LED自作のQ＆A

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LEDテールランプ（ダブル球）の抵抗計算方法を教えて！╱スモール抵抗編

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LEDテールランプの抵抗計算で、ダブル球のスモール回路（減光する回路）の抵抗値は、どうやって求めるのか。引き続きLED加工のプロに教わる。

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  「LEDテールランプ（ダブル球）の抵抗計算方法」の続き。今回も、読者のイルムさんの質問に答えていきます。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  前回はブレーキ回路の抵抗計算をしましたので、いよいよテール（スモール）回路の抵抗計算です。

  ●アドバイザー：イルミスタ 野本研究員

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  ダブル球の抵抗計算は、ここからが本題ですね。

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  まずは、スモール回路に流す電流値を決めます。

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  電流値を決める……とは？

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  今回は「50ミリアンペア流せるフラックスLED」を使う想定なので、ブレーキ回路の抵抗計算は50ミリアンペアで計算しましたよね。



LEDに流す電流値はマージンを取るのが基本。スペック上の電流値の6～7割程度か、それ以下で抵抗計算するのが無難。

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※ 今回は、スペック上は70ミリアンペアの電流を流せる、ルミレッズのフラックスLEDを使っていることから、50ミリアンペアという数字が出てきている。

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  しかし、ブレーキ回路に対して、スモール回路は減光させたいので、もっと電流値を小さくするんです。

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  それはつまり、半分の25ミリアンペアで計算するとか？

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  いやいや、もっと極端に小さくします。状況にもよりますが、ブレーキ回路に対してスモール回路に流す電流値は、1/10程度が目安です。


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  そんなに極端に電流値を下げるのか。

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  電流を1/10まで減らしたとしても、まだまだ明るいことはよくありますが、ひとまずこれを基準にします。

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  では、スモール回路には5ミリアンペア流す、ってことね？

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  そういうことですね。
  そこが決まれば、抵抗計算できます。

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  スモール回路の抵抗値はどうやって計算するんだ？

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  最初の計算式は、ブレーキ回路のときとまったく同じです（↓）


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  3.8Vが抵抗分の電圧、という点はブレーキ回路と同じだ。

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  スモール回路の抵抗計算が変わってくるのはこの先から。5ミリアンペア流しで計算するなら、単位を直すと0.005アンペアですから、下のように抵抗値を計算します。


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  760Ωという抵抗値が出てきました！

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  ただ、スモール回路の電流は、スモール用の抵抗とブレーキ用の抵抗の両方を通過するので、このままではブレーキ回路の抵抗値も加わることになり、大きすぎます。


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  スモール回路の電気は、二重に抵抗を通過することになるんだ。

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  そこで、前回計算したブレーキの抵抗値である82Ωを引き算するんですよ。


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  なお、678Ωの抵抗はないから、近似値の抵抗を選ぶと680Ωということになる。

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  なるほど～。
  これがスモール回路の抵抗値か！

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  しかし、この680Ωという抵抗値は、各LEDの列（直列）に対して、1個ずつスモール用の抵抗を付けていく場合の話です。

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  フムフム。

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  けれども実際のLEDテールランプの製作では、スモール用の抵抗は、ブレーキ用の抵抗のように各列に1個ずつ付ける必要はありません。

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  そうなんだ？
  ということは……どう付ければいい？

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  「LEDの電流制限」という意味では、すでに各列にブレーキ用抵抗を付けています。

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  ふむ。

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  つまりスモール用の抵抗は、LEDの保護の役割は必要ありません。「減光させる」だけが目的なので、1個の抵抗でまとめて全体の電流を制限すればいいのです。

✔ 状況によっては熱の分散を図る目的で、抵抗を2個以上使ったりもするが、その点については後述する。

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  1個でいいんだ。
  その抵抗はどこに付けるの？

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  このように（↓）スモール回路の入り口に、減光用の抵抗を1個付ける、という組み方をすることが多いです。



ブレーキ用の抵抗は、各直列回路にひとつずつ付けるが、スモール抵抗はスモール電源入り口に1個だけ付ける。



さらに整流ダイオードを写真の向きを付けて、スモール（テール）の電源線をつなぐ。

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  ブレーキ回路みたいに、律儀に1個ずつ抵抗を付けなくていいのね。

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  スペースがあれば、1列に1個ずつ付けていってもいいのですが、現実的にはLEDテールランプの基板にそんなスペースはないことが多いので。

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  なるほど。

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  ただし、この場合は、さきほど計算した680Ωという抵抗値が変わります。

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  ……と言うと？

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  例えば4個直列のLEDが、10列並んでいるというLEDテールランプだとしましょう。

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  フムフム。

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  1個のスモール抵抗で、10列のブレーキ回路を減光させるので、抵抗値は1/10になります。

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  10列まとめて減光させるわけだから、そのぶん抵抗値は小さくていいってこと？

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  そうですね。仮に1列ずつ付けるとしたら680Ωでしたが、10列まとめていくなら、こういう単純計算です。


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  今回の例でいうと、この68Ωが、スモール回路の抵抗値ってことか。

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  あくまでも目安ですが、この計算方法で、ある程度ダブル球のスモール回路の抵抗値が見えてきます。

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  ナルホド！

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  そこからは、実際に付けてみて、視覚的に判断します。LEDの総数によっても見え方はずいぶん違うので。

ブレーキ点灯時



スモール点灯時（減光）


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  たくさんのLEDを敷き詰めたLEDテールランプだとすると、電流値を1/10にしても、けっこう明るくなってしまったりします。

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  明るすぎたら、どうするの？

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  抵抗値をさらに上げていきます。今回の例でいうと、68Ωよりもっと大きい抵抗値に換えてみます。

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  もっと大きいとは……どの位の抵抗を付けるのでしょうか？

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  僕の場合は、50Ω単位で抵抗値を変えてみます。68Ωで明るすぎたらもう、次は120Ωあたりまで飛びます。

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  そんなに抵抗値を変えてしまうんだ。

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  68Ωのすぐ上の抵抗値は72Ωですけど、その程度の差ではぜんぜん明るさには差が出ません。目で見ても変化が分からないと思います。

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  それを試すまでもない、ってことか。

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  まあ、そうですね。抵抗値を1段階変えたところで、テールランプ全体の明るさはほとんど変化しません。

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  なるほどね。

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  ちなみに、今回は10列のLEDテールランプですが、もっと直列の数が少ない場合は、思ったより暗くなってしまった、ということもあり得ます。

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  68Ωで暗すぎたらどうします？

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  う～ん、僕だったら20～30Ωぐらいを試してみよう、ぐらいの感覚ですね。

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  ……ふむ。机上の計算方法はあるものの、スモール回路の抵抗計算というのは、計算だけに縛られすぎてもダメなようです。

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  ちなみに抵抗値は計算できましたが、話はまだこれで終わりではありません。

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  え……？

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  スモール回路の抵抗はひとつにまとめていい、と言いましたが、それだけにたくさんの電流が流れますよね。

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  確かに。

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  ということは、抵抗の容量（消費電力）に注意しないといけません。

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  そういえば、抵抗のW数（消費電力）の選び方っていうのも、よく分かりませんね？