ドライブレコーダーを取り付ける③
ドライブレコーダー取り付け方法╱見えない場所から電源を取るには?
プロに取材したドライブレコーダー取り付け方法、いよいよ仕上げの段階。前回の工程で天井やピラーに配線を隠して取り回してきたので、最後の電源取り出し部分も、もちろん配線が見えないように。取り出しはヒューズボックスからで、シガーソケットは使わない。
電源はシガーソケットからは取らない
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前ページまでの取り付け作業で、下の配線図の右側半分が終わったことになりますね。
●レポーター:イルミちゃん
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あとはドライブレコーダーの電源を取るだけです。
●アドバイザー:イルミスタ・野本研究員
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普通だったら、あとはシガーソケットにプスリと差すだけでドラレコ取り付け完了となりますが……
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それだとせっかく天井〜ピラーと隠してきた配線が、最後の電源取り出し部分で丸見えになってしまいますよね。
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つまり電源も見えない場所から取る、ってことですね。
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そうです。
その狙い目が、ヒューズボックスなのです。 -
前回、電源ケーブルはグローブボックス裏から上に引き上げていったので、シガープラグ側は助手席側グローブボックス周辺にある状態です。
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そしてモデル車(L175ムーヴ)は、助手席側グローブボックス裏にヒューズボックスがある。すぐ近くですね。
リアル配線図
ヒューズが並んでいるヒューズボックスを見つける
ACC電源ヒューズを見つける
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ヒューズボックスを見つけたら、次は「ACC電源ヒューズ」を探します。
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ヒューズなら、どれでもいいわけではありませんね。
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常時電源ヒューズから電源を取ってしまうと、エンジンオフの状態でもず〜っとドラレコが作動し続けて、バッテリーが上がってしまいます。
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では、ずらりと並んだヒューズのうち、どれがACC電源なのか?
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それを調べるためには、「検電テスター」が必要ですね。
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ACC電源ヒューズの探し方。エンジンオフではテスターが反応せず、キーをACCオン(あるいはプッシュスタート1回押し)にした段階で、テスターが反応するヒューズを探します。
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ACC電源ヒューズが分かったら、純正ヒューズを抜きましょう。
✔ ひとくちメモ
ACC電源ヒューズとは、ACCオンになった段階で電気が流れるヒューズのこと。エンジンオフにすると電源が遮断されるため、ドライブレコーダー用の電源としては最適と言える。似たような電源として、IG(イグニッション)電源を使ってもよい。検電テスターを用意する
使い方が分からない人は、「検電テスターの正しい使い方」を参照。
ヒューズの金属部分に、検電テスター先端を当てて調べる。
写真の工具は純正のヒューズ抜き。なければラジオペンチで引き抜く。
ヒューズ電源コネクターの使い方
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ここで自分の車のヒューズ形状を確認。そして、ヒューズ形状の合う「ヒューズ電源コネクター」を用意します。
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ヒューズから電源を取るためのアイテムが、「ヒューズ電源コネクター」ですね。
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抜いた純正ヒューズは、ヒューズ電源コネクターに差し込み直します(↓)
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ヒューズ電源コネクター側には、差し込み口が2箇所。純正ヒューズを差し込むのは、足に近いほうの穴です。
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もう一箇所の差し込み口はどうするんですか?
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電源取り出し線のためのヒューズを付けます。これはヒューズ電源コネクターにも付属しています(↓)
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アンペア数の違いで複数のヒューズが付属しているようですが、コレはどれを使えばいいのでしょうか?
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一番いいのはドライブレコーダーの電流に合わせること。シガープラグ内部に使われているヒューズを、確認してみましょう。
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こんな風に、シガープラグの中にヒューズが入っていることがほとんどだと思います。
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今回のASUS製のドライブレコーダーには、2アンペアのヒューズが入っていました。
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……ということは、電源取り出し線のヒューズにも2アンペアを付けておくのが一番望ましいと言えます。
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なるほど。
そうやって調べるのか〜。 -
ただ、この電源取り出し線から、例えば将来的にLEDの電源を取るかも知れない。いろいろ考えると、5アンペアあたりのヒューズを入れておくのも手です。
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しかし、そうすると過電流が流れたときに、ドライブレコーダーを守れないのでは?
