ナビ取り付け

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US仕様の純正JBLオーディオを「JBL無しのRAV4」に移植？ そんなことできるの？

純正JBLが付いていないRAV4に、US仕様の純正JBLオーディオを移植したレポート。超マニアックなだけに「やりたい！」と挙手する人はいないとも思われるが、そんなのできるの？どうやるの？…という好奇心をくすぐられる人は多そう。

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  今日は〈カーデン〉が行った、トンデモ移植の話題です。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  カーデンではよく、USトヨタ車にナビの取り付けなどを行っているという話をしたことがありますが……

  ●アドバイザー：カーデン 佐伯研究員



✔「タンドラ・タコマ・シエナといったUSトヨタ車への社外ナビ取り付け事情」参照。

>>>リンク先で詳しく読む。

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  今回はそういうケースとは逆の話です。

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  逆……とは？

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  国内仕様のRAV4に、JBL付きのUS仕様のナビやスピーカーを移植したんです。

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  なんでわざわざUS仕様を移植するのでしょうか？

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  今回のオーナーの方は、外装もUS仕様がコダワリなんですよ。


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  そして国内仕様のRAV4には、純正JBLプレミアムサウンド付き車がありません。

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  US仕様にはあるんだ？

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  そうなんです。だからそれを移植することを考えたわけですね。

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  US仕様を極める一環ってことか……にしても、このパターンはだいぶ斬新。

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  そうですね。ふだんから「JBL付き車に社外ナビを取り付けたい」要望はあっても、今回のは「JBL無し車にUS純正JBLを移植したい」ってことなんで……

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  二重の意味で逆パターンなんだ。でも、移植なんてできるの？

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  相談された段階では確証がなかったので「できるかどうかは分からないけれど、長期間車を預かってもいいなら検証してみましょうか」というところから話がスタートしています。

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  ふむ。

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  で、配線図などでいろいろ違いを調べていくと、どうやら出来そうだな、という算段がついたのでやりました。

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  付けられるんだ！

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  といっても普通にポン付けできるという意味ではないですよ？ もちろん…

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  ですよねぇ。

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  純正のJBLプレミアムサウンドシステムを丸ごと移植するってことは、ディスプレイオーディオ本体だけの移植でもダメですので。

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  フムフム。

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  スピーカーとかアンプも必要になりますが、そのあたりは全てオーナーの方の持ち込みです。

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  そのへんはオーナーも分かっているわけですね。

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  まずこれがUS仕様のJBL付き車のディスプレイオーディオです。


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  国内仕様と違って左側にボリュームがあります。

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  国内仕様だと右側に付いているので違いが分かりやすい。



国内仕様のディスプレイオーディオ

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  …で、国内仕様のRAV4の純正ディスプレイオーディオを取り外したところに、US仕様のJBL付きディスプレイオーディオって付くのでしょうか？

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  それ自体はできます。背面のカプラーも車両側配線とつながるし、電源も入りますよ。バックカメラも映りましたね。

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  へー！

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  しかし、音声のボリュームが効かない状態です。マックス音量でスピーカーから音が出てしまいます。

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  なんでだ？

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  JBL仕様はアンプもセットで移植しないといけないってことですね。


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  国内純正の状態だと、純正ディスプレイオーディオ→純正スピーカーにつながっています。しかしJBLオーディオを移植すると、間にアンプが入ることになる。

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  アンプが間に入ると……

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  US仕様のJBL付きディスプレイオーディオ→JBLアンプ→JBLスピーカーというつながりに変わります。

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  配線の流れもぜんぜん違うものになりますね。

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  ということで、もともと車両に引き回されている純正配線は使えないわけですよ。

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  そうなりますね。

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  国内仕様のRAV4の配線図と、US仕様のRAV4の配線図を見比べながら、その違いを吸収するように変換ハーネス（配線）を作る必要があります。

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  すんごい手間がかかりそうな……

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  そこが大変っていう話ですね、これは。

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  まずはディスプレイオーディオ裏からJBLアンプまでの配線を作って、さらにJBLアンプからJBLの各スピーカーをつなぐ配線を作らなくては。

