防水エレクトロタップの正しい付け方・使い方
エレクトロタップは昔からあるパーツだが、防水エレクトロタップ(防水配線コネクター)は比較的に新しめのアイテム。それだけに取り扱い方は、まだまだ周知されていない。ここで防水エレクトロタップの正しい付け方・使い方を覚えておこう。
適合する配線の太さ(スケア)に注意!
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防水エレクトロタップ(エーモン製品名は「防水配線コネクター」)の正しい使い方を教わります。
●レポーター:イルミちゃん
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通常のエレクトロタップと違って、電源線と分岐線、それぞれ適合する配線コードの太さが異なっています。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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0.6〜1スケアの電源線(純正配線など)に対して使える、ということですね。
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そうです。そして、分岐線(延長コードなど)用としては、0.1〜0.5スケアの範囲で配線コードを用意します。
Amazonでも販売されているエーモン 防水配線コネクター(3349)
適合するコードの太さ(スケア)
配線の種類については、「スケア(配線コードの太さ)の選び方」参照。
防水エレクトロタップの使い方(付け方)
使用する工具はプライヤー
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まずは必要な工具。
プライヤーを用意します。 -
エレクトロタップは、ラジオペンチで圧着している人も多いのですが……
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ラジオペンチは先端が細いので、面に対して均一な力がかかりません。接触不良の原因になります。
写真はエーモン製のプライヤー。Amazonでも販売されているよく使うクルマの配線工具セット(2842)に同梱されているもの。
分岐線を付ける
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分岐線用の穴に、用意した配線コードを差し込みます(↓)
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この配線コードは、0.1〜0.5スケアの太さでないといけませんよ〜。
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そしてプライヤーでフタを閉じて圧着します。
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このとき、ごく小さな音ですがパチっとなります。そうするとツメが引っかかって、ロックされます。
パチ!
電源線(純正配線)にかませる
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次は、純正配線にかませる時、です。
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電源線を入れる側には、溝(ミゾ)があります。
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このミゾに配線をハメ込みます。きちんとハマっていないと、フタを閉じることができません。
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ミゾに適合している配線は、0.6〜1スケアの範囲。つまり細線に対して使うと、接触不良を起こします。
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閉じるときも、プライヤーでパチンと。
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これで、純正配線から電源を取り出せたことになります(↓)
細線(0.2スケア)の場合は、使うコネクターが別!
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使い方そのものはカンタンですが、注意すべきはやはり、配線コードの太さですね。
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電源線(純正配線)側が、細線だった場合には、この「防水エレクトロタップ(防水配線コネクター)」は使用不可です。
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普通のエレクトロタップの場合は、細線用の「白」がありましたが……
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これに相当する防水エレクトロタップはないの?
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それが、防水ワンタッチコネクター(割り込み分岐用)ということになります。
防水ワンタッチコネクター(割り込み分岐用)の使い方
防水エレクトロタップとの違い
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防水ワンタッチコネクターは、逆に細線専用(0.2スケアのみ対応)となっています。
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このコネクターを使うときは、純正配線も細線で、取り出しコードも細線、ということですね。
詳細はAmazonのエーモン 防水ワンタッチコネクター 割り込み分岐用(2894)
つまり分岐用の配線も0.2スケアを用意
分岐用の配線を入れる
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まず用意した分岐用の配線コードを、分岐線用の穴に差し込みます。※ストッパーが付いている側
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ポイントは配線の被覆をむかずに、奥まで配線を入れること。途中で引っかかったから、そこでOK……と勘違いしないように注意です。
純正配線を横からかませる
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そして電源線(純正配線)を、コネクターの横側からはさみこむようにセットします。
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配線が一回入ると、歯のような出っ張りでロックされる仕組みです。
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圧着する前に、配線が抜けたりしないようになっているんですね。
プライヤーで圧着する
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分岐線を入れ、電源線を挟み込んだ状態で、プライヤーで圧着します。
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1本ずつ固定するのではなく、2本の配線を入れた状態でまとめて圧着する方式ですね。
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そうですね。中に防湿ジェルが入っているので、ブチュっとハミ出てくることがありますが、それで正常です。
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これで細線からの電源取り出しが完了です。
配線分岐にエレクトロタップを使うときは「選び方」に注意! これを間違うと「接触不良」が起こる。DIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しているので、ぜひ見てね。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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