Jラインの現行LA650Sタントを徹底解説。今後のダイハツ車カスタムの参考になる話
現行型のLA650Sタントは、ダイハツの軽自動車としては久しぶりに足回りが大きく変わった車。そして軽自動車の場合、車種が変わっても足回りの作りは同じなので、今回のJライン・デモカーのタントは、今後のダイハツの軽自動車カスタムの先行指標になりそう。
JラインのLA650Sタントが付けているパーツの詳細
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さて先日「ようやくJラインが現行タントのアクスルキットを作ったよ~」のスクープをお届けできましたが……
●レポーター:イルミちゃん
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リアアクスルキットだけで、デモカーと同じ状態になるわけではないので、今回はもう少し深掘りしていきたいと思います。
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フロントのロアアームも新作ですね。
●アドバイザー:J-LINE 氏家研究員
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ロアアームは、何のために付けているんでしょう?
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車高を低くした状態でハンドルを切ると、バンパー取り付け部のところにタイヤが当たるからです。これはスズキ車もダイハツ車も同じ。軽自動車共通の悩みですね。
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現行型のタントになって足回りは変わったけど、その悩みはあいかわらずなんだ。
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前側が当たるんですが、後ろ側にはスペース的に余裕がある。そこでロアアームを交換して、タイヤの前後位置を少し後ろに下げています。
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それによって、低車高でもハンドルが切りやすくなる……と。
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以前はタイヤが接触するバンパー取り付け部を加工して、切ったり、取り付け方を変えて当たらないようにする手法が主流でしたが……
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フムフム。
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それをやっても完全にはかわせないし、今どきは「アームで対策する」のが時代の流れですよね。
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なるほど。
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そういえば、先代のタントはフロントフェンダーが樹脂製でしたが、鉄に戻りましたね。これも良くなったポイントです。
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……てゆーか、前の型は樹脂だったのか。
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樹脂フェンダーだと分厚いツメがあって、しかも折り曲げることもできないので、切るしか無い。カスタムする上でも、鉄フェンダーのほうがいいですね。
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ちなみにJラインのデモカーは、ツメを曲げたりしているんでしょうか?
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いいえ。
ウチのデモカーはまったく無加工です。 -
それでも当たらないんだ。ここまで落としても。
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フロントのホイールサイズは16インチ・6.5J+45、タイヤサイズは165/40-16ですが、このマッチングで問題ありませんね。
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ホー。
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ただ、本格的な実走テストはこれからなので、今後多少当たるポイントが出てくる可能性はありますが。……それから、フロントはキャンバーボルトは入れてます。
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Jラインの氏家研究員が、デモカーでキャンバーボルトを入れるのは珍しい気がしますが?
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最近の軽自動車は、このタントに限らず、フロントのアッパーマウントが固定になってしまったので、車高調でキャンバー角を付けることができません。
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あー。
下で付けるしかないのか。 -
そうなんです。フロントにキャンバー角を付ける目的は、見た目ではなく、ホイールのツラをできるだけ中に入れたいからです。
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キャンバーボルトがないと、6.5Jのホイールは当たる?
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ハンドルを切ったときに当たるかも……というレベルですね。
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そういうことか。
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なお、Jラインのキャンバーボルトには鬼キャンタイプもありますが、そこまでは入れる必要はなくて、デモカーではレギュラータイプを使っています。
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見た目のキャンバー角を増やすことが目的ではないからね、この場合。
フロントにキャンバーボルトを付けるなら、リアのキャンバー角は何度?
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LA650Sタント・デモカーのリアのキャンバー角は5度。この角度は、アクスルキットを買うときに選べます。
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Jラインのアクスルキットのキャンバー角には、3度・5度・8度・10度があります。
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今は10度まであるのか……。前は8度まででしたよね。
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まあでも、10度は現実味もないので薦めません。
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イベント仕様・ショーカー向け、みたいなものですね。
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標準は3度なんですが、人気なのは圧倒的に5度ですね。それでデモカーも、5度のアクスルを付けています。
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では、キャンバー角を求めていない人は3度のアクスルでもいいですよね。
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そうなんですが、フロントにキャンバーボルトを入れる前提で考えると、リアのキャンバー角は5度くらいあるほうがバランスは取れるかな、と思います。
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リアの5度には、バランスの意味もあるんだ。
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好みの問題ではありますが、フロントよりリアに少し多めのキャンバー角が付いているのが、見た目にはバランスがよいですね。
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ナルホド。
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それで、リアのアクスルは5度・40ミリダウン・オーダーオフセット(※)調整は無しの状態です。
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リアホイールは、6.5J+35です(16インチ)。
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「Jラインアクスルを付けることで、6.5J+35が低車高に都合のいいツラウチになる」というのは、今までのJラインの軽自動車のやり方と同じですね。
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そうですね。
そこはまったく同じです。 -
タイヤハウス切り上げなどの加工はやらない範囲で、けっこう車高を低くしたい人は、今回のJライン・LA650Sタントの仕様がお手本になりそうです。
プレミア・エイト(8度/10度)カラーで塗装されているが、実際のキャンバー角は5度。
✔ Jラインパーツの注文は、J-LINE公式サイトの「CONTACT」または、TEL 022-367-7534
DIY Laboアドバイザー:氏家淳哉
リアアクスルキットで有名なJ-LINE(Jライン)。足まわり加工に長けたプロショップでもあるので、直接クルマを持ち込めば様々なワンオフ加工も依頼できる。深い知識・高い溶接技術は比類ない。●J-LINE TEL 022-367-7534 住所:宮城県多賀城市町前1-1-13
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