キャンバープレートとアクスルキット、両方付けると何が起こるか？

キャンバープレートとアクスルキットは、どちらもキャンバー角を付けるパーツ。よりキャンバー角を付けたくて、併用する人もけっこう多い。しかし、そのデメリットも知っておくべき。

• 

  キャンバープレートとアクスルキットの併用に関して、注意喚起をしておこうと思います。

  ●アドバイザー：J-LINE 氏家研究員

• 

  どちらも、キャンバー角を付けるパーツですね。

  ●レポーター：イルミちゃん

• 

  キャンバープレートは、軽自動車の世界ではあまり出てきませんが、普通車のカスタムではよく使われます。

• 

  キャンバープレートがよく使われている理由は？

• 

  「低予算でキャンバー角を付ける手段」ですから。

• 

  低予算は魅力ですね。

• 

  特に最近は、ネットで格安のキャンバープレートなどもたくさん出回っているので。

• 

  なるほど。

• 

  で、これをアクスルキット（キャンバーアクスル）と併用して付ける人がけっこう多い。

• 

  両方付けると、イイコトがあるんですか？

• 

  単純にキャンバー角が加算されます。

• 

  ほほう。

• 

  例えばJ-LINEのリアアクスルキットでは売れ筋は5度で、最大でも8度までしかありませんが……



アクスルの超定番、J-LINEリアアクスルキット

✔ 問い合わせ先:〈J-LINE〉TEL 022-367-7534╱またはお問い合わせフォームから。

• 

  ここからにさらにキャンバープレート併用で「10度になった！」「12度になった!!」……とそういう人もいます。

• 

  なるほどね！

• 

  ……ただ、やめたほうがいいです。

• 

  ムム。
  その理由は？

• 

  確かにキャンバー角は合計されるので、「キャンバー角をもっと付けたい」という目的は達成されますが、トー角がメチャクチャになります。

✔ J-LINEアクスルは、車高やキャンバー角だけでなく、トー角の補正にこだわっているパーツ。

---

※詳しくは「リアキャンバー角によるタイヤの内減りを軽減させる方法」参照。

• 

  考えてみると、J-LINEのリアアクスルキットでトー角を合わせていたとしても……

• 

  キャンバープレートを追加したら、けっきょく狂ってしまいます。

• 

  そりゃそうだ。

• 

  しかしリアのトー角がめちゃくちゃになる、という認識を持たないでやっている人が多いんですよ。

• 

  まあ、両方付ける位だから、キャンバー角しか眼中にないのかも知れませんね。

• 

  でも前から言っている通り、トー角が狂っていると、タイヤがあっという間に偏摩耗します。

• 

  リアのトー角は（狂っていても）調整できない車種が多い、という点を忘れてはいけません。



✔ 「リアのトー角は重要だが、アクスル交換時に意識する人は少ない」参照。

• 

  ちなみに、キャンバープレートを付ける際にシムを入れてトー角を補正して……といった調整手段を（キャンバープレートの）メーカーが提案していたりもしますけれど……

• 

  キャンバープレートだと、トー角の補正が全くできないわけではない？

• 

  しかし、実際のショップの現場では、タイヤを外すだけでは済まず、ハブもバラして……という作業になるわけですよ。


• 

  そこまでやらないとトー角の微調整ができないとなると、けっきょく現実的ではなくて、トー角が狂ったまま走っている人がほとんどです。

• 

  なるほど。

• 

  ましてやアクスルと併用して極端なキャンバー角を付けて、なおかつトー角もデタラメな状況だとすると……

• 

  もの凄いスピードで、リアタイヤが偏摩耗しそう。

• 

  このようなわけで、特にアクスルとの併用はオススメできません。