シガーソケット裏から、分岐でIG電源/ACC電源を取り出す方法

シガーソケット裏から、配線分岐での電源取り出しを解説。なおシガーはACC電源またはIG電源の車種もあるが、どちらの場合も電装品取り付けの電源として使える。見た目が断然スマートになる裏取りのためのひと手間は、かける価値があるといえる。
 なお、そもそもACC電源ってなに？ …という初心者の人は、「ACC電源（アクセサリー電源）とは？」から読むのがオススメ。

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  電装品の取り付けで、「シガーソケット（アクセサリーソケット）から電源を取り出す」ことはよくありますよね。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  そうですね。車の電源取り出しは、シガーソケットが基本ですので。

  ●アドバイザー：エーモン 中塚研究員

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  ……そうは言ってもですよ、中塚研究員。

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  ハイ。
  何か文句が言いたそうですね。

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  シガーソケットにプスリ……と電源コードを差したら、配線が丸見えで、車内の見た目が悪くなるっていうか。


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  まあ、手軽な反面、それは仕方ないところですね。

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  何か、よい方法はありませんか？

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  ひと手間かける気があるなら、裏から電源を取ったらどうでしょうか？

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  裏って？

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  シガーソケットの裏側ですよ。

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  そんなところからも、電源が取れるの？

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  と言いますか、シガーソケットに電気を供給するための配線が確実に来ていますから、その配線から、分岐で直接電源を取ることが可能です。


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  いわゆるシガーソケット電源の裏取り、ですね。

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  なんか裏技チックでいいですね〜。

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  シガーソケット裏から取り出せる電源というのは、ACC電源なんでしょうか？

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  車種によって若干制御が違いますが、国産車だとIG電源（イグニッション電源）のことが多いと思います。



IG電源とACC電源の違いは、「ACC電源とIG電源（イグニッション）はなにが違う」参照。

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  とは言え、IG電源もACC電源も、電源が入るタイミングが少し違うだけ。エンジンオン時は通電・エンジンオフ時は遮断されるという点は同じですので……

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  まあ、確かにACC電源とIG電源は、使い勝手の面からは、限りなく同じものですよね。

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  そういうことです。ACC電源が必要な場面で、シガーソケット裏のIG電源を使うことはできますよ。

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  よーし。
  裏から取ってみよう！

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  なお、国産車ではないですが、一部の欧州車などではシガーソケットに常時電源が来ているケースもあります。

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  てことは、裏から取り出した場合も、それは常時電源か。

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  そうなんです。その場合は、エンジンオフ時でも電気を供給し続けてしまうのでバッテリーが上がってしまいます。

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  そういう車も、世の中にはあるんですね。

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  国産車の場合は、ほとんどがIG電源（あるいはACC電源）なのでそういう心配はありません。

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  自分の車のシガーソケットが、どのタイミングで電源が入るかは、スタートボタン1回押し（キーなら一段階回し）で電源が入るかどうかで判別できますね。

シガーソケット周辺をバラす作業

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  シガーソケット裏の配線にアクセスするには、まずシガーソケット周辺をバラします。

今回のモデル車はセレナ


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  セレナの場合は、フロアに近い場所にシガーソケットがあって、この周辺の内張りを外します。

足元奥のクリップをドライバーで外す



＋のクリップが使われているのでドライバーを使う。

手で引っ張って外す


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  これは反対側も同じですね。

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  そしてシガーソケットの両脇にも、同じようにクリップが使われているので外します。


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  クリップを取ってカーペットをめくったら、内張りを手前に引き出します。


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  すると、内張りが前にスライドしたことで、シガーソケット裏につながる配線が見えるようになりました。

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  シガーソケット裏には、配線が2本つながっています。

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  これが、プラス線とマイナス線ですね。

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  そうです。シンプルですね。で、どっちがプラスでどっちがマイナスなのかは、検電テスターを使って調べます。

検電テスターの定番モデル



【Amazon.co.jp 限定】エーモン 検電テスター（A49）



検電テスターのきほんは「検電テスターの正しい使い方」を参照。

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  IGオンか、あるいはACCオンになった段階で、どちらかの線に検電テスターが反応するはずです。

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  反応したほうが、プラス線です。

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  今回のセレナはイグニッションオンになった段階で検電テスターが反応しているので、シガーソケット＝IG（イグニッション）電源ということです。

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  電源を取り出すには、この配線を分岐することで、電源を分配させます。

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  ここでは簡単にやる方法として、エレクトロタップを使ったやり方を紹介します。

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  その前に、プラス線とマイナス線がビニールでまとめて覆われている場合は、ハサミで少し切り込みます。


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  なおエーモン製のエレクトロタップ（※エーモン製品名は配線コネクター）には、白・赤・青の3種類がありますが……



それぞれ適合する配線コードの太さが異なる。詳しくは「エレクトロタップの正しい使い方」参照。

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  純正シガーソケット裏の配線から分岐させる場合は、赤い配線コネクターを使うパターンが多いですね。

純正配線にかませて……



分岐線に電源を取る

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  なお、プラス線を分岐させた線には、ヒューズホルダーをかませて、中にヒューズを入れておきましょう。



ヒューズをかませる手順は、「ヒューズをかませるってなんのこと？」参照。

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  取り出した電源線をショートさせてしまった場合など、車両側に影響が出ないようにする意味でも重要です。

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  これ、何アンペアのヒューズを入れておきましょう？

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  使う電装品にもよりますが、最大量で考えると、分岐線に0.5スケアの配線コードを使ったとすれば、配線の許容量が最大5アンペアです（エーモン配線スペックの場合）。

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  ということは、5アンペア以上流すのは、配線的にもNGなんですね。

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  そうですね。まあ、5アンペアならたいていの電装品はまかなえますので、十分だと思いますが。

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  もしも、それ以上の電気が欲しい場合は？

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  シガーソケット裏の配線分岐ではなくて、ヒューズボックスや、あるいはバッ直を考えたほうがいいですね。

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  プラス線だけでなく、マイナス線も同様に分岐させれば、シガーソケット連動の電源取り出し完了です。

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  あのぉ〜、中塚研究員？
  ちょっと気になることが……

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  まだ何か……？
  今日はノー残業デーなんですが。

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  シガーソケット裏の配線を分岐して、電源が取れるのは分かったんですけれど……

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  ハイ。

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  そもそもシガーソケットにプスリとつなぐのは嫌だ、って話じゃないですか。

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  そうでしたね。

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  でも、配線分岐で直接電源を取った場合、電装品付属のシガープラグを、一体どうやってつなげばいいというのでしょうか？

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  あー、それですね。
  それならイイ方法がありますよ。

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  ……ほほう。
  イイ方法とは!?

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  次回、「シガーソケットを〈裏〉に増設する方法」で解説しましょう。ノー残業デーは、早く帰らないとね。