抵抗の知識シリーズ

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抵抗を並列接続することで熱を下げられるのか、実験してみた

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抵抗を並列に接続すると熱対策になると言われているが、どれほど効果のある話なのかは不明なので実際に実験。車のLED加工では、狭いスペースにLEDを詰め込みがちになるので「抵抗の並列接続が熱対策になるといいな」の期待を込めて、検証してみた。

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  「抵抗を並列に接続することで抵抗の熱を下げる、という発想」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  今回は、抵抗を並列にすることで、抵抗の熱を下げられるのかどうか、実験してみたいと思います。

  ●アドバイザー：エルパラ 平川研究員

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  この話は狭いスペースにLEDを詰める、車のLED加工にとって重要です。

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  ここでは、60ミリアンペアの電流を流せる3チップの帽子型LEDを、12Vの電源電圧で光らせています。


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  抵抗は、1W（ワット）╱150Ωの抵抗値を使います。


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  実測でもほぼ150Ωと出ていますね。

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  この抵抗をチョイスした計算については、連載はじめの記事「抵抗の容量（ワット数）の選び方。抵抗計算のおさらいを兼ねて」で解説した通りです。

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  今日の本題はここから。この1W抵抗を、まずは小型1/2W抵抗の2並列に分けてみましょう。


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  1/2W抵抗の2並列だから、合計の容量は1Wとなり、容量的には問題ない。

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  注意点として、この場合は並列につなぐことで抵抗値が半分になってしまいますから、抵抗値は2倍の300Ωを選んでいます。

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  つまり300Ωの1/2W抵抗を、2個並列に接続しました。


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  こうすることで、実測でもほぼ150Ωとなっています。

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  ここまでは、これまでに学んだ合成抵抗の理屈の通りですが……抵抗の熱、という点ではどうなのか？

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  温度計を当てて実際に測ってみましょう。

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  「1Wの抵抗ひとつ」で光らせているときの温度から測ってみます。


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  抵抗の温度が、最終的には42度くらいまで上昇しました。

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  では次に「1/2W抵抗の2並列」バージョンの熱を測ってみましょう。


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  1W抵抗よりは、5度くらいは下がっていますよ！

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  ただ、誤差もあることを考えると、温度的には大差はないと言えます。

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  そうなんだ？

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  前回も言いましたが、トータルでは抵抗が消費している電気の量は同じですし、合計容量も同じなので、このやり方だとそんなに抵抗の熱は減らせません。

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  なるほど。

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  熱対策をメインに考えるなら、やっぱりもっと大きな容量の抵抗を使いたいですね。

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  そもそも、抵抗の熱を下げるのが目的ならば4倍容量を使え、という考え方があります。

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  4倍も…？

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  例えば1/2Wの抵抗を使っているとしたら、その4倍の、2Wの抵抗に替える。

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  贅沢な4倍マージン。

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  そうすれば、手で触っても、ほんのり暖かいかな～ぐらいのレベルになります。

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  でも、どんどん抵抗が大きくなるから、高さも出てきますね？

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  そこで出てくるのが、今までと同じ容量（ワット数）のままで、2個並列に接続して容量を増やす方法です。

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  今回の例でいうと、1Wの抵抗をもうひとつ増やして、1W×2並列の2Wにするってことですね。


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  抵抗値は2倍の300Ωに変更しました。

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  これは省スペース化にはつながらないけど、熱対策にはなるはず。

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  ということで、実際に抵抗の熱を測定してみました。

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  「1Wの抵抗ひとつ」のバージョンを測ってみます。


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  46.9度まで上がりました。

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  最初の実験とは多少誤差がありますが、これはまあ個体差ですね。

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  重要なのは、1Wの2並列で、どのくらい下がるのかッ！

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  下がらなかったらどうしよう……


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  おおお～!!
  10度以上も下がりましたよ！

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  う～ん……。

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  あれ？
  不満なんですか？

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  いや、1W・2個ならもっと下がると期待していましたが……実際に測ってみると、こんなもんなんですね。

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  容赦なく盛り下げにいきますね？

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  ……。

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  しかしこれはこれで、リアル感のある結果なので、いいんじゃないでしょうか。ハデさはないけど、効果は出ていますので。