ワンオフパーツの作り方実習

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FRPの貼り方（後編）╱小さい＆細かい部分はどう貼る？

FRPの貼り方の後編では、小さくて細かい部分＆アールの付いた曲面に、FRPガラスマットを貼っていく。各部にFRPを貼るときのコツの他、注意点もいろいろあるので、実際に貼りながら解説する。

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  「直角の角（カド）へのFRPの貼り方。加工のプロの手法」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  前回は、角（カド）になる部分に対して、粘土状に変質させたFRPパテを盛りました。

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員


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  角にはFRPを盛れたけど……まだ大部分の「面」が残っていますね。

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  ここからは、細かく切り出したガラスマットを使ってFPRを貼ります。

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  発泡ウレタンの型を切ってしまう前に型取りしてあった、ガラスマットの登場ですね。



✔ 切り出しについては「FRPのガラスマットの貼り方」参照。

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  まずは、ガラスマットに染み込ませるFRPの溶剤を用意します。

樹脂の溶液をペイントポットに用意して……



硬化剤を混ぜる



ここでは指定の配分（50対1など）で、普通に混ぜる。

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  ところで、以前に平面に対してFPRを貼ったときは、ガラスマットを置いた状態で上からローラーで溶剤を染み込ませて貼りましたよね。



✔ 基本的なFRPの貼り方は「FRPの貼り方をプロの職人に教わる」参照。

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  しかし、今回はシャークアンテナの細かい面に対してFRPを貼りますから、こんなやり方では無理です。

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  確かに。

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  今日は手作業で貼ります。

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  ふむふむ。
  職人の手しごとですね。

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  段ボールなどを敷いて、その上で先に、ガラスマットにFRPの溶剤を染み込ませます。


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  ガラスマットにFRPの溶剤を染み込ませるときは、ハケやローラーを使います。


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  ずいぶんビチャビチャに、染み込ませるんですね。

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  ベトベトしているほうが、付きやすくなりますので。


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  これを、対象物（シャークアンテナ）のところに運んで……

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  そのときに間違っても車体にFRPを垂らしたりしないように、前もって徹底的に養生しておいたんですね。

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  事故が起こるとすれば、このシーンか。

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  そして、シャークアンテナの各面に対して1枚ずつ手作業でガラスマットを貼っていきます。



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  ここで注意。ガラスマットが浮いていると、あとで削るときに穴が開きますので、ピッタリと密着させて貼っていきます。

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  シャークアンテナの側面には逆アールが付いているから、意外と難しいですね。

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  手で押して、圧着させるように貼っておきましょう。


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  上側に巻き付けるように貼ったガラスマットも、押しつけます。


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  下にはFRPパテが盛ってあるとはいえ、ガラスマットもなるべく圧着させておきます。

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  なるほど、なるほど。

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  ガラスマットはチクチクするので、素手でやると痛いですが。

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  あの〜、そう言いながら、なんで素手でやるの？ ここは手袋をしたほうがいいでしょ。

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  う〜ん。
  でもけっきょく、素手が一番早いんですよね。

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  頑固職人め。……このへんは、あまり参考にしなくてよさそうです。

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  そういえば、硬化剤を混ぜたあとのFRPはけっこう発熱するので、触っているとかなり熱いです。

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  熱いって、どのくらい？

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  手で触れないくらい熱くなるケースもあります。

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  なおさら「手袋しろや！」って感じですが。ツッコミどころ満載？

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  でも使い捨ての薄いビニール手袋だと、下手すると溶けるかも知れませんね。そのくらい発熱するケースもある。

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  ヤケドに注意レベルかぁ。そこまで熱くなるとは、思っていない人が多そう。

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  ローラーやハケだけで貼れればそれが一番いいんですが、そうはいかない形状もあるので、手作業で貼る場面は注意ですね。

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  考えてみるとシャークアンテナって、相手が小さいからやっかいな例でしたね。

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  他に作業上の注意点としては、切り出したガラスマットがあまりに細すぎると、溶剤を染み込ませて持ち上げた時点で切れてしまったりします。

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  液体の重みでか……。

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  今回のシャークアンテナでいうと、底の部分の側面。


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  こういう細い場所は、あえて太めに切り出したガラスマットを貼ることもあります。

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  そうすると上に出っ張りますが？

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  それは、固まったあとでベルトサンダーで削ればいいことです。

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  なるほどね。

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  前回登場したアエロジルと、ガラスマットを組み合わせれば、複雑で角の多い形状でもFRPを貼ることができます。


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  あとは、乾燥を待つのみ。

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  FRPを貼ったあとは余裕をみて1日程度放置してから、削る作業に入りましょう。