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LEDフォグとHIDフォグの照射比較
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明るさではHIDのほうが上。しかしフォグに入れるとなれば、話が変わってくる。明るいことがHIDのメリットだが、明るすぎるがゆえに上方散乱光(幻惑光)が出てしまうのだ。照射比較実験でも豪快な上方散乱光が出現。やはりフォグにはLEDが現実的だ。
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前ページの記事では、最近の純正フォグランプ事情の側面から、「フォグにはLEDを入れるほうが合理的」という展開になりましたが……
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ここでは、実際に同じフォグランプにLEDとHIDを入れて照射比較をしてみます。
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え〜っと……比較に使うハスラーのフォグランプはH8ですね。
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そうですね。H16、PSX24W、PSX26Wなどのフォグランプはそもそも前述した熱の問題で、HID不可(灯体が溶ける)ですので。
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とはいえ、もともと純正バルブの消費電力が35WのH8や、55WのH11にとっては、HIDバルブという選択肢も気になるところです。
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純正フォグランプの光は、色味はともかく、きちんとしたカットラインが出ていることが分かります。
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壁ドン(※)すると、カットラインが出ているかどうかがハッキリ分かりますね〜。
(※)壁にヘッドライトの光をあてて配光を見ることを指すらしい
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HIDは強烈に明るくなったのが分かりますが、カットラインの上にまで光がたくさん飛んでしまっているのが分かります。
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確かに。全体が明るくなり過ぎて、カットラインが少しあやふやになりかけてますね。
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LEDはクッキリとしたきれいなカットラインが出ています。配光性能が出ていれば、こういうふうにできるのがLEDです。
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明るさだけでいうと当然、HID化したフォグが一番明るいわけですけど……
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HIDフォグの問題点が、少し分かって頂けたでしょうか?
35Wの純正ハロゲンバルブ
25W-HIDバルブを投入
12WのLEDバルブを投入(IPF製)
HIDの極端な光量アップが、上方散乱光を増大させる
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HIDの問題点は、明るすぎてカットラインの上にまで光が飛んでしまう量が多いことです。
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ちなみに黒テープでマーキングしてあるのは純正フォグのカットラインの高さですが……、
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カットラインが低めに出ているので、本来であればもう少し上げる光軸調整をしたいところですが、それをやってしまうと対向車はかなり眩しいはず。
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今の時点でも、純正カットラインより上まで余計な光が飛んでますもんね。
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こうやってカットライン上にまで飛んでしまう余計な光を上方散乱光と呼びますが、対向車が眩しい原因がコレなんです。
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そういえば、フォグにHIDを入れた車が眩しい!という声はよく聞きますね。
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そうなんです。対向車への「幻惑光」ということになります。ちなみに法規上も幻惑光を出してはいけない、という条件が本来フォグランプには存在しているのです。
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そんな条件もあるんだ。でもこれって配光性能の問題じゃないんですか?
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配光性能が低かったら、上方散乱光はこんなもんじゃ済まないでしょうね。
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配光性能では解決できない問題?
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そうですね。そもそも、HIDの光量は純正ハロゲンの約3倍にもなるんです。
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そんなに光量アップしているのか〜。
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それによって「純正電球のときは、リフレクターにいちおう反射はしていたけど、遠くまで届くほどではなかった弱い光」まで、遠くまで飛んでしまいます。
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つまり、純正のリフレクター設計では計算外の反射光まで出るんだ。
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純正リフレクターは、あくまでもハロゲンバルブ(あるいは白熱球)の光量に合わせて設計されていますからね。
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なるほど。3倍もの光量アップがアダとなって配光を崩してしまうわけですね。
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そうなんです。
もっと離れて見ると驚きますよ。 -
あれぇ? あんなに高いところまで光が飛んでしまっていますね!
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そうですね。リフレクターのフチの線までくっきり出ているのが見えますね。
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これがHIDの上方散乱光なのかー。
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LEDだって純正ハロゲンよりは光量アップしているのでまったく出ていないわけではないんですが、問題となるほどではないんです。
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ホントだ。
うっすらとは光が上にも飛んでますが……、 -
これぐらいはまったく問題ないです。至近距離の壁ドンでかろうじて見える程度ですから。
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カットライン上には光を飛ばさず、カットライン下だけが明確に明るいのは、さすがの配光性能ですね〜。
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そこがIPFのこだわりですので。
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あのー、HIDフォグの場合、上方散乱光が原因で車検にも落ちたりするんでしょうか?
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数値的な基準ではないですが、検査員が対向車に眩しい幻惑光と判断する可能性は高まりますね。
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なるほど、H11のように比較的熱に強いフォグランプでもIPFがHID化を推奨しないのはこれが原因だったのか。
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元がハロゲンバルブで、それに合わせて設計された灯体である以上、バルブ側の作り込みだけでは避けられない問題なのです。
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この観点からも、フォグはLED化のほうが無難と言えそうですね。
この上方散乱光が問題!
実はこんなに上まで光が飛んでいた!
LEDの上方散乱光はごくわずか
社外品のLEDヘッドライトバルブを選ぶときの重要な注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:市川哲弘
LEDやHIDバルブでお馴染みのIPF企画開発部に所属し、バルブ博士と言ってもいいほど自動車の電球に詳しい。法規や車検についても明るく、アフターパーツマーケットにとって重要な話を語ってくれる。
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