社外エアサス導入ガイド（第9回╱後編）

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エアサスのメモリー機能にも方式がいろいろあるが、どれが良い？╱後編

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社外エアサスのメモリー機能は、実用性の高い人気装備。とはいえ方式の違いがあって、初心者にはわかりにくい。ここでは自分に合ったメモリー機能を選べるように、具体的なポイントを解説する。

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  「エアサスのメモリー機能にも方式がいろいろあるが、どれが良い？╱前編」の続きです。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  前回はエア圧で車高を管理する、プレッシャー方式を紹介しました。

  ●アドバイザー：ACC タイソン研究員

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  ……しかし、その車高調整は意外とアバウト、というお話でした。

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  そこで、プレッシャー制御の弱点を補う意味で、ハイトセンサー制御も加えたのが、3Hシステムなんです。



ACCの3H（スリーエイチ）システム。3Pシステムの部品に加えてハイトセンサーが加わる。

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  ハイトセンサー制御ってなんですか？

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  足回りに、センサーとリンクロッドを取り付ける方式のことです。

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  なんか本格的な感じですが……どういう仕組みなんだろ。

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  車高が落ちると、アーム類と車体の位置関係が変わりますよね。

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  アームが車体に近づきますね。

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  その動きを、リンクロッドを介してセンサーが物理的に検知して、車高を判断するのがハイトセンサー（車高センサー）です。

コレがハイトセンサー


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  純正エアサスの車高センサーを、後付けするみたいな感じかー。

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  ですね。エア圧で制御するよりも、ハイトセンサーで制御するほうが正確ですし、速く目的の車高に合わせることができます。

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  なるほどねー。じゃあ、ACCエアサスの3Pシステムより3Hのほうがイイんだ。

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  うーん。
  話はそう単純ではありませんが。

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  ……アレ？

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  ハイトセンサー制御のデメリットは、ハイトセンサーの取り付けそのものが難しい、ということです。

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  ……そういえば、後付けすると言っても、足回りのどこにどう付けるんだろう、という気がしますね。

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  そこなんです。車重がかかったときの足回りのストロークを見極めて、取り付け位置を決めないといけません。

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  付け方を間違うと車高を検知できない？

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  それどころか、間違えると、負荷がかかってセンサーのアームが折れてしまったり、といったトラブルもあり得ます

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  ウーム。
  なんだか難しそう。

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  ブラケット類を溶接機で自由に作ってしまうような、足回り加工をやるお店なら、こういうのは得意だと思いますが。

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  ……なるほどね。

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  ちなみに、一番最初に登場したメモリー機能である「eレベルシステム」は、このハイトセンサー制御のみの方式だったのです。



ACCエアサスのeレベルシステム



eレベルシステムにも、ハイトセンサーが付属する。

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  eレベルシステムは、車高調整という意味では正確。けれども、導入の敷居が高かったのです。

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  取り付けの難しさが課題だったんだ。

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  そこへ最近、プレッシャー制御のみ3Pシステムが出てきたことで、エアサスのメモリー機能を導入しやすくなった、という流れなんですね。

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  プレッシャー（エア圧）制御とハイトセンサー制御、それぞれにメリット＆デメリットがあるのは分かりました。……で、結局どっちを選んだらいいの？

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  メーカー側としては、正確なハイトセンサー方式がオススメではありますが……まあ、ハイトセンサーの取り付けができるお店が、近くにあるのが前提ですね。

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  フム。

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  ACCのエアサスで、売れているのはどちらか、と言われたら、やはり導入しやすい3P（プレッシャー制御方式）のほうです。

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  ナルホド。

売れ筋モデルはコレ



ACCエアサスの3Pシステム

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  実際のところ、アルファードをはじめ、プリウス、ムーヴ、C-HR……けっこうな車種がエア圧制御だけで、全然問題ないんですよ。

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  そういうのは車種によると？

例えばACCの最新デモカー・30アルファード後期は3Pシステム（エア圧制御のみ）ですが、それで実用上、まったく問題ないですよ



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  いっぽうで、フロントとリアでストローク量や車重が全然違う車などは、エア圧の制御だけでは難しいのかなーという面はあります。

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  つまり、プレッシャー制御でいけるかどうかは、足回り構造による……。

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  だから、「この車種はPよりHのほうがオススメですよ」という風に、ACCでも案内していたりします。

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  なるほど。

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  あるいは、ひとまず3Pシステム（プレッシャー制御）を付けて、挙動的に不満があれば、あとから3H（ハイトセンサー制御）にアップグレードする手もあります。

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  それなら、まずは取り付け難易度の低いプレッシャー制御の3Pシステムから入るのがいいかも知れませんね。

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  実際、そうする人が一番多いです。

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  いずれにしても、「車高のメモリー機能は、制御方式で使い勝手が変わる」ということはアタマに入れておきましょう〜。