バッテリーメンテナンスの知識
バッテリー交換時のメモリーバックアップとは?
バッテリー交換時に役に立つ、メモリーバックアップの仕組みを解説する。時計やオーディオ、カーナビなどの調整・設定をやり直す「面倒&時間のムダ」対策に有効だ。
バッテリー交換時のメモリーバックアップとは何か?
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DIY用品メーカーのエーモンが、近ごろ新展開させているのが、バッテリーメンテナンスのカテゴリー。
●レポーター:イルミちゃん
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そうなんです。たくさんのアイテムを、リニューアルしました。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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順を追ってチェックしていきますが、DIYラボ的に最も注目するアイテムがこちら(↓)
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「メモリーバックアップってなに?」という人も多いかと思いますが……
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メモリーバックアップはバッテリー交換時に、車両のメモリー情報を飛ばさないためのアイテムです。
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車のメモリーとは?
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さまざまな設定情報のことですね。時計・オーディオの調整・カーナビの設定(※)や、パワーウインドウのオート機能・ECU関連の調整設定などです。
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通常のバッテリー交換方法だと、どうしても電源が遮断される時間がありますから、その間にメモリーが消えてしまうのです。
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いろいろ調整・設定してあったものを、全部やり直さないといけない!?
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特にオーディオ関連でいろいろ設定している人などは、面倒なことになります。
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だからといって、車はず〜っとバッテリー交換しないわけにもいかないしなァ。
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そうなんです。
そこでメモリーバックアップの出番なのです。
メモリーバックアップ
(※)今どきのHDDナビやSSDナビであれば、設定情報が消えることはない。
メモリーバックアップの仕組み
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バッテリー交換中に、どうやって車両のメモリーを保護するのでしょうか?
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カンタンに言えば、メモリーバックアップの本体が簡易的なDC12V電源なのです。これが車両に電源を供給しつづけることで、メモリーを保護できます。
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ミニバッテリーみたいなものですね。
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そうですね。使うときは、中に単三アルカリ乾電池を8本入れます。
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単三アルカリ乾電池は1本が1.5Vです。それを8本使って12V電源を作っているのです。
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ナルホド〜。
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以前のモデルは、単三アルカリ乾電池6本を使用しての9Vでした。それでもメモリー保護できる車種も多いのですが……
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12Vなくても、良かったんだ。
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そうなんですが、ハイブリッド車なども含めて、幅広い車種に対応させようとすると、やはりきっちり12Vの電源が必要になります。
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そのあたりを改善させているんですね。
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新品のアルカリ単三乾電池8本で、約75時間ほどメモリー保護できるので、バッテリーを外している時間が長くなっても問題はありません。
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相当ゆっくりバッテリー交換しても大丈夫♪
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ハイ。時間に余裕はあるのですが、メモリーバックアップの問題として、途中で取れてしまったりすると、その時点でメモリーが消えてしまいます。
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確かに。
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ですので、新モデルではそのあたりを強化。ガッチリと挟み込みができる、バッテリークリップを付けています。
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歯が付いていて、タテ方向からもヨコ方向からも挟めます。さらに、噛ませたあとにロックがかけられる。
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カンタンには取れないように、いろいろ工夫があるんですね。
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注意点として、プラス側のクリップと、マイナス側のクリップをコンっと接触させたらショートしてしまいますが……
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そりゃそうですね。
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でもその場合は、中に入っている管ヒューズが切れるだけ。1アンペアの管ヒューズを入れ直せば、OKです。
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メモリーバックアップを使ったバッテリー交換方法は、「バッテリー交換方法①╱外す前にバックアップ電源をセット」で詳しく解説しています。
ガシッ
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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