キャンバーボルトを付けたらホイールのツラは何ミリ内側に入るのか？

キャンバーボルトで、ホイールは何ミリ内側に入る？……この問いは、当事者には切実であることが多い。フロントホイールのサイズを攻め過ぎて「ちょっとハミ出た」「タイヤがフェンダーに当たる」場合の対策として、キャンバーボルトは有効なのか。

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  「キャンバーボルトでキャンバー角は何度つくのか？」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  「何度つくのか？」と聞かれても、明確に答えるのが難しいという話はしましたが……

  ●アドバイザー：J-LINE 氏家研究員

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  ふむ。

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  同じような質問で、キャンバーボルトを付けたら「ホイールのツラは何ミリ内側に入るのか？」もよくあります。

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  あー。
  なるほど。

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  「ホイールの倒れる角度」ではなくて、結果的に「ホイールの頂点が何ミリ内側に入るのか」という疑問ですね。

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  「何度」ではなく「何ミリ」ね。……でも、それだって、答えようがないのは同じでは？

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  そうなんですけど、聞いてくるユーザーにとっては、ここは切実な問題です。

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  と言いますと？

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  ドレスアップにおける、キャンバー角の「何度」とは、言ってみればスタイル的な問題です。



✔「キャンバー角 3度╱5度╱8度を徹底比較」参照。

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  何度の「ハ」の字がつくのか、という意味ですよね。

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  そうです。例えばリアはアクスルキットで5度のキャンバー角を付けているから、フロントにもキャンバー角を付けたい、とか。

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  ピロアッパー調整では足りないとか、ピロ調整できない車種なら、キャンバーボルトの出番ですね。

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  そうなんですけど、そもそもキャンバーボルトの需要って、「そういうことが目的ではない」人も多い。

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  ……ん？ キャンバー角以外の目的で、キャンバーボルトを付ける人なんている？

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  ようするに、フロントホイールのサイズで勝負しすぎて「ちょっとハミ出てしまった」「タイヤがフェンダーに当たる」なんていうケースです。


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  あー、そういう対処としても、キャンバーボルトは使えますね。

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  キャンバーボルトを購入する人の声を聞いていて思うのは、むしろ、そういった需要のほうが多いのではないか、ということです。

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  へぇ～。
  そうなんだ。

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  そういう人にとっては、キャンバーボルトで動くホイール頂点の量が、1ミリなのか5ミリなのか10ミリなのかは、とても重要な問題です。

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  それはそうだけど……そんなの付けてみるまで分からないのでは？

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  正確なところを求められるとそうなんですが、Jラインでは「ホイール頂点が内側に移動する目安は、レギュラータイプで7～10ミリぐらい」と答えています。

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  ホー。
  思ったより、リムを内側に入れられる。

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  ホイールのリムが5ミリ前後ハミ出てしまって、「何とかしたい」目的なら、キャンバーボルトは使えるアイテムですよ。

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  5ミリ前後の突出で悩んでいる人は多そう。

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  オフセット計算してホイールを買う以上、10ミリも20ミリもハミ出てしまうことはまずないと思うので、「5ミリ前後のハミ出しが引っ込められるなら、キャンバーボルトがほしい」という声は多いです。

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  とはいえ、「7～10ミリ入る」というJラインの回答も、「2～3度付く」と同じ。あくまでも目安に過ぎません。

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  その理由は前回の話の通りですね。

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  付け加えて、何ミリ入るのかは、ホイールのサイズ（インチ）によっても変わります。

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  む？

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  同じキャンバー角でも、サイズが大きいホイールのほうが、頂点が内側に入る量は大きくなりますよね。


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  言われてみればそうだ。

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  同じキャンバー角なら、19インチより、20インチのほうが、頂点は引っ込みます。

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  反対に軽自動車の16インチなら、それほど内側に入らないかも!?

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  そうです。
  それを示す、実測データがあります。

30アルファード（20インチホイール）の例

キャンバーボルトの種類	ホイール頂点が内側に動く量
レギュラータイプ	約 8ミリ
鬼キャンタイプ	約13ミリ

34ワゴンR（16インチホイール）の例

キャンバーボルトの種類	ホイール頂点が内側に動く量
レギュラータイプ	約 6ミリ
鬼キャンタイプ	約11ミリ

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  これはJラインのデモカーで、実際に測った数値です。

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  車種の違いもあるし、ホイールサイズの違いも影響してくるんですね。

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  それと、車高によってもキャンバー角に違いが出てくる。

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  低い車ほど、ナチュラルキャンバーでキャンバー角が付くから。

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  それもあるし、車高が低くなりすぎると逆に、フロントのキャンバー角が起きてくる車種もあります。



✔ ある一定のラインを超えた低車高になると、逆にフロントのキャンバー角が起きてくる30アルファード。

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  いろいろ考えると、確かにやってみないと分からない、としか言えなくなりますね。

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  とはいえ、「ホイール頂点が何ミリ入るのか」という問題については、「ホイールのリムとフェンダーが接近する車高」のところでこそ、重要になってくる話です。


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  なぜなら、ホイール（あるいはタイヤ）が接触するのか、かわせるのかは、この車高のところで決まりますから。

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  なるほど、なるほど。

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  ですので、Jラインが目安として「7～10ミリ入る」と言っているのも、リムとフェンダーが接近する車高での話となります。

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  さきほどの実測データも、その車高で測ったってことですね。

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  そういうことです。

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  結論として、フロントホイールの干渉やハミ出しの対策に、キャンバーボルトは有効！ と言えますね。