LEDフォグランプ化する方法(前編)
LEDフォグを買う前に、知っておくべきこと
LEDフォグランプ化を考えている人が、事前に知っておくべきこと。LEDフォグは万人にオススメではなく、場合によってはハロゲンフォグの方が向いていることもある。装着スペースの問題もシビアなので、バルブ型式だけ一致していれば装着できると考えるのも早計。LEDフォグバルブを買う前に読んでほしい。
LEDフォグとハロゲンフォグは、一長一短
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最近は純正でもLEDフォグランプが増え始めていますよね〜。
●レポーター:イルミちゃん
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そうですね。新型プリウス、エスティマ、86などを始め、どんどんLEDフォグ化されています。
●アドバイザー:IPF 市川研究員
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ヘッドライトはハロゲン→HID→LEDという進化の歴史がありますが、フォグに関してはハロゲンからいきなりLED化に進んだ印象があります。
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HIDをフォグに入れると、熱で灯体側が持たない(※)という問題がありますからね。
(※)「LEDフォグとHIDフォグの比較」参照。
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純正フォグの主流は今でも基本的にはハロゲンバルブですが、オプションフォグを選ぶとハロゲンかLEDかを選べるようになっている、というパターンが多いですね。
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ハロゲン仕様のフォグがなくなるのは時間の問題でしょうか?
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いや、LEDフォグには低消費電力ゆえの弱点もあります。ハロゲンのほうがいい場合もありますよ。
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弱点とは?
どんなことですか? -
消費電力が小さいLEDは熱の発生が少ないので、雪国では灯体に付いた雪が溶けないデメリットがあるのです。
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なんと!
意外な盲点。 -
ですから雪国の人には、LEDフォグランプはオススメできません。ハロゲンがいいと思います。
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それって、社外品のLEDバルブで後付けする場合も同じですか?
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そうですね。雪国の人には、LEDバルブではなくハロゲンバルブ交換で色を変えたり、明るくしたりの手法をオススメします。
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フォグ用ハロゲンバルブは、それはそれで需要があるんですねぇ。
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ハイ。だからIPFとしても、フォグランプ用はLEDバルブとハロゲンバルブを両方とも手がけているのです。
樹脂製で熱に弱いH16フォグ
ハロゲンバルブにも利点はある!
フォグランプのバルブ型式の種類を確認
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ここからはフォグランプをLED化する前提で、その手順について聞いていきます。
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ひとくちにフォグランプと言っても、バルブタイプ(型式)にはいくつか種類があります。H8、H11、H16、HB4、H3、PSX24W、PSX26Wなどですね。
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フォグランプだけで、ずいぶんいろいろありますね。
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現在の主流はH16やH8ですね。
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でも、普通の人はバルブの形を見ても、どのバルブ型式かなんて分かりませんよ?
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それは大丈夫。
純正バルブ後部にも書いてありますよ。 -
後ろを見れば、自分のフォグにどのタイプのバルブが使われているかはすぐ分かるんだ。
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確認して、それに対応するLEDフォグバルブを選べばいいですね。
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H16だったら、H16タイプのLEDフォグバルブを選ぶという具合ですね。
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ちなみにH8、H11、H16は微妙にツメの形状が違って、純正バルブ同士には互換性がないんですが、社外品の場合は、H8/11/16兼用となっている場合が多いです。
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ほほぅ。
1本で3種類のフォグに付いてしまうんですね。 -
HB4などは、HB4専用のフォグLEDバルブが必要です。
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なんかどっちにしてもパッと見は似ていますが、種類が違うと。
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防水ゴム(Oリング)の形状なども、バルブタイプによって違いますよ。
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う〜ん……。
なんだか間違えて付けそうな。 -
バルブ型式が異なると、ツメの形状も違います。だから誤挿入の心配はないですよ。
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ホッ。
それを聞いて安心しました。
普通車に増えているH16型フォグバルブ
軽自動車に多いH8型フォグバルブ
バルブ後部にバルブの種類や消費電力の記載がある
IPFのLEDバルブもH8/11/16は兼用
H8/11/16とHB4のフォグバルブ比較
バルブ型式が一致していても、装着できるとは限らない
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バルブ型式が分かれば、買うべきLEDバルブの種類も判明しますね。
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そうなんですが、フォグランプの場合は、バルブ型式が合っていても装着できないケースというのはあり得ます。ココは要注意!!
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ど、どういうことですか?
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フォグランプの場合、すぐ後ろにタイヤハウスがあったりなどして、後方スペースの制限があります。軽自動車やコンパクトカーは特に狭い。
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そのためLEDバルブの後部が長いと、何かに干渉してしまって装着できないことがあるんです。
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じゃあバルブ型式は合っていても、実際にはその車種は非対応ということ?
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そういうケースがあり得る。だから最終的には、メーカーのHPなどで自分の車種に対応しているかどうかをしっかり確認する必要があります。
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そうなんだー。
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だから、IPFのLEDバルブもほとんどの車種に対応できるよう、放熱用ヒートシンクの奥行きを抑えてコンパクトに設計してあるんです。
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そういえばヘッドライト用のLEDバルブは、もっとヒートシンクが大きいですよね。
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ヘッドライト用はドライバーユニットも一体型なので、なおさらですね。
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ドライバーユニットとは、LEDに電流を流す部品のことですね。
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そうです。それがフォグランプ用のバルブは、別体型になっています。
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別体にすることで、バルブ後部を小さく設計できる。その代わり、ドライバーユニットを固定する、という手間がひとつ増えてしまいますけどね。
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まあ、干渉して装着できないことを考えたら、そのくらいの手間はなんでもないですね。
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ヘッドライト用は消費電力が大きいのでドライバーユニットも冷却ファンで冷却する必要性がありましたが、フォグは12Wなのでそこまでドライバーが熱を持たない。
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そっか。
だから分離できている。 -
そうなんですよ。だから仮に同じバルブ型式でも、ヘッドライト用のLEDバルブをフォグに流用するのはNGです。
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ん? ヘッドライトとフォグで同じバルブ型式なんてことありますか?
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ありますよ。例えばH11がそうです。でもH11ヘッドライト用LEDバルブを、H11フォグに流用するのは(装着できるけど)NGです。
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仮にやるとどうなるんだろう? ダメって言われると気になる。
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フォグランプは低い位置にあるので、特に車高を落とした車などはアンダーガードが機能せずに泥水などがかかってしまう。
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まあ、かかるでしょうね。
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そうなると、ヘッドライト用LEDバルブなどで使われている冷却ファンの作動に問題が出る可能性も否定できない。
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なるほど。同じLEDバルブでもヘッドライト用とフォグ用では、いろいろ作りが違うんですねェ。
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そうなんです。単にバルブ型式さえ合っていればいい、ということではないです。
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というわけで今回は、取り付けNGとなるパターンをいくつか紹介しました。LEDフォグバルブを買うときには注意しておきましょう。
フォグランプ後方スペースは狭いことが多い
IPFのLEDフォグバルブ
IPF・LEDフォグバルブ 6500K。H8/11/16タイプ、HB4タイプ、PSX26Wタイプがあり、それぞれに2400Kのディープイエローもある
ドライバーユニット別体にしてバルブ自体を小型化
具体的な取り付け方法はLEDフォグランプ化する方法(後編)で解説します
社外品のLEDヘッドライトバルブを選ぶときの重要な注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
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