24Vを攻略する
トラックに12VのナビやオーディオをDIY取り付けする方法
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トラックに12Vのナビ・オーディオを取り付けたい! というニーズを、できるだけ低予算なDIYで叶える方法。そのままでは付かないが、24V→12Vに変換する手がある。中型トラックの整備も行うプロに、やり方を取材した。
ナビやオーディオ用の常時電源、ACC電源、イルミ電源は24V→12Vへの変換が必要
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「トラック(24V車)に12V仕様のカーナビを取り付けるには?」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
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ここからは具体的に、24Vトラックに、12V仕様のカーナビ(あるいはオーディオ)を取り付けする方法を解説していきます。
●アドバイザー:宮﨑自動車 宮﨑研究員
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この方法を使うと、12V仕様のカーナビやオーディオがトラックで使えるようになるので、選択肢が大幅に広がりますね〜。
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そうですね。今回取り付けするのも12V仕様のストラーダですが、普通はトラックには使えませんからね。
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そして取り付けモデル車は、コンクリートポンプ車です。
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モデル車にインパクトがありますが、あくまでも24Vトラック(日野デュトロ)がベース車である点では同じです。
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まず必要になるのが、社外ナビ(市販ナビ)を取り付けするための変換ハーネスです。
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純正配線のオーディオハーネスを、ギボシ端子の付いた線に変換するものですね〜。
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ハイ。24Vナビでも12Vナビでも、社外品のカーナビを付けるなら必要になります。
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これを使うことで、純正配線がギボシ端子に変換されますが……
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しかしこの段階では、電源線はすべて24Vが車両側から来ています。
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つまりこの線に直接12Vのカーナビをつなぐと、壊れてしまう。
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そうですね。そこで電源線は12Vへの変換が必要になってきます。
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え〜、おさらいですが、ナビに必要な電源というと、以下の3種類です。
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これらの電源線を12Vカーナビにつなぐために必要になるのが、デコデコ(DC/DCコンバーター)です。
カーナビ取り付けに必要な電源と、その特徴
常時電源 | メインパワーとなる主電源。本当の意味でナビの電源と言える |
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ACC電源 | ACCオンを検知してナビを起動させるための合図となる信号 |
イルミ電源 | スモールオンを検知してイルミネーションを切り替えたりする |
24Vを12Vに変換するDC/DCコンバーター(デコデコ)の選び方
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デコデコにもいろいろな種類がありますが、用意するのはDC24V→DC12Vに変換するデコデコです。
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DC24V→DC12V変換モデルにも、いろいろ種類があるんですよね?
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ハイ。まずシンプルな1系統なのか、2系統なのか、3系統なのか……といった系統数の違いがあります。
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どう選んだらいいのでしょう?
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今回のようなカーナビ取り付け用途で考えると、作業的に一番シンプルなのは、最初から3系統のデコデコを用意することです。
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それはナビに必要な電源が、3種類あるから……。
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そうですね。3系統のデコデコがあれば、常時電源、ACC電源、イルミ電源の3つをそれぞれ、24V→12V変換できます。
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なるほど。
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しかし、前回お話した通り、系統数が増えるほどデコデコの値段が高くなっていく…という問題があります。
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何か、安くあげるイイ方法があるんでしたね。
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それを説明するために、今回チョイスしたデコデコはあえて2系統です。
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なんなら、もっと安価な1系統でもいいです。
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安価な1〜2系統のデコデコでも、12Vナビの取り付けはできるよ〜ということですね。
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そうなんです。そのほか、デコデコを選ぶときの注意点としては、アンペアをどうするかという点があります。
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アンペア数にもいろいろあるんだ。
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この点でも、容量が大きくなればなるほど値段が高くなるので、必要もないのに大きいモノを買うとコストが高くつきます。
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あ〜。
なるほど。 -
いろいろな電装品をつないで使いたい予定があるなら別ですが、12Vカーナビ取り付け+α……ぐらいなら、そんなに大容量である必要はないでしょう。
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今回のチョイスは?
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15アンペアです。
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その理由は?
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ナビやオーディオの消費電流か、あるいは消費電力からアンペア数を計算して、それに合わせて選びます。
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まあ、厳密に計算しなくても、一般的に純正オーディオのヒューズは10アンペアとか15アンペアなので、ヒューズの数値に合わせて選んでおく、でもよいでしょう。
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なるほど。
それならカンタン。 -
ただ、いずれにしても容量が足りないのはダメですね。容量オーバーで運用するのは問題。デコデコのヒューズも、飛んでしまうと思います。
今回用意したデコデコ(DC/DCコンバーター)
メイン電源(常時電源)の変換のほかに、12VのACC電源出力を備える。
✔ 電装品に消費電流(アンペア)の表記がない場合は、消費電力(ワット数)から逆算できる。 例えば200Wの電装品だとすると……
200W÷24V(トラックの電圧)=8.33アンペア
トラック車内のデコデコ設置と、必要な配線コードの用意
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ちなみに今回用意したデコデコには、12Vのシガーソケットや、USB充電ポート(5V)なども付いています。
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ナビ(オーディオ)の取り付け用途以外にも、いろいろとトラック乗りに役立ちそうな機能ですね。
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そうなんですよ。こういうモデルを選んだのなら、普段から抜き差しがしやすい場所に設置しておくといいですね。
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狭いトラックの運転席では、置き場所も限られるので……足元に設置することにしました。
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話を本題に戻して……今回使うデコデコは、2系統の入出力があるタイプです。
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つまり必要な電源のうち2種類までは、コレで12Vに変換できるってことですね。
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そうですね。まずは、常時電源とACC電源の2種類を、12Vに変換することを考えましょう。
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イルミ電源は後回しですね〜。了解。
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で、今回のデコデコの場合は、シガーソケット横の端子がACC電源の出力となっているので、ここにはクワ型端子付きの延長コードを用意してつなぎました。
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ACC電源の出力ということは、ここから12VのACC電源が出てくる?
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そういうことですね。
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じゃあ、ACC電源の入力はどこにあるの?
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ACC電源の24V入力、常時電源の24V入力、および常時電源の12V出力は、すべてメインハーネスの束の中に含まれていました。
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ACC電源出力だけ、別立てになっているんだ。アクセサリー用品用みたいな感じ?
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そのあたりの作りは、使用するデコデコの種類によって変わってきますので、イロイロです。
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なるほどね。
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いずれにしても、2系統のデコデコであれば、24V入力→12V出力のセットが2セットある、ということです。
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3系統なら、3セットあるんですね〜。
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ハイ。まずはそれらのデコデコの配線(ハーネス)を、ナビ裏まで回してきます。
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まずはこのようにナビ裏に、24V入力も12V出力の線もまとめて通してしまってから、実際の接続作業に移ります。
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つまり配線作業は、ナビ裏でまとめてやります。
というわけで、デコデコは用意できました
向かって左がUSBポート、右が12Vのシガーソケット。その間のツマミが12VのACC出力。いろいろ使い分けられる。
端子カシメ(圧着作業)をやったことがない人は、「クワ型端子のかしめ方」を参照。
24V入力も12V出力も、このハーネスの中にある
足元からナビ裏へ通したデコデコの線
DIY Laboアドバイザー:宮﨑 誠
中型トラック(車両総重量8トン未満かつ最大積載量5トン未満)の整備も行う宮﨑自動車。一般整備の他、電気も得意。24Vの悩みを抱えるトラックにオススメ。●宮﨑自動車整備工場 住所:兵庫県神崎郡市川町上瀬加838 営業時間9:00〜17:00 土日祝日定休
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