車の電装品の動作確認方法の、間違ったやり方

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車の電装品の動作確認の注意点。取り付ける前に「電装品が壊れていないかどうか」チェックするのは、失敗しないために有効な対策ではあるが、間違ったやり方をして、出だしからつまずく例がある。

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  車の電装品の動作確認方法として、よくある誤解というか、間違ったやり方について触れたいと思います。

  ●アドバイザー：CEP 服部研究員

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  電装品の動作確認とは、つまり「電装品が壊れていないかどうか？」のチェックですよね。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  そうですね。電装品の動作確認をすること自体はよいのですが……ただ、ここでけっこう、電気的に間違った方法で行う人が少なくありません。

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  電気的に間違った方法って？

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  アンサーバックキットを例に説明しますと、以前に「リレー音がしているのにサイレンが鳴らない（出力がでない）ので、製品が故障しているのでは？」というお問い合わせがありました。



✔ 取り付け方法は「アンサーバックの取り付け方法╱必要な電源と配線は？」参照。

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  リレー音がするってことは、電源は取れている。でも出力はされない、と。

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  しかし、よくよく確認すると、製品の電源を別のバッテリーに接続して動作確認を行っていました。

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  別のバッテリーってなに？

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  車のバッテリーではなくて、電装品の検査をする目的で、外れた状態の別のバッテリーにとりあえずつないでみる。これは、車屋さんなどでけっこうありがちです。

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  どうしてわざわざ、そんなことするのだろうか？

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  動作確認をするにあたって、車両から電源を取った状態だと、そもそも正しく電源が取れていない可能性もあるため、新しいバッテリーから直接取れば問題ないだろう、という考えですね。

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  あ～、なるほどね。それなら「電源は確実に取れている」と判断できるから。

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  ……ところがその判断に落とし穴があるのです。

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  アンサーバックキットの電源を、とりあえず用意した別の新しいバッテリーから取ったとしましょう。

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  ふむ。

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  しかし、この状態でアンサーバックキットの出力線を、車載したサイレンやブザーにつないで鳴らそうとしても、サイレンは鳴るわけがないのです。

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  ……なんで？

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  サイレンのアースは、車両のボディアースに接続しているからです。図に描くとこういう状況（↓）です。


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  サイレンのマイナス側の線は、ボディを経由して車載バッテリーのマイナスにつながっています。これだとサイレンの回路が成立せず、サイレンは鳴りません。

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  あ～、そういうことか～。プラスからマイナスに戻る回路ができていないんだ。

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  しかしアンサーバックキット本体は、別バッテリーのプラスとマイナスにつながっていれば、（本体だけは）動作はします。

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  それでリレー音は出るのに、出力されない（サイレンが鳴らない）なんていう、紛らわしい現象が起こってしまう。

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  そうなんです。
  電気的にはこういう状況（↓）なのです。



車体にボディアースしたサイレンは、車載バッテリーのマイナスにつないでいると同じことなので、別バッテリーから電源を取っている電装品の出力（プラス）をもらっても回路として成立せず、電気が流れない。

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  わざわざ別バッテリーで動作確認するのなら、サイレンのアースも含めて、全部、別バッテリーに接続しないとダメですね。

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  ハイ。そういうことです。この状況（↓）になっていれば、回路として成立するので、動作確認はできます。


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  別バッテリーを使うのであれば、「別バッテリーだけで回路が完結する」ように組めば問題ないってことね。

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  そうですね。電気の回路というのは、電源のプラス側が（負荷を通して）電源のマイナス側につながることで成立します。

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  ふむ。

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  今回のように机上で図を描いて説明すれば、動作しないのは当然なのが分かると思いますが、いざ実際の現場では、間違われることも多い問題です。

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  ちょっとそのへんに転がっているバッテリーで動作確認してみよう……ってやる人はけっこういるんですねぇ。

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  別のバッテリーを使った電装品の確認方法が全部NGではないんですが、そのやり方をする場合には注意が必要なんですね。

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  この電装品壊れている！と判断をくだす前に、動作環境が「回路として成立しているか」を考えてみましょう。