タイヤ交換の知識
タイヤ交換の工具②╱ホイールナットのサイズは…?
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タイヤ交換で使う工具・クロスレンチ(十字レンチ)は、実はソケットサイズの組み合わせがいろいろあるので注意。特に21ミリのナットは、薄口ソケットでないと入らないことも多い。純正&社外ホイールナットのサイズの種類についておさらいしておこう。
クロスレンチ(十字レンチ)を買う前に、ホイールナットのサイズに注意!
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タイヤ&ホイールの脱着作業に、必要な工具のおさらい。
●レポーター:イルミちゃん
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ホイールナットを外すときに使う工具としては、一般的にはクロスレンチ(十字レンチ)ですね。
●アドバイザー:スパイス 佐藤研究員
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クロスレンチのソケットサイズは、どれにすればいいの? どれか合うから気にしなくていいのかな。
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純正ホイールナットの場合は、19ミリと21ミリが多いですね。
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クロスレンチ側で、どっちも対応しているのが普通ですね。
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社外ホイールの場合も19ミリと21ミリが多いのですが、たまに17ミリも出てきます。
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フムフム。
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外車のホイールでも17ミリ、19ミリは多いです。
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全部で、17・19・21ミリの3種類?
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それ以外の大きいサイズだと、22ミリを使っている車もあります。23ミリはほとんど出てきませんが。
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いっぽうで、クロスレンチの4つソケットのサイズは決まっているもの? つまり17・19・21・22……なのかな?
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決まってませんよ。クロスレンチによって、4つのサイズは違いますから。
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そうだったのか!
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だから当然のことですが、自分の車のホイールナットのサイズは確認した上で選びましょう。
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4つソケットがあるからといって、「どれか合うよね」的な油断はいけません。
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まあ、普通は問題ないことが多いはずですが、特に注意するべきは、21ミリのソケットが必要なとき。
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なぜ、21ミリだけ注意なの?
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社外ホイールで21ミリのホイールナットを使っている場合は、薄口ソケットでないと入らないことが多いからですよ。
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あ~、そういえば、「傷をつけずに社外ホイールを外す方法」のときに、薄口のレンチが必要になると教わりましたね。
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そうなんです。社外ホイールでも17ミリや19ミリのときは普通のソケットでも使えたりしますが……
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それはなぜ?
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そもそも社外ホイールのナットホールが、21ミリに合わせて作られていることが多いからです。
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なるほど。
穴は広めってことか。 -
だから21ミリよりも小さい19ミリとか17ミリのナットの場合は、薄口でなくても入ったりしますね。
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そういうことね。
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クロスレンチのサイズも、いろいろな組み合わせパターンがあるようですね。
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そう。例えば薄口でない、17・19・21・23ミリのパターンもあるけど、23ミリはまず出てこない。それに21ミリは薄口でないと、社外ホイールでは入らないケースが多いし……。
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ふーむ。使えないソケットが多くなるのは、無駄な気が……。
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ですよね。どう考えても使わないソケットが含まれているよりは、使う可能性の高いサイズが多いほうがいいでしょうね。
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クロスレンチなんて全部いっしょだろ~、っていう買い方はやめましょう。
車の足まわりで必要になる大きめのソケットサイズ
✔ 車のボルトサイズの基礎知識は、「車で使われている「ねじの種類」と「サイズの謎」」参照。
そんな事情が考慮された、17ミリ・19ミリ・21ミリ・21ミリ(薄口)という、4サイズの組み合わせのクロスレンチもある。
あるいは、オール薄口ならもちろん問題ない。
このあたりのサイズバリエーションには「個性」がある。
タイヤ交換の工具としては、トルクレンチはあったほうがいい
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タイヤ&ホイールの脱着作業はクロスレンチだけでもできますが……
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しかし、クロスレンチでは最終的な締め付けトルクがアバウトにしかならないので、本来は、本締めにはトルクレンチが必要です。
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純正ホイールでも社外ホイールでも、できればトルクレンチを使ったほうがいいという点では同じです。
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理由は、トルクレンチ以外では規定トルクで正確に締め付けられないから、ですね。
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ちなみにスパイスのお客さんだと、DIYユーザーも多いじゃないですか。
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ハイ。できるところは自分でやるお客さんは、けっこういます。
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DIYでタイヤ交換する人でも、実際のところはトルクレンチまで持っていない人が多いと思うんですが、どうなんでしょう?
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そうですね。そして、どちらかといえば、ホイールナットの締め付けが足りてない人が多いです。
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そうなんだ。むしろ「締めすぎ」が多いのかと思いましたが……
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ホイールナットを規定トルクで締め付けるって、一般の人が思うより、けっこう固いですからね。
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特に女性のお客さんで、パンクして自分でタイヤ交換したケースなどで……締め付けトルクが、全然足りなかったりします。
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自分でできるのは感心だけど、危険ですね……。
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だからといって締めすぎも恐い。けっきょくトルクレンチを使う以外に、安心できる方法はないんですよ。
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そもそもボルトを締めすぎると何が問題なのかは、下記記事にて。
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トルクレンチがなくてもタイヤ交換はできる……と思わないほうがいいのかも知れません。
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一般的なトルクレンチならある程度長さもあるので、そういう意味でも締め付けがラクにはなります。
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そうか。そもそも車載工具のレンチとかだと短いし。
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そうなんです。同じ力でも、工具の長さで締め付けトルクは全然変わってきますよ。
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短い工具で、「ちゃんと締めたもん!」というのは、いよいよ怪しいですね。
トルクレンチとソケット
✔ 自分のホイールナットサイズに合った、ディープソケットも合わせて準備する。
DIY Laboアドバイザー:佐藤峻一
元カスタムガレージスパイス代表。足回りに強く、得意技は勝負ツライチだが、実用性重視のセッティングも高いレベルで実現。ドレスアップ全般に明るく、不思議な包容力があってDIYユーザーにも人気。
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