車でのリレーの使い方 実践編╱小さい電流で大きい電流を制御する

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車での「よくあるリレーの使い方」。電装品のオンオフに手動スイッチを付けようとしたら、使いたいスイッチは容量が足りない…というのはまさによくあること。スイッチの容量制限を回避できるリレーの使い方を知っていれば、問題は解決できる。

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  「リレー用語の〈ノーマリーオープン〉と〈ノーマリークローズ〉の違いを理解しよう」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  ここまではリレーの基礎知識の解説でしたが、ここからは車の電装でのよくある使い方を紹介していきます。

  ●アドバイザー：CEP 服部研究員

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  実践編に突入です。

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  まずは、車の電装における重要なリレーの使い方といえるのがこちら。

車でのリレーの使い方 ①

小さい電流で大きい電流を制御する

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  このフレーズは「リレー講習」連載の初回（※）にも出てきましたね。

  ※「車の電装でのリレーの使い方を、ゼロから勉強できるリレー講習（第1回）」

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  はい。4極リレー（a接点リレー）の使い方としては、定番的ですからね。



4極リレー（a接点リレー）のコイルと接点

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  連載のはじめに少し触れましたが「使いたいスイッチがあるけれど、電装品の消費電力に対してスイッチの容量が足りないとき」などには、この考え方でリレーを使います。

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  手動でオンオフできるスイッチにはいろいろなデザインのものがあるけど……


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  スイッチには何アンペアまで、というような容量制限があります。

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  オシャレなスイッチは案外、容量が小さかったりするんだよね。トグルスイッチとかなら大容量だけど。



「スイッチを選ぶときは「電流容量」に注意!!」参照。

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  しかし今回のリレーの使い方を覚えると、スイッチはどれでも好きなものを選べるようになります。

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  スイッチとリレーをどうつなぐの？

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  そこをさっと思い付けるようになるための、リレー講習ですね。

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  リレーの動きは前回勉強したものの、どの足にどうつなぐのか思い浮かばないんだよねぇ…。

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  今回のポイントは「電装品のオンオフはあくまでも手動スイッチで行いたい」という点です。

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  ふむ。

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  言い替えると「リレーの接点を動かすタイミングは、手動スイッチで決めたい」ということになります。

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  そういうことね。

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  リレーを動かすタイミングは、コイルに流す電気信号の種類で決まる、と勉強しましたよね。

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  ということは……

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  「コイル」に流れる電気の途中に「手動スイッチ」をかませておいて、手動スイッチオンでリレーのコイルに電気を流せばいいのです。

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  なるほど～。手動スイッチ連動でリレーを動かせる。

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  リレーの使い方を図解します。まず手動スイッチがオフの状態。



スイッチの容量制限を回避するときの4極リレーの使い方。コイルに電気が流れていない状態。

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  手動スイッチをオンにすると「コイル」に電気が流れて、リレーの接点がつながります。

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  そうすると「電源」と「電装品」がつながって、電気が流れる。



スイッチの容量制限を回避するときの4極リレーの使い方。コイルに電気が流れている状態。

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  結果的に手動スイッチで電装品の電源を入れる、という点ではなにもかわっていませんが、スイッチ本体を通過する電流は「コイルが消費する分だけ」なので、僅かな電流のみです。

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  つまりスイッチの容量の話はほぼ無視できる。

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  そういうことですね。

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  ところでリレーとスイッチに対して、なんの電源を取っておくかは、電装品によるのかな？

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  そうですね。そこは電装品によります。例えばエンジン停止時でも使いたい電装品だとしたら、常時電源を取っておくという具合です。

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  その場合はスイッチにも常時電源を取っておく、ということね。

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  常時電源を取ったとしても、スイッチオフでリレーが動いていないときは接点がつながっていないので、電装品には電気が流れません。

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  エンジンがかかっている状況でしか使わない電装品なら、ACC電源とかIG電源でもいいってことだ。

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  そしてスイッチにも、ACC電源またはIG電源を取ればいいですね。

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  このリレーの使い方が分かっていれば、スイッチ選択の自由度が広がりますね～。

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  ちなみに今回はスイッチの容量回避を例にしましたが、「小さい電流で大きい電流を制御する」発想は、電源取り出しにも使えます。

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  ……と言うと？