端子が3つになります。

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  フムフム。つまりリレーの足も5つに増える。

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  この3つの端子を区別するための呼び名はいくつかありますが、「ノーマリーオープン」「ノーマリークローズ」「コモン」と呼んだりします。



5極リレー（c接点リレー）：コイルに電気が流れていない状態

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  それぞれ省略形で「NO」「NC」「COM」と表記されたりもします。


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  5極リレーの接点は、最初から片方だけはつながっているんだ。「オフ」っていう概念とは違うのね。

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  そうですね。コイルに電気を流していない通常時は「コモン」と「ノーマリークローズ」がつながっています。

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  そして「コイル」に電流が流れると……？

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  「接点」が切り替わって「コモン」と「ノーマリーオープン」がつながります。



5極リレー（c接点リレー）：コイルに電気が流れている状態

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  もともとつながっていた「ノーマリークローズ」は離れてしまいましたね。

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  コイルに電気が流れると離れる端子が「ノーマリークローズ」、コイルに電気が流れるとつながる端子が「ノーマリーオープン」です。

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  電気を送り込む先を変える、みたいな感じ。

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  そうですね。4極リレーがオンオフ制御だとしたら、5極リレーは切り替え制御ということになりますが……


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  しかし5極リレーには片方の接点を使わない、という使い方もあります。

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  むむ？

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  「ノーマリ－オープン」の先には何もつながない。これもよくある使い方です。


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  これだと……「コイル」に電気が流れて「接点」が切り替わったら、どこにも電気が流れないよ？

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  そうです。「なにかの電気信号に連動させて、なにかの電源を遮断する」制御に使える回路です。

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  あっ！ 車の使い方例でいうと「イルミ連動（スモールランプ連動）で、フットランプを消す」みたいな仕組みがコレなのか。

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  本来この使い方は、4極リレーの「b接点リレー」でできることではありますが……



4極リレー（b接点リレー）：コイルに電気が流れていない状態

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  「b接点リレー」の場合はコイルに電気が流れていないときは接点がつながっていて、コイルに電気を流すと接点が離れます。

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  同じ4極リレーでも、前回の「a接点リレー」とは逆の動きをするのね。

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  しかし車業界では、5極リレー（c接点リレー）のノーマリーオープンを使わないことでb接点リレーの代わりにするのが定番です。現実、b接点リレーはほとんど登場しません。

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  なるほど、なるほど。

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  車業界においては4極リレー＝a接点リレーに等しいですね。

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  だから「b接点リレー」ってあまり聞かないのか……。

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  ちなみに4極リレーである「a接点リレー」や「b接点リレー」にも、接点には同様の呼び名はいちおうあります。



4極リレー（a接点リレー）：コイルに電気が流れていない状態

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  コイルに電気が流れたらつながる接点が「ノーマリーオープン」で、コイルに電気が流れたら離れる接点が「ノーマリークローズ」です。

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  4極リレーの場合は「ノーマリーオープン」と「ノーマリークローズ」の、どちらかひとつが搭載されているのね。



4極リレー（b接点リレー）：コイルに電気が流れていない状態

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  しかし実際には4極リレーの場合、接点を区別する必要がない（オンオフしかない）ので、あまりこういう呼び方はしないとは思います。

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  なるほど。5極リレーだと、どっちの接点のことを言っているのか区別する意味で「ノーマリーオープン」と「ノーマリークローズ」って呼び方が出てくるんだ。

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  この2つのリレー関連用語は、登場頻度が高いので覚えておきましょう。