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その場合は、ドライブレコーダーのシガープラグ内のヒューズが飛ぶので。
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あ、そっか。
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このヒューズ電源コネクターに付けるヒューズは、どちらかといえば作業中にショートさせた時などの対策品。そういう意味では、付属ヒューズの中で一番大きい5アンペアを付けておく、でもOKです。
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ヒューズ電源コネクターの準備が完了したら、最初に抜いた、もとの純正ヒューズ位置に差し込みます。
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これでまずは、プラスの電源が確保できました。
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このヒューズの線に、シガーソケットのプラス線をつなぐんですね。
ヒューズ電源コネクター
ヒューズ形状の種類の違いで3種類ある。イルミスタで買える。
ヒューズ電源コネクター(ミニ平型タイプ)に付属の3つのヒューズ。左から2アンペア、3アンペア、5アンペア。
アンペア数を決めたら差し込む
最終的にこうなればOK
ドラレコのプラグを受け取るソケット(メス)の準備作業
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次はドライブレコーダーのシガープラグを受け取るための、シガーソケットの仕込み作業をします。
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シガーソケットの配線コードは切りっぱなしになっているので、プラス線にギボシ端子オス、マイナス線にギボシ端子メスを付けます。
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なお、配線コードに文字が書いてあるほうがプラス線です。
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プラス線の先はヒューズ電源コネクターとつなぎ、マイナス線の先は延長コードを介して、クワ型端子を付けておきます。
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そしてマイナス線は、車体金属部分のネジに共締めして、ボディアースします。
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これで、シガーソケットの準備は整いましたね。
シガーソケット
増設用のシガーソケット。イルミスタで買える。
「ギボシ端子の正しいかしめ方」を参照。
端子を付け終えた状態
シガーソケット先の配線図
ネジをゆるめて
クワ型端子をすべりこませる
ドラレコのシガープラグと、増設したシガーソケットをつなぐ
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あとはドライブレコーダーの電源線のシガープラグと、シガーソケットをつなぐだけです。
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ただし、差しただけだと振動で抜けてしまって接触不良を起こしたりするので、ハーネス用保護テープを接続部に巻いておきます。
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全体的に巻くと熱がこもるので、こんな感じで十分です。
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あとはグローブボックス裏のスペースに隠してしまえば、全ての配線が隠せます。
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ちなみに……ただ投げ込むだけだと遊んでカタカタ音が出たりするので、どこかに固定するか、エプトシーラー(※前ページで登場)などを巻くとよりいいですよ。
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便利だな〜。
エプトシーラー。 -
それとイルミスタでドラレコを取り付けした場合は、さっき紹介したハーネス用保護テープを、配線全体に巻いていきます。
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ええー!!
全部こんなことやったら面倒くさい!! -
手間はかかりますけど、カタカタ異音の防止にもなるし、配線が鉄と擦れて切れたりするのも防げますので、やるのがベスト。
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どこまでも丁寧なイルミスタのドライブレコーダー取り付け方法。全工程、ノーカットでお届けしました!
この「ハーネス用保護テープ」も、イルミスタで販売されている。
増設したシガーソケット自体を隠す
こんな風に巻いていく
シガーソケットから電源を取らなくても、モンダイなく動作!
今回取り付けしたドライブレコーダーはASUSのレコシンク。※「ドライブレコーダーを付けるなら、ASUS(エイスース)は気になる存在」参照。
ACC電源を探すときは、検電テスターだけで判断するのではなく「よりリスクの低い場所から取り出す」視点が重要。そのあたりはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しています。
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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