通好みの電装カスタム
ドアミラー「自動格納」取り付け方法╱ドアロックモーター配線の取り方
ドアミラーの自動格納を後付けする方法・実践編。まずはドアロックモーター線(ロック線とアンロック線)を、ドア側で探す。ドア内張りの外し方から、順を追ってわかりやすく解説する。
ドアロックモーター線(ロック線とアンロック線)をドア側で探すには?
-
「ドアミラー〈自動格納〉取り付け方法①」の続き。前回は、必要な配線の種類を押さえました。
●レポーター:イルミちゃん
-
順番はどこからでもいいのですが、ここではまず、ロック線とアンロック線を取ります。
●アドバイザー:CEP 服部研究員
-
それなら前に、「ドアロックモーター配線(ドアロック線&アンロック線)の探し方」で教わりましたね〜。
-
そうですね。ただ、あのときは室内側で探す方法を解説したので、今回は、ドア側で探す手順を紹介しておきます。
-
そっか。
どっちでも取れる線でしたね。 -
そうなんですが、前ページで説明した通り、ミラースイッチがドア側にある場合は、ロック線やアンロック線もドア側で捕まえるほうが手間がはぶけます。
-
室内〜ドア間で、配線渡しが必要なくなる。
-
そういうことですね。
作業は、ドア内張り外しからになります。 -
ここでのモデル車はミライースです。
-
まず肘掛けのところにある、スイッチパネルを外します。
-
スイッチパネルが取れると、隠しネジが2本出てきます。
-
ドアハンドルの奥にも、ネジが1本あります。
-
ドアミラー裏付近に付いているパネルも、外しておきます。
-
あとはドア内張り全体を外すだけですね。
-
ドア内張りを外すときは、まず内張りの下側を引っ張ってフリーにしたあとで、上方向に引き上げます。
内張りはがしでこじって外す
配線のカプラーを抜く
ドア内張りが取れた
ドアロックモーター線(ロック線とアンロック線)はどこにある?
-
さて、ドア内張りは外れましたが、ドアロックモーターはどこにあるのでしょうか?
-
ここです(↓)
-
運転席のドアでいうと向かって右……つまり、リア側にあります。
-
それって、他車種でもそうなんですか?
-
そうですね。
この付近に付いているのが一般的です。 -
カプラーが見えますね。
-
ハイ。このカプラーに触れるところまで、防水ビニールをめくります。
-
ネバネバしているのは、ブチルゴムですね。服などに付着しないよう、注意しましょう。
-
ドアロックモーターにつながるカプラーは抜かなくても出来なくはありませんが、抜いたほうが作業しやすいです。
-
ここでは説明のためもあるので、いったんカプラーを抜いた状態で解説します。
-
配線に巻かれたビニールがジャマなので、少し剥きます。
-
ドアロックモーターには、5本の配線がつながっているもよう(↓)
-
この5本の中のどれかがロック線であり、アンロック線ってことですね。
-
そうですね。配線図などがない人向けに、ドアロックモーター線の探し方のコツを解説しておきます。
-
フムフム。
-
まず、配線の太さが違うんですよ。
-
え!?
そんなコツあり? -
よく見ると……この2本が太くて、この3本が細いんですけど……分かります?
-
ようするに「そこそこの電流が流れる線」と「大して電流が流れない線」がある。だから、太さが違うんです。
-
ホホウ。
-
ドアロックモーター自体を動かすための配線は、ある程度の電気が流れます。そのため、中太ぐらいの線が使われる傾向です。
-
上の写真でいうと、左の白と黄色がやや太めの中太線ですね。
-
つまり、そのどちらかがロック線で、もういっぽうがアンロック線である可能性が大です。
-
なるほど。
-
ちなみに残りの3本は「ドアロックモーターがロック状態にあるのか、アンロック状態なのかを検知するための線」と、そのアース線なんです。
-
へー。でも今回は、それらの3本は無関係なんですね。
-
ハイ。今探しているのはロック線とアンロック線であり、それらは太めの2本です。
-
しかしまだ、どっちがどっちなのかは、分からない状況であります。
ネバー
✔ 検電テスターで配線を調べるときは、つなげたままの状態で行う。
カプラーを抜いたところ
検電テスターを使ってロック線・アンロック線を探す
-
なお検電テスターで調べるときは、カプラーをつなげた状態で行います。
-
ロック、アンロックを手動で操作しながら、検電テスターの反応を見ます。
-
車をアンロックしたタイミングで12Vの電気が流れる線が、アンロック線です。テスターが反応するのは一瞬だけですね。
-
今回の例でいうと、アンロックが黄色線。
-
同様に、ロックしたタイミングで電気が流れる線が、ロック線です。
-
今回の例では、白がロック線でした〜。
-
判別できたら、ユニットから出ている灰色の線をアンロック線へ、茶色をロック線へとつなぎます。
ロック線とアンロック線は、一般的な検電テスターで探せます
カプラーはつなげた状態
検電テスターのアースを取る
✔ ドアの鉄板はアースポイントとしてはベストとは言えないので、動作が怪しいときはアースの取り方を変えよう。製品のボディアースとして使うのは、なおさら避けたほうがよい。
※理由は「アース不良とは? アース線の接触不良が起こる原因」で解説している。
✔ 片方の手で検電テスターを当ててつつ、もう片方の手で、ドアのロック・アンロックボタンを操作する。
アンロック時に反応
ピカ!
ロック時に反応
ピカ!
✔ 結線については、「エレクトロタップの正しい使い方」などを参照。
DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。配線図大好き。●コムエンタープライズ TEL 079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78