ワンオフパーツの作り方実習

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シャークアンテナをワンオフで作るメリットと、作り方のコツ

シャークアンテナというと、市販の汎用品をポンと付ける人が多いが、ワンオフという手もある。形は世界に一つの自分だけのもので、フィット感も完璧。「発泡ウレタン・FRP・パテ」の使い方を勉強するという意味でもピッタリの外装小物パーツだ。

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  「発泡ウレタン講習（※）」も無事終了！ いよいよ実際に、ワンオフパーツの作り方編に突入していきます。

  ●レポーター：イルミちゃん

✔ 発泡ウレタンは、ワンオフパーツの「型」を作るために使われる素材。

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※基本的な使い方は、「発泡ウレタン講習スタート╱DIYにもおすすめの造形術をプロに学ぶ」参照。

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  といっても、発泡ウレタンだけでワンオフパーツが作れるわけではありませんよね。

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  そうですね。
  実際のワンオフパーツ製作の流れは、このようになります（↓）

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

ワンオフパーツ製作の流れ
（ほんだ塗装・オーバーフェンダーの例）

① 発泡ウレタンで型を作る



※型作りには「粘土」が使われることもあるが、この連載では安価な発泡ウレタンを使う。

② FPRを貼る



③ パテで仕上げる



④ 塗装する


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  エアロパーツでもオーバーフェンダーでも基本的なやり方は同じですが、ここではもう少し敷居を下げて、シャークアンテナを例に解説していきましょう。

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  世界にひとつの、ワンオフシャークアンテナ♪

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  まあ、シャークアンテナなら今どき汎用品が3000円位から買えたりもしますが……汎用品の形は似たりよったりな面があるし、長さもだいたい決まっています。

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  フムフム。

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  もう少し長さがほしいよとか、三角の部分がもっと薄いほうがいいとか、スタイルの好みを追求するならワンオフパーツです。

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  世界にひとつ、という自己満足感もハンパない。

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  そして、ワンオフパーツのもうひとつのメリットはフィット感です。

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  ほほう。

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  汎用のシャークアンテナって、なかなか完璧にはピタっと合わないケースが多いです。

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  なんでだ？

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  なぜかといえば、屋根のアール形状は、車種によってそれぞれ違いますから。


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  確かに車の屋根は、平らではない。

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  だから形状を3タイプぐらい用意しておいて、比較的フィッティングのいいところを選んでください……という方式になっていたりする。

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  なるほどね。

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  ワンオフなら、自分の車の屋根のアール面に合わせて作りますから、当然ながらフィッティングは……

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  完璧に合う！

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  ただし、そのために重要なのは「作り方」です。

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  「発泡ウレタンで型を作るときの、重大なコツ」でも言った通り、車のパーツを作るときは、車体に接地させた状態で発泡ウレタンを発泡させるのがベスト。

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  机の上でなく車の上で作るっていう、例の話ですね。

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  シャークアンテナの場合なら、屋根の上で、発泡ウレタンを発泡させるということです。

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  イメージできない人が多いと思いますが、いったんはこういう状況（↓）を作ります。



✔ 具体的にどうやってこのような発泡状況を作るかは、今後の連載で解説します。

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  屋根の上に、食パンが載っているようにしか見えませんが、大マジメです。

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  こうすることで、まず接地面がピッタリ屋根のアール沿ったものになります。他にも理由はあるけど、後で説明します。

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  確かにこれなら、フィット感バツグンの型が作れそう。

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  ただ、実際の工程では、一番最初にまず薄くFRP（繊維強化プラスチック）を板状に貼るのが先なんですよ。

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  え、いきなりFRP？ 発泡ウレタンで型を作ったあとで、FPRを貼るんじゃないの？

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  全体的なデザイン面としてはそうなんですが、「底面」となる部分だけは、FRPを先に貼っておく必要があります。

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  それはなぜ？

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  後で「発泡ウレタンの型」は、取り除いてしまうんですよ。下写真はオーバーフェンダーの例ですが……


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  最終的には、外側に貼ったFRPだけが残る（FRP製パーツとなる）んです。

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  フムフム。

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  ということは、車体に接地するFRPのフチの部分（内部は空洞）だけは、発泡ウレタンの前に貼ったFRPでないと、車体のアールにピッタリの断面にはなりません。

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  ホー。
  先に貼るFRPが、車体に接地するフチになるのか。

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  そうです。残すのは「フチ」だけなんですが、そのためだけに、最初はまず「面」でFRPを貼っておく。



オーバーフェンダー製作の最初の段階でも、車体接地面に先に薄くFRPマットを貼っている。

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  なるほどね。

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  そのFRP面の土台の上で、発泡ウレタンを発泡させて型を作っていきます。

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  「底面」だけは先にFRPを貼っておかないと、後からはFRP貼れないですもんね。

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  そういうことです。だから、ワンオフのシャークアンテナ作りの第一歩は「屋根の上にFRPを貼る」ところからスタートです。

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  発泡ウレタンの次は、いきなりFRPの勉強か。