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  例えばこういうハーネスを作る必要があります。


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  白カプラーはJBLアンプにつながる側で、黒カプラーはディスプレイオーディオにつながる側です。

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  この長～いハーネスは佐伯研究員が作ったものなのね。

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  白カプラーにはアンプの電源線や、スピーカー出力（スピーカーにつながる）配線が通っています。


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  ということは入力側も作らないといけないってこと？

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  当然そうなりますね。車両側のスピーカー信号を拾ってJBLアンプに入れるためのハーネスも必要になります。


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  これはディスプレイオーディオにつながる側のカプラーたち。


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  カプラーはビートソニックから出ている既製品の電源取り出しハーネスなどをベースに使いながら、全て配線加工しています。

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  今回の移植をやるための変換ハーネスなんて存在しないから作るしかないんだ。

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  そうなんです。そんなの売れませんから作るメーカーもないでしょうね。

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  スピーカー類の取り付けについてですが、純正JBL付き車にはサブウーファーもあるのでそれも移植しています。


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  これはラゲッジの左側面に取り付けます。

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  こんなところにサブウーファーが付くのか。

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  そうなんですよ。純正状態だとなにもない場所です。


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  なにもないけど、付けられるスペースは空いていたのね。

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  そうなんですよ。ベースは同じだから、でしょうね。

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  じゃあ取り付け自体は車両側を加工しなくてもポン付けできるんだ。

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  しかし純正の内張りはこのような形状で……


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  このまま内張りを戻すと、サブウーファーにフタをしてしまいます。

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  では、内張りに穴を開けるの？

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  いやいや、ココもUS仕様の内張りに交換します。


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  そうすると、ちゃんとウーファー用のグリルが開いていますので。

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  そこまでセットで移植するのね～！

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  JBLアンプはラゲッジルームの右側面に取り付けスペースがあります。


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  ココにJBLアンプが付けられるんだ。

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  そうなんです。ネジ穴を活かして取り付けできます。


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  つまりサブウーファーとかアンプは、車体側を加工しなくても取り付けできる。

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  はい。取り付け穴自体は存在しているので。

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  フロントスピーカーの取り付けは？

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  JBL仕様の場合は、フロント3WAYシステムになっているので、スピーカーの数が増えます。

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  純正でフロント3WAYはさすが本格的。

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  まず純正でツイーターが付いている場所には、スコーカーが付きます。


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  中音域を鳴らすスピーカーが増えるわけですね。……そうするとツイーターはどこに付けるの？

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  JBL付き車ではツイーターはピラーに付くんです。


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  国内仕様の内張りにはツイーター用の穴もないので、ここもUS仕様の内張りごと移植しています。

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  US仕様を極めたいオーナーからすれば、見た目も変わったほうが都合がいいですね。

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  ただし、国内仕様だと助手席側ツイーター位置にはテレマティクス用のスピーカーも付いていて、それを外さないとスコーカーが取り付けできないため、テレマティクス用スピーカーは移設が必要になりました。


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  配線は延長して、ダッシュボードの左端のパネルを開けたところに移設しています。

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  あとはドアスピーカーを交換。


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  リアスピーカーもJBLを付けます。


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  たいへんな大仕事でしたが、こんな大規模な移植をしてエラーなどは出ないのでしょうか？

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  そういうトラブルはありませんでしたね。ステアリングスイッチのボリューム操作とかも問題なくできたし。

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  へー。そうなんですね。

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  ただしUSのディスプレイオーディオなので、TVやラジオは入りません。スマホナビしか使えない状態になるのは仕方ありません。

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  ……そういえば、そういうことになりますね。USのナビなんだから。

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  ただ、オーナーの方はそれは覚悟の上で「US仕様にしたいから、純正JBLオーディオを移植したい」という要望でしたので。

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  そんな人、世の中に他にいるのだろうか？

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  ……ほぼいないと思われます。

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  でもとりあえずUS仕様のディスプレイオーディオを移植することが可能なのは分かりました。