アンサーバック後付け入門ガイド(第6回)
アンサーバック取り付け╱配線引き込みと電源取り出し
アンサーバック取り付けの最終工程。まず前回エンジンルームに設置したブザー(またはサイレン)の配線を、室内側に引き込む。あとはアンサーバックユニットから出ている線を、車両側の電源や信号線とつなぐ。効率よく付けられるように、順を追って解説する。
エンジンルーム側から車内への配線引き込み方法
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この記事は、「アンサーバックサイレンやブザーの取り付け方法」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
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前回、エンジンルームにブザー(またはサイレン)の取り付けができました。
●アドバイザー:CEP 服部研究員
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マイナス線(黒)はエンジンルーム内でボディアースして、プラス線(赤)だけを、車内へと引き込みます。
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どうやって室内に入れるんでしょう?
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グロメットを通します。
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グロメットってなんでしたっけ???
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純正配線の通り道にある、防水用ゴムキャップのことです(↓)
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もともとエンジンルーム側から室内に向けて、配線が通っているんですね。
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そうです。
だから、ここは室内側につながっています。 -
でも、新たに配線を通すスキマなんてなさそうですよ?
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針金などで、プスリと穴を開けて通します。
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配線ガイドだと貫通させることはできないので、針金を使っています。
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あるいは、配線ガイドの先端を尖らせて通す、という手もありますね。
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いずれにしても尖っているモノで刺さないと、通らないってことですね。
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そうですね。車種によってはグロメット自体が固かったり、最近の車だとグロメットが2重になっていることもあるので、先が尖っていないと難しいとは思います。
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ここから刺した針金が、どこに出てくるかというと……
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グローブボックス裏あたりに出てきます。エンジンルーム側から刺せたら、少し内部に送り込んだところで、室内側に回って様子を見てみましょう。
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あとは、この針金に配線をくっつけておいて……
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室内側から引っ張れば……
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無事に室内に配線が引き込めました〜。
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このサイレン(またはブザー)の線は、室内に置いたユニット本体の「みどり」線とつなぎます。
針金を貫通させている
室内側に針金が出てきた
抜けないようにビニールテープなどを巻き付けている。
グイグイ……
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アンサーバックキットの配線作業
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次はユニット本体に対して、車両から電源や信号線を取る作業です。
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おさらいですが、アンサーバックユニット本体の配線は、これだけあります。
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ブザー(またはサイレン)の線はつないだから、残るは、「常時電源」「IG電源」「アース」「ロック線」「アンロック線」ですね。
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これらをどこから取るか? という話なんですが、一般的な車でのオススメの場所としては、運転席側キックパネル裏あたり。
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キックパネル裏には、ドア側から室内側へとわたってきたパワーウインドウ関連の配線の束があります。
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ここでドアロック線&アンロック線が取れます。
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さらに、ココには常時電源やIG電源も通っている可能性が高いです。(※パワーウインドウやミラースイッチの電源として使っている)
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つまりこの付近に、アンサーバックに必要な配線が揃っている。
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そういうことですね。
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では!
実際に探してみましょう。 -
まずエンジンオフ時でも検電テスターに反応するのが、常時電源ですね。
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そして、イグニッションオンに連動して反応するのがIG電源。これも近くで見つかるはずです。
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そして、常時電源、IG電源、ドアロック線、アンロック線がすべて判別できたら、ユニットの配線を接続します。
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この付近のハーネスで、全部取れてしまいました。
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このキックパネル裏なら、いろいろバラさなくてもまとめて取れるのが利点です。
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あとはアース線をボディアース接続すればOKです。
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通常のブザーアンサーバックやサウンドアンサーバック(キュッキュッ音)なら、配線作業はこれで終わりです。
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ユニット本体は、ダッシュボード中央付近の後ろ側などに隠します。
まずステップを外して…
先にステップを外す必要のある車種の場合。
キックパネルを外す
ピンやネジなどで固定されていることが多い。
キックパネル裏
✔ ひとくちメモ
エンジンオフ時
イグニッションオンで反応=IG電源
※検電テスターのきほんは、「検電テスターの正しい使い方」参照。
ボディアース│関連記事
ハザードまで含めて後付けでアンサーバックする場合
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ところで、もともと純正でハザードアンサーバックが付いていない車の場合は、ブザー+ハザードアンサーバックや、サウンド+ハザードアンサーバックを付ける人が多いです。
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つまり「音」だけでなく「ハザードアンサーバック」も後付けするタイプのキットですね。
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そうです。
製品でいうと下のようなタイプです。 -
この場合は、「ハザード(全ウインカー球)を光らせる」のも後付けユニットが行うため、ウインカー線への接続という配線作業が加わります。
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なるほど。
で、ウインカー線はどこで捕まえますか? -
コムエンタープライズHPで、配線位置情報を公開してもいますが、助手席側グローブボックス奥などのコンピューター(BCM)や、ヒューズボックス周辺で取るのがラクです。
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右ウインカー線と左ウインカー線に分かれていて、その両方につなぐ必要がありますが、両者は近くにいることが多いです。
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ウインカー線は、ウインカー点滅に同期してテスターが反応するので、わりと探しやすいですね。
コムエンタープライズのブザー+ハザードアンサーバック
コムエンタープライズのサウンド+ハザードアンサーバック
✔ ひとくちメモ
●ヤミクモに探すのは大変なので、コムエンタープライズの車種別配線情報をチェックする。
●とはいえ年式などによって配線の色などが変わっている可能性はあるので、配線情報を元に、検電テスターで確認する。
この手順でやれば、効率良く取り付けできますよ
DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。配線図大好き。●コムエンタープライズ TEL 079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78
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