常時電源だけをシンプルにバッ直で取りたいときは…
バッ直で常時電源を取る方法。電源取り出しの仕組みは、「単にバッテリーのプラス・マイナスを延長する」に近いが、そのシンプルさゆえに取り扱い注意な点がある。エーモンのバッ直取り出しケーブルは、地味に安全に留意した工夫があってオススメ。
リレーのないシンプルなバッ直ケーブルでOK
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エーモンのバッ直ケーブルを使って、バッテリーから直接電源を取る方法を解説します。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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エーモンのバッ直ケーブルは種類がいくつかありますが(※)……どれを使いますか?
※「エーモンのバッ直ケーブルには種類があるが、どう違う?」参照。
●レポーター:イルミちゃん
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まずは、ごくシンプルに、バッテリーから常時電源を引っ張るパターンです。
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フムフム。
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常時電源だけなら、リレー付きの電源ケーブルは不要ですので、ここでは例として、電源取り出しコード(E341)を使ったやり方を説明します。
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10アンペア(※12V車の場合で120Wに相当する)までの常時電源であれば、このコードで対応できます。
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それ以上になったら、大容量バージョンの「大容量電源取り出しコード(1188)」を使う、ということね。
Amazonでも販売されているエーモン 電源取り出しコード(E341)
常時電源をバッ直で取る方法
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つまり、電工ペンチで端子をかしめる作業は不要です。
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それはいいですね。
ラクで。 -
丸型端子の付いた線がプラス線、クワ型端子の付いた線がマイナス線(アース線)です。
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なるほど、なるほど。
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プラス線側は、バッテリーに接続する先端部分(みどりの線)だけ分離できるようになっていますので、まずはこの線だけをバッテリープラス端子に接続しましょう。
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バッテリーのプラスターミナルのネジを外し、間に丸型端子を挟み込むようにして、ネジを締め直します。
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クワ型端子ではないから、いったんネジを完全に取らないとダメですね。
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そうですね。で、接続できたら、このみどりのコードの先は、とりあえずつながないでおきます。
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みどりコードは、ひとまず放置?
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この段階ではプラス線の途中のギボシ端子を抜いておけば、作業中のショートも防止できますので。
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最後につなげばいいんだ。
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そして黒いアースケーブルは、バッテリーのマイナス端子につなぎます。
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マイナス線に付いているのはクワ型端子です。バッテリー端子のネジを完全に外さなくても、ゆるめてすべり込ませれば、共締めできます。
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バッテリーに、プラスとマイナスを両方接続できました。
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それぞれの反対側には、このようにギボシ端子が付いています。
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あとはこの線を、電装品のメイン電源線とアース線につなげばいいのです。
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室内側に持っていきたいなら、この2本をエンジンルーム側から室内側へ引き込む、ということですね。
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配線の取り回しが終わってから、最後にプラス線を、バッテリープラス端子につないだ「みどりの線」とつなぐようにしましょう。
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ココをつながない限り電気は流れないから、作業中のショートを防止できますね。
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なお、バッテリーにつながっている配線は、プラス線とマイナス線を同時にカットするだけでショートするので注意しましょう。
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バッ直線で取り出すプラス線=常時電源線ですから、導線を車体金属に当てたりしても即ショートです。
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そういう意味では、バッ直ケーブルは取り扱い注意ですね。
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ハイ。だからこそエーモンのバッ直線には、最初からギボシ端子が付いているのです。プラス線は全体がカバーされているのがポイント。
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もしも、配線加工して端子を付け直すような場合は、必ず「みどりの線」を分離するか、アース側のクワ型端子を外しましょう。
電源取り出しコード(E341)には、あらかじめ必要な端子が全部付いています
✔ ただし、端子が付いた状態の配線は、切りっぱなしの配線よりはグロメットを通しにくい。
✔ どうしても通しにくいときは、いったん切断して、引き込んでから端子を付け直すという手もある。
これは即ショート!
✔「ショートする」の概念から学びたい人は、「電気のショートとは何か? 車いじりで起こる原因と対策」参照。
バッ直にはメリットだけでなくデメリット(リスク)もある。そのあたりはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しているので、ぜひ見てね。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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