通好みの電装カスタム
エンジンを切っても、テレビや音楽が継続して楽しめる電装カスタム
車で目的地に到着。エンジンは切りたいが、テレビがちょうどいいところだったとか、お気に入りの音楽のサビのところだったら、継続して楽しみたい。それを可能にする、便利な電装アイテムがある。
国産車とは挙動が違う。欧州車のACC電源残しとは?
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電装カスタムでお馴染みのメーカー、デンクルがまたなにやらマニアックなアイテムを開発したもよう。
●レポーター:イルミちゃん
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今回のカスタムは、いわゆるACC(アクセサリー)電源残しですね。
●アドバイザー:DENKUL 岡本研究員
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なにソレ?
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ベンツ、BMW、アウディなどの欧州の高級車には普通に付いている機能なんですが……
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フムフム。
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エンジンを切ったあともACC電源だけ残る、という機能です。
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エンジンを切ったのに、電源が遮断されないって意味でしょうか?
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そうです。エンジンオフで電源がオフになる、国産車とは違うんですよ。
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なんのために、そんなことを?
エンジンを切っても、しばらくはテレビや音楽を楽しめる
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車で目的地に着いたから、エンジンは止めたけれど「音楽は聴いていたい」とか「テレビを観ていたい」とか。そういう場面ってありますよね。
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お気に入りの音楽を聴いている途中で到着……みたいな状況ですね。
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あるいは、Bluetoothを使ってハンズフリーで電話をしていた途中で、家に到着したときなんかも同じですね。
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車庫に入れたなら、さっさとエンジンは切りたいけれど……
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エンジンを切ったら、その瞬間からBluetoothのハンズフリーも使えなくなってしまいます。
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ナルホド。
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国産車はエンジンオフ=電源遮断ですが、エンジンを切ったからといって、すぐ車から降りるとは限りませんよね。
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それでACC電源を残すんですね〜。
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そうです。デンクルのスマートオーディオキットに関して言うなら、ナビ・オーディオの電源オンをキープするのが目的です。
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これを取り付けると、エンジンを切っても、ナビやオーディオの電源はすぐには切れなくなります。
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いつ切れるんですか?
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運転席のドアを開けた時点でオフにする、という仕組みになります。
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ナルホド。ドアを開けたってことは、確実に車から降りるでしょ、ってことかー。
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そういうことですね。
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……でも、ずっとドアを開けなかったらどうなるんだろう?
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テレビを観ながら、そのまま寝てしまった……とかあり得ますよね。
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そのときは、バッテリー上がりませんかねコレ。
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大丈夫です。エンジンオフ後、運転席ドアを開けない状態が15分続いたら、やっぱり自動的に電源を遮断します。
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よくできてる。
✔ デンクルのスマートオーディオキット。30アルファード╱ヴェルファイア用が第一弾として登場。続々対応車種を増やす予定。
そして今回のポイントは、取り付けのカンタンさ、ですね
スマートオーディオキットの取り付け方法
ラジオのヒューズに電源を供給する新発想
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ここからは、デンクルのスマートオーディオキットの取り付け方法です。
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ナビやオーディオを取り外す必要はありません。
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ホホウ。ではどうやって、ナビやオーディオに電源を供給するのでしょうか?
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ヒューズに割り込ませます。ナビやオーディオ関連機器というのは、ラジオのヒューズの先につながっています。
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エンジンオフの状態になっても、ラジオのヒューズの先に電源を出力することで、ナビ・オーディオが動くというわけです。
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なるほど。
考えたなァ。 -
ナビを外すのはけっこう大変なので、それをしないでいい方法を考案しました。
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しかし、そうなると、純正のヒューズは外すことになりますが……ヒューズ機能(過電流時の電源遮断)に問題はないのでしょうか?
