車のヒューズの種類。平型、ミニ平型、低背の違い
車のヒューズが切れたら、新しいヒューズに交換すればよい。しかし車のヒューズには、いくつかの種類がある。平型、ミニ平型、低背のどれかであることがほとんどだが、初心者にとって、謎な感じの専門用語。わかってしまうと難しくないので、ここで覚えてしまおう。
車のヒューズには種類がある
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前回は「切れたヒューズの特定方法」について、解説しました。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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ではさっそく、新しいヒューズを買いに行こっと♪
●レポーター:イルミちゃん
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車両側ヒューズボックスのヒューズは、平型(ひらがた)、ミニ平型、低背(ていはい)のどれかであることがほとんどです。
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な、なんの話をしているんですか?
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ヒューズ形状の種類です。1種類じゃないんですよ。
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カンタンに違いを説明しますと、昔の車によく使われていたのが平型(ひらがた)です。
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一番サイズが大きいタイプですね。
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そうです。しかし最近の国産車では、ヒューズも小型化の傾向なので、「平型ヒューズ」はほとんど使われなくなりました。輸入車ではまだまだ多いですけどね。
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へー。
こんな小さなモノまで、小型化トレンドなのか。 -
で、平型ヒューズをそのまま小さくしたような形状なのが、ミニ平型です。
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ミニ平型は、最近の車でもそこそこ登場頻度があります。でも一番多いのは、もっとコンパクトな低背(ていはい)ですね。
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このほか、新型車の一部では新規格のヒューズも登場していますが、まだほんのごく一部の車種に限られます。
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いずれにしても、自分の車のヒューズを外してみれば、どのタイプかは分かりますね。
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そういうことですね。
見た目で分かります。 -
あれ? でも前回の話に出てきた、プラグのヒューズが切れた場合のヒューズ(↓)は形が違うような?
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プラグ内に関しては、ガラス管タイプのヒューズが使われていたりします。
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ガラス管タイプは、プラグ内部のほかに、後付けのヒューズホルダーなどでよく使われているんです。
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純正ヒューズというよりは、後付け製品用のヒューズみたいな感じですね。
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これも、大きさの違いがあります。
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このように自動車で使われるヒューズにも、いろいろな形があるのです。
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でも、ようは、切れたのと同じタイプのヒューズを買ってくればいいだけだ。
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いや、買いに行くのは、もうちょっと待ってください。講習はまだ終わっていませんよ〜。
平型(ひらがた)ヒューズ
Amazonでも販売されているエーモン 平型ヒューズ 購入時はアンペアを間違えないように注意!
ミニ平型(ミニひらがた)ヒューズ
詳細はAmazonのエーモン ミニ平型ヒューズ参照。購入時はアンペアを間違えないように注意!
低背(ていはい)ヒューズ
詳細はAmazonのエーモン 低背ヒューズ参照。購入時はアンペアを間違えないように注意!
ガラス管タイプのヒューズ
エーモンの ガラス管ヒューズのラインナップ参照。
管ヒューズ
詳細はAmazonのエーモン 管ヒューズ参照。購入時はアンペアを間違えないように注意!
ミニ管ヒューズ
詳細はAmazonのエーモン ミニ管ヒューズ参照。購入時はアンペアを間違えないように注意!
ヒューズ交換時の注意点
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ヒューズを買う時に一番重要な注意点は、「ヒューズ形状」だけでなく「ヒューズのアンペア数」も合わせることです。
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アンペアとは、電流量のことですね。
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ハイ。ヒューズのアタマの部分に数字で書いてあります。
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例えば10A(10アンペア)のヒューズが飛んで、それを交換するには、同じ10Aのヒューズを入れないとダメです。
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う〜ん。
ちょっと待てよ……? -
いやいや。
そこに考える余地はないですよ? -
でも……10アンペアで切れて(飛んで)しまったんでしょう?
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……。
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てことは、15アンペアにアップしておけばもう飛ばないのでは?
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勝手にアップしないでください。その考え方は大間違いです。そもそもヒューズの役割を完全に無視した、暴挙に等しい。
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ええ〜!?
そこまで言わなくても……。 -
考えてもみてください。そこに「10アンペアのヒューズが入っていた」、ということは、10アンペアを超えた電気が流れると都合が悪いからです。
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都合が悪いって、例えば?
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それ以上の電気が流れると、その先につながっている純正機器が壊れてしまったり……
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ウッ。
それ、高くつきそうです。 -
配線にも負担がかかって発熱したりとか……危ないですよ。
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あわわ。
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ヒューズが飛ぶというのは、そういう事態を避けるための「保護の意味合い」なんですから。
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そっか。ヒューズクンが犠牲になることで車が守られているのか。
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そうなんですね。それなのに、勝手にアンペア数を上げるというのは、「車の装備や配線を危険にさらす」のと同じですので絶対にやってはいけません。
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い……イヤだなぁ。知ってて言ってみただけじゃないですかぁ。
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……ならいいのですが。そんなわけで、同じヒューズタイプでもアンペア数がたくさん用意されています。
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こんなにあるのかぁ〜。
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まあでも、同形状・同アンペアのヒューズはひとつだけであり、それを選べばいいだけのことです。
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そっか。
迷う話ではないんですね。 -
余談ですが、実際には車でよく使われるアンペア数があって、定番は決まっています。
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定番って?
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車のヒューズは、だいたい10・15・20アンペアが多い。まあ、最近の車だと7.5アンペアなども増えてきていて、たま〜に5アンペアとかもありますけど。
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なるほどね〜。ヒューズにも自動車業界のトレンドみたいのがあるっていうのは、面白いですね〜。
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そうなんですよ。
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では、中塚研究員のウンチクはさておき、今度こそ、同形状・同アンペアのヒューズを買ってこよっと♪
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ちょっと待ってください。
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ええッ……。
まだ何かあるの? -
ヒューズ交換って、「切れたら交換すればいい」っていう単純な話ではないんですよね。
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……何言っているのか、意味が分からないんですケド? 切れたら交換するのみ、でしょ?
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フッ……。まだヒューズ交換の奥深さがわかっていないようですね
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……というわけで、「車のヒューズが切れる原因と、再発防止策」に続く。
この数字が、アンペア数。
エーモンの 低背ヒューズ・アンペア数のラインナップ参照。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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