リレー内部の「コイル」と「接点」について理解を深めよう

リレーの中にはコイルと接点がある。コイルに電気が流れると電磁石の働きで、接点がカチッと動く…これを図解で見ると、仕組み的には非常にシンプルだと気付くはず。リレーに苦手意識がある人も、中身から勉強を始めると「意外とカンタン？」と思えるかも。

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  「5極リレー（c接点リレー）があればできること」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  今日はリレーの仕組みを、ゼロから解説していきます。

  ●アドバイザー：CEP 服部研究員

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  ふむ。

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  車業界でよく使われているのは4極リレー（a接点リレー）と5極リレー（c接点リレー）の2つなんですが、ここではまずシンプルな4極リレーを例に説明していきます。

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  フムフム。

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  リレーの中には「コイル」と「接点」があります。大きくわけるとこの2つの部品が入っています。



リレーのコイルと接点

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  それぞれ電気の入り口と出口に「端子」があります。

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  この端子の部分が、リレーの足ですね。


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  端子にソケットと配線が付いているリレーもあれば、付いていない足がムキだしのリレーもありますが、仕組みは同じです。

単体のリレー



ソケット＆配線付きのリレー


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  リレーによって見た目は違うけど、中身は同じ「コイル」と「接点」なんですよね。

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  で、一般的な4極リレー（a接点リレー）の場合、ふだんは内部の接点が離れています。



4極リレー（a接点リレー）：コイルに電気が流れていない状態

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  ですので「接点」の片側に電源を取ってあっても、その先には電気は流れません。

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  スイッチオフ、みたいな状態ですね。

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  そしてコイルに電気を流すと、接点が動いて、接点がつながります。



4極リレー（a接点リレー）：コイルに電気が流れている状態

※電磁石の働きで接点を動かしている。

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  つまりコイルに電気信号を流すことで接点がつながる「自動スイッチ」です。

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  これがリレーの基本的な動きね。

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  一般的な、メカ的な接点を持つリレーの仕組みはどれも同じです。接点のない無接点リレーなどもありますが、そういう特殊なリレーはここでは除外します。

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  車での使い方でいうと、例えばコイルにイルミ電源を流せば「イルミ連動（スモールランプ連動）でリレーの接点がオンになる」ということですね。

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  そうです。その場合は、コイルの片側にイルミ電源を取り、コイルの片側はアースにつないでおきます。



4極リレー（a接点リレー）：イルミ連動でリレーの接点を動かす場合

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  同様のやり方でACC電源とアースを取れば、ACCオンでリレーの接点が動く！

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  なにに連動させてリレーを動かしたいかによって、コイルに流す電気信号の種類は変わってきます。

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  一般的なリレーには「コイル」にも「接点」にも、極性はありません。

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  「極性がない」ならば、プラスマイナスの向きは関係ないってことですね。

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  ハイ。どちらの端子をプラス、あるいはマイナスにつないでもOKです。

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  要はさきほどのイルミ電源とアースの関係は、逆になってもよい。

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  そういうことですね。……ただし例外はあって、中には極性に注意しないといけないリレーもあります。

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  おや？
  そうなんだ？

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  実際のところ、コムエンタープライズで販売しているリレーを例にとると、コイル側に極性を持たせているリレーもあります。

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  へー！
  それはなぜ？

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  理由はリレーがオンになったときに、逆起電流が発生するので、それを防止するための整流ダイオードを中に入れてあるからです。

コムエンタープライズの「コンパクトリレー」の場合の話。これは5極リレー（c接点リレー）なので、今後詳しく解説予定。

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  整流ダイオードが入っているので、「コイル側」については極性が決まっているのです。

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  では、どっちがどっちなのか間違えないようにしないと。

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  コムエンタープライズのリレーでいうと、コイルにつながる線のうち「赤をプラス・黒をマイナスにつなぐ」使い方です。

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  それならわかりやすい。間違えないように、配線が色分けされているんですね。

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  こういった事情はリレーごとに異なると思うので、基本的にはそのリレーの取説を見ることが大切です。

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  リレーの基礎知識とともに、例外があることも知っておきましょう。