ディスプレイオーディオ関連

ディスプレイオーディオから他ナビに付け替えるにあたってのパネル問題

変換ハーネスの登場により、ディスプレイオーディオは、社外の2DINナビに付け替え可能になった。しかし、配線だけ変換できても、ディスプレイオーディオと市販の2DINナビでは形状が異なる。物理的にパネル形状が合わないのに、どうやって載せ替えるのか。

ディスプレイオーディオを外し、市販の2DINナビに付け替えようとするとどうなるか？

「ディスプレイオーディオから社外ナビに交換する方法もある」の続き。
●レポーター：イルミちゃん
「サウンドアダプター SLX-72R」を使えば、ディスプレイオーディオからディーラーオプションナビや社外ナビに付け替えも可能ですよ、という話をしましたが、今日は実際にナビを載せ替えるにあたっての注意点です。
●アドバイザー：ビートソニックワタナベ研究員

ディスプレイオーディオ専用ナビ交換アダプター SLX-72R

これだけ大胆な技だと、配線だけ変換できても、問題が残りそうな気はしますね。
まず、パネルの問題ですね。
パネル？
ディスプレイオーディオを取り外して……

✔ 外し方は「ディスプレイオーディオの取り外し方法」参照。

空いたスペースにディーラーオプションナビや、社外ナビを付け替えようとすると、周囲のパネル形状が合わないという問題が出てきます。

なぜならディスプレイオーディオは、一般的なナビの2DIN規格に沿った形状ではないので。
うええぇ！
車種の違いに限らず、ディスプレイオーディオであれば必ずこの問題に直面します。
配線だけ変換できても、物理的にディーラーオプションナビや社外ナビが付けられない…。
そういうことです。
付け替えたナビは、パテ埋めしてねってこと……？
それはちょっと普通の人には現実的ではないと思うし、取り付けネジ位置の問題もあります。
では、どうしろと？

オーディオレス用の純正パネルを使う

ディスプレイオーディオから市販ナビに付け替えるにあたって、周囲のナビパネルもいっしょに交換するんですよ。
そんな都合のいいパネルがいったいどこに……
純正のオーディオレス車用のパネルと金具を、別途ディーラーで買ってくるという方法があるのです。
え？
純正部品でそんなパネルがあるの？？？
そうなんですよ。例えばこちらはヤリスのオーディオレス用パネルです。

これがあれば、ディスプレイオーディオ車でも、汎用的な2DINナビが取り付け可能になります。
ディスプレイオーディオ本体は標準装備のはずなのに、なぜこんな純正部品があるのか……不思議ですね。
一般ユーザー向けの車ではなく、例えばレンタカー向けのモデルなどだと、元からディーラーオプションナビが付いていたり、あるいはオーディオレス車であったりするので、そのフタ用にパネルが用意されているらしいです。
それでこんなパネルが存在しているんだ。
どうやらそうらしいですね。一般ユーザーはそういう車は買えないですけど、交換部品用のパネルだけだったらディーラーで買えるので、それを活用するのです。
ナルホド！
ちなみに、この純正部品の品番は、参考品番としてはビートソニックの公式ページ（※）でも載せていますが……

※SLX-72R 詳細ページ下方の「取り付けについて」参照。

この手の品番は、年式などによってもよく変わるので購入時は注意が必要です。
手に入りますが、注意点は忘れないようにしましょう。
同じ形状でも、内装色に合わせて色の種類がたくさんある車種もあるので、必ず自分の車種・年式・内装色に合った純正オーディオレス用パネルをディーラーで注文する必要があります。
ビートソニックの公開情報は、参考程度にってことね。
そうですね。
これさえあれば、2DINナビに付け替えできる！
ただし、ディスプレイオーディオ車のすべてに、こういった2DINナビの付くパネルが設定されているわけではありません。
え？では、パネルが存在しない車種の場合はどうするの？
その問題に直面するため、逆にいうと、この純正パネルが存在する車種しかSLX-72Rの適合車種として扱っていないんですよ。
あ～、そういうことか。
ちなみに、適合車種は以下の通りです。

SLX-72Rの適合車種一覧

アクア（R03/07-）、C-HR（R01/10-）、C-HR GR SPORT（R01/10-）、ヤリス（R02/02-）、ヤリスクロス（R02/08-）、GRヤリス（R02/09-）、カムリ（R01/10-）、カローラ（R01/09-）、カローラスポーツ（R01/09-）、カローラツーリング（R01/09-）、RAV4（R02/08-）

※型式等の詳細はビートソニック公式ページ参照。

ディスプレイオーディオ車の全てに対応というわけにはいかないんだ。
例を挙げると30アルファードや80ハリアーは、SLX-72Rの適合車種に入っていません。理由は「パネルが存在しないから」なんですよ。
う～ん、なんだか惜しいなぁ。そのあたりは超人気車種で、ナビ付け替えをしたい人だっているだろうに。
そうなんですけどね。
こればかりは……。
では配線の変換だけなら、SLX-72Rでできるのかな？パネルはないけれど。
ハーネスだけなら30アルファードや80ハリアーでも使えるでしょうね。未検証ですが。
仮に「ハイレベルなオーディオショップでパネル加工も含めてインストールしてもらうから、配線変換だけできればいいよ」っていうのであれば、SLX-72Rでのナビ入れ替えは可能なのか。
ただ、足りないのはパネルだけではなくて、2DINナビを取り付けるための金具も無い、ということになりますから「固定をどうするのか問題」が残ります。

もともとディスプレイオーディオが固定されていたネジ穴を利用して金具を取り付けると、2DINナビがボルト留めできる形状になっている。

そのへんも含めて、佐伯研究員みたいなオーディオプロショップのインストーラーがなんとかしてくれるとしたら？
ビートソニック公式見解としては「Yes」とは言えませんが、その場合はまあ、アルファードやハリアーであってもディスプレイオーディオ車であれば使えると思います。

※SDナビ（JBLサウンド）は、純正配線方式もコネクター形状もまったく別モノなのでNG。

なお、ディスプレイオーディオかオーディオレスが選べる車（例：ランクルプラド）についても、適合車種には入れていません。
そんな車種もあるんだ。
あります。そういう車種は最初から（ディスプレイオーディオではなく）ディーラーオプションナビがそのまま付けられる車両側配線になっているので、SLX-72Rのようなアダプターは必要ないので。
SLX-72Rが使えるのは、あくまでも標準でディスプレイオーディオしか選択できない（ディスプレイオーディオ用の配線仕様になっている）車だけよ、ってことね。
そうですね。かつ「純正オーディオレス用パネルが存在する車種」が、適合車種です。

「ディスプレイオーディオ取っ払い（ナビ付け替え）のデメリットを検証」に続く

DIY Laboアドバイザー：渡邊悠二
カーエレクトロニクスの雄、ビートソニックにおける技術部のホープであると同時に、同社の「顔」としての活躍も期待される人物。プログラマー出身で、ITにも車にも強いが、いちばん得意なのは料理という説も。●ビートソニック TEL 0561-73-9000

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