防水ギボシ端子の正しいかしめ方(付け方)
![防水ギボシ端子](../images/basic-79-01.jpg)
防水ギボシ端子の付け方は、普通のギボシ端子とは微妙に違う。工具は電工ペンチが必須なこと・ツメを配線にかける位置・2段階のかしめ方などは普通のギボシ端子と同様だが、防水特性ゆえのポイントがある。注意すべきは、パツパツのスリーブの扱い方。ここを押さえておかないと、正しく付けることができない。
工具は電工ペンチが必須となる
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今日は、新型の防水ギボシ端子のかしめ方(付け方)を解説していきます。
●レポーター:イルミちゃん
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工具としては、通常のギボシ端子と同じように電工ペンチを使います。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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ギボシ端子のツメのかしめ作業は、電工ペンチ必須。ないとできませんよ〜。
定番の電工ペンチ
![エーモン 電工ペンチ(1452)](../images/basic-22-01.jpg)
ここで使用しているのは、【Amazon.co.jp限定】エーモン 電工ペンチ(1452)
エーモンの防水ギボシ端子
![防水ギボシ端子](../images/basic-79-02.jpg)
Amazonでも販売されているエーモン 防水ギボシ端子セット(3343) 0.5〜0.85スケアの配線コードに適合。
防水ギボシ端子メスを付ける
配線にスリーブを通しておく
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防水ギボシ端子は、スリーブがパツパツです。なので、先に配線コードの被覆を剥いてしまうと、引っかかったりして通しにくくなります。
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芯線が出ていない状態で、スリーブを通すのがポイントです。
先に芯線をムキ出しにしていると…
![芯線を先に剥いている状態](../images/basic-79-03.jpg)
密着性が高いのでひっかかる
![芯線がスリーブを通らない](../