東京オートサロン2019ルポ

トルクレンチの常識を覆す!? 「トルクル」とは何か？

東京オートサロンの華は、新作エアロやホイールをまとったデモカーだけではない。KTCブースで見つけたビッグニュース。工具とともにある車＆バイク業界的に、注目すべき新製品が「トルクル」だ。

東京オートサロンルポ、今日は、KTCブースに注目です

DIYラボレポーター：イルミちゃん

日本を代表する工具メーカーKTCは、DIYラボの工具アドバイザーでもある☆

DIYラボ別館：ユキマちゃん

手持ちの工具……めがねレンチをトルクレンチ化できる

今年のKTCのブースの目玉は、大きく2つあります。
ほう。
まずひとつ目は、車業界的に注目すべき新製品。トルクルです！

え～っと、トルクレンチの新製品ね。
違います！
トルクを測る工具なんでしょ？
そうだけど……トルクルは、既存の工具、つまり皆さんがふだん使っているソケットレンチやめがねレンチを、デジタル式のトルクレンチに変えるアイテムなのです。

なんと!! 手持ちのラチェットハンドルがトルクレンチになる？？？
例えばそういうことです。
でも、そんなことが可能なの？？？
だからトルクルは、ビッグニュースなのです。

スマホやタブレットにトルク値を送信。規定トルクに達したら知らせる

トルクルは、そもそも既存のKTC製品とは違うシリーズの工具なんです。
ふむふむ。
次世代工具のカテゴリーで「TRASAS（トレサス）」シリーズがあり、その中の製品のひとつがトルクル、ね。
そのトレサスシリーズっていうのは、いつものKTCの工具と何が違うの？
う～ん、ひとことで言えば、通信する工具……かな。
工具が通信するの？誰と？
トルクルは、スマホやタブレットに専用アプリ（無料）をインストールして使うの。そして工具側から、デバイスにトルク値を送信しているのよ。

締め付けトルクが、リアルタイムでタブレットに表示されるってことか。
そして、あらかじめ設定しておいた規定トルクに達すると……

画面が緑になってブルブル震える

色と音と振動で、規定トルクに達したことを教えてくれるのです。
既存の工具をトルクレンチ化するって、そういう仕掛けなのか～！
なおオーバートルクになると、警告画面が出るっていう。

ボルトの締めすぎを防げる。
トルクの測定は、工具に合体させた本体が行っているんだけど……

締め付けるボルトと同軸上で測定しているから、レンチの長さや形状が変わっても、その影響を受けずにトルク測定できている点もポイント。

工具の形状を選ばない

工具の形状は基本的には問わないので、差込角さえ合っていれば使えます。
既存の工具で使えるっていうのは、そういう理由もあるんだ～。考えたわね。

✔ 測定できるトルクの範囲の違いで、10N・m、80N・m、200N・mの3モデルがあるので、使う工具や用途に合わせて選ぶ。

※詳しくはKTC公式サイトの、トルクル解説ページ参照。

さて、既存の工具でトルクが測れるメリットは別のところにもあります。

■ トルクルを使うメリットをKTCに聞く

「使い慣れた工具でトルクが測れるのがメリットです。使っているうちに、『この位の力で締め込んだら何ニュートンなんだな』っていうのを身体が覚えていきます。
今までは、普段使う工具と、トルクを測定するときは工具を変えていましたから、普段使っている工具でのトルク感というものがなかなか身につかない。トルクルを使っていると、普段の工具使いの中でトルク感が身についてきます」。

（KTCブランド戦略部・重田氏）

確かにそうだ。トルクレンチを使っている人でも、メガネレンチを使っているときはデタラメなトルクになってしまっている人は多いはず。
トルクルを使っていると、トルク感覚が身について、腕が上がる、とも言えそうです。

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