板金塗装をもっと身近に

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ハーフレッドテール塗装をするなら、塗り分け境界の段差を抑えたい

純正ではクリアテールだったが、部分的にレッドテール塗装。「ハーフレッドテール」にした例（↑）。引き締まって精悍な印象の塗り分けだ。しかし塗り分けは「段差」がネック。ハーフレッドテール塗装でどうしても生じる段差は、どうすれば抑えられるのか。

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  「レッドテール塗装のやり方も進化している」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  今日は、レッドテール塗装するときの段差についてお話したいと思います。

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

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  段差……？
  なんだかまた、マニアックな話題になりそう。

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  今回のレッドテール塗装例であるレクサスHSは、もともとの純正状態だと全体が透明のクリアテール（↓）です。



ほんだ塗装に、塗装依頼で送られてきたテールランプ。マスキングの境界線を検討中。

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  赤いのはリフレクター（反射板）の部分だけ、という状態ですね。

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  このクリアテールを、塗装でレッドテールにしたい。

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  そうなんですけど、全面的に赤に塗装するのではなくて「元のクリアレンズを残しつつ、部分的にレッドテールにしたい」がオーナーさんの要望でした。

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  ホホウ。

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  レクサスHSは後期テールになるとハーフレッドテール（レッド╱クリア）になるので、後期風に塗装したい、というのが狙いなんですよ。

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  なるほど、そういう意図があったんだ。

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  となると、クリアレンズを残す部分は、マスキングすることになります。



加えて、バックランプ部もマスキングする。

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  これで、残ったところを例の46Vカラークリアで塗装すればいいんですね。

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  通常だとそういう塗り方になると思いますが、それだと、まあまあ、そこそこ、段差が生まれてしまいます。

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  ムムム。

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  以前に、塗り分け塗装の解説をしたときに「段差を抑えたいなら、クリアを吹かないマットカラーがオススメ」という話をしたことがありましたよね。



✔「塗り分け塗装の段差を、小さくしたいなら…」参照。

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  しかし、レッドテール塗装の場合は、カラークリア（赤）のあとに、仕上げのクリアも吹きますから、段差はそれなりに厚くなってきます。

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  そっか。

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  仮に、ちょっと大げさな数値で説明すると、赤の塗膜が1ミリ、クリアの塗膜が1ミリだとしたら、合計で2ミリ厚ですよね。

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  フムフム。

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  だとすると、何も塗装しないクリアレンズとの境界線には2ミリの段差ができてしまう。

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  ……そうだけど、ハーフレッドテールに塗装するとしたら、どうにもならない話では？

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  いや。段差をなくすのは無理でも、劇的に減らす塗装方法なら、あるんです。

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  ほう！

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  具体的にどういう塗り方をするのでしょうか？

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  まず、テールランプのレンズ全体を足付けします。


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  ？？？ なんでクリアを残す部分まで、わざわざ傷を付けるの？

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  そのうえで、クリアを残す部分はマスキングし、赤（カラークリア）を塗装するという点は同じですが……


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  半乾きの状態でマスキングを剥がすんです。


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  ええッ!?

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  そして、クリア塗装はテールレンズ全体に対してかけるんです。

この状態で仕上げのクリアを吹く


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  そうか。
  クリアレンズのところも、クリア塗装するんだ！

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  この塗装方法なら、境界線の段差は「赤の分」だけになります。

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  さっきの例でいうと、段差は2ミリではなく「1ミリ」になる。

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  しかも、上からクリアで押さえることでなだらかになるので、1ミリ未満まで減りますよ。

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  なーるほど！

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  そのほうがさらに、見た目が純正っぽく仕上がりますよね。

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  ただ、生乾きでマスキング剥がすとか、ちょっと高等テクニックが出てきますね。

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  まあ、失敗したら恐い塗り方ではあります。しかし、赤が完全に乾いてしまったらクリアが密着しないので、途中で勝負するしかない。

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  ……DIYで挑戦するとしたら恐いなー。

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  考えられるリスクは、マスキングテープの粘着が強すぎて、赤を塗ったあと、さあマスキングを剥がそうという場面で、キレイに剥がれず粘着が残ってしまうとか……。

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  まずい。クリアに行くどころではない!! そうなったら、どうすればいいの？

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  シリコンオフみたいな溶剤を使って、粘着を剥がす。でもそうなると、塗ってあるほうを拭いてしまったら取れちゃうし、境界線をキレイにするのも難しいはずです。

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  あー……。これはプロに任せたほうがいいやつだな、うんうん。