異なる電圧で制御する、というリレーの使い方もあるが……なんのこと？

リレーでできることのひとつに「異なる電圧で制御する」というものがある。これだけ聞いても意味が分かりにくいが、例えば「12Vの電気信号で、24Vの電気をオンオフする」というような話。マニアックではあるが、知っておくと役に立つかもしれない知識。

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  「リレーを選ぶときの注意点（動作電圧と電流の容量）」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  前回はリレーの「コイル」や「接点」に流せる電圧や容量についてお話しましたが……

  ●アドバイザー：CEP 服部研究員

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  ふむ。

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  リレーの特長として「異なる電圧で制御する」使い方もあります。

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  な、なんの話でしょうか？

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  「コイル」と「接点」に流す電気の電圧が違っていても、使えたりする、ということです。


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  例えば「コイル」にはDC12Vしか流せないリレーだったとしても……

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  ふむ。

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  「接点」のほうは異なる電圧の電気を流せたりもする、ということです。もちろんそのリレーのスペック次第ではありますが。

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  えーっと、つまりコイルは「DC12V用」だけど、接点には「DC24V」が流せるカモ、みたいな？

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  そうです。その場合はDC12Vの電気信号で、DC24Vの電装品を制御できます。

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  「異なる電圧で制御」ってそういうことか…。

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  基本的に、コイルに流せる電気が「DC12Vのみ」だとしたら、「これはDC12V用リレーだ」という扱いになりますが、接点に流せる電気はまた別の話、なんですね。

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  でも、接点側にはどんな電圧の電気でも流せる、という意味ではないですよね？

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  それは違いますね。接点側についても制限（容量）はあるので「DC12Vなら何アンペアまで」「DC24Vなら何アンペアまで」みたいな表記があったりします。

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  しかしコイルと接点が、同じ電圧でないとダメ……とは限らないんだ。

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  この点を利用すると「異なる電圧の電気を制御する」ことができるわけです。

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  とはいえ車の電装DIYに限って言えば、DC12V車ならDC12V用リレーを使って、DC12Vの電気を制御できればいいような気はしますが……

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  そうですね。今回のリレーの使い方は少し特殊です。ここではコムエンタープライズのシャッターリモコンを例にして解説します。



後付けが可能なコムエンタープライズのシャッターリモコン。

※詳細は「AC100Vをいじるなら電気工事士の資格が必要。では電動シャッターリモコン後付けはどうなの？」参照。

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  この製品の受信機の中の基板にのっているリレーは、DC12Vの電気で動くリレーなんですが、それで室内の照明を制御していたりするんですよ。

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  室内の照明っていうのは、車ではなくてガレージの照明？

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  そうです。つまりAC100Vの電気です。それをDC12Vで制御しています。

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  ほう。
  そんなこともできるのか。



※「車庫（ガレージ）の照明を、リモコン操作に連動させる〈照明制御〉の技」参照。

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  リレーのスペック次第では、そういう使い方も可能になります。これがリレーの特長のひとつでもある。

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  でもAC100Vの電気を制御したかったら、最初からコイルにもAC100Vを流せばいいんでないの？

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  ……と思うかもしれませんが、AC100Vでリレーを動かしたりCPUを動かしたりするとなると制御が特殊なんです。

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  DC12Vのほうがいいんだ？

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  基本的には制御しやすいように、直流の電気に変換する……というのが一般的です。そのためにACアダプターを使います。



ACアダプターはAC100Vの家庭用コンセントから、DC（直流）の電気に変換するために使っている。

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  ということで、AC100Vのコンセントから電源を取り、DC12Vの電気に変換した上で、それをリレーのコイルにも流して、AC100Vの照明を制御する、なんていうことをやっていたりするわけです。

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  なんだかややこしいことをやっているようですが……

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  マニアックな話でしたが、リレーの特長としてはそういうこともできます。

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  なるほどォ。

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  車関係の電装DIYにおいてはこの手法が活きる場面は少ないでしょうが、「リレーでできること」のひとつではあります。

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  知っておけば、この知識がいつかどこかで役に立つかもしれません。