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その点は、割り込むユニット側にヒューズが入っているので大丈夫ですよ。
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それなら安心。
✔ ヒューズボックスにはヒューズがたくさん並んでいるが、この中に、ラジオのヒューズがある。
ラジオヒューズを抜いて、2ピンのコネクターをつなぐ
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取り付けのモデル車は、30系アルファードです。当然、ヴェルファイアでも同じです。
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まず、ヒューズにアクセスするためにアンダーカバーを外します。
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アンダーカバーは、4つのツメで引っ掛けてあるので、指でツメロックを解除しながら引き下げます。
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フットライトにつながっているカプラーがあるので、抜きます。
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そして下から覗き込むと、ヒューズボックスが見えるので……
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スマートオーディオキットの本体から出ている2ピンの黒いコネクターを、ラジオのヒューズと入れ替えで差し込みます。
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デンクルのスマートオーディオキットは車種別キットなので、説明書には、車種ごとのラジオヒューズの位置も記載しています。
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つまり、検電テスターで調べる必要はありませんね。
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そして、キットに付属しているヒューズ電源を使って、常時電源を取り出しますが、これも、どのヒューズと入れ替えるかは説明書に記載してあります。
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ヒューズボックス付近で、①ラジオヒューズとコネクターの入れ替え、②常時電源取り出しが完了です。
ドア連動線(ドアカーテシ線)はコンピューター付近で取る
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あとはボディアースと、ドア連動線(ドアカーテシ線)だけです。
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ドア連動線もいるんですね。
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ドアを開けた時点で電源を遮断する仕組みなので、それを検知するのが目的ですね。
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な〜るほど。ということは、どこかのドア付近から取る?
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いや。アルファードを例にすると、さきほど作業したヒューズボックスの上、グローブボックス裏付近にコンピューター(※BCM)があるので、そこからドア連動線が取れるんです。
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では、グローブボックスを外しましょう。
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グローブボックスを外すときは、両サイドの真ん中を押し込みながら、引っ張ります。
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グローブボックスが外れると、その奥の左側に、カプラーがたくさんつながっているコンピューターが見えます。
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ム!?
どれがどれだか、分かりませんが…… -
その点も車種別に説明書に書いてあります。アルファードの場合は、このカプラー(↓)を抜きます。
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そして、ドア連動線(ドアカーテシ線)に、ユニット側の線をつなぎます。
横のフックを外す
✔ 配線の位置情報や、配線色などは車種によって異なるので、説明書参照。
ボディアースする
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なんだか、全部、手近なところで済ませましたね……。手抜きのようなカンタンさ♫
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こういうのは車種によっていろいろですが、デンクルとしてはなるべくカンタンに取り付けできる場所を、車種ごとに提案していきます。
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実際、30アルファードやヴェルファイアであれば、ヒューズボックス付近、およびその上のグローブボックス裏だけで、作業完結できました。
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ユニット本体は、インシュロック(結束バンド)などを使って、ハーネスなどにくくりつけます。
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あとは特に設定なども必要なく、今後はエンジンを切ってもすぐにはナビ・オーディオが落ちなくなります。
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ラジオのヒューズ経由で電源を供給しているってことは、他にも動くものがあるかも知れませんね。
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う〜ん。でもまあ、純正の状態でいうと、動くのはナビ、オーディオ、ETCぐらいですね。
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フムフム。
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ちなみに、もしもナビ裏のACC電源から電源を取ってLEDフットランプを付ける、なんていうLED技をやっているなら、その場合は、エンジンを切ってもフットライトが点灯し続けることになります。
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あ〜、それはそれで便利そう!
あとはアース線だけ。ちょうどBCMを固定しているネジがあるので、そこでボディアース接続できます
✔ そこまでやる気のある人は、「車のLEDフットライト取り付けに有効な知識」などが役立ちます。
DIY Laboアドバイザー:岡本 亮
「カプラーオンで簡単に取り付けできる」をテーマにした電装品を開発するDENKUL(デンクル)代表。車の電装、プログラミングの双方に長けている。工具大好き。●DENKUL(デンクル) https://denkul.jp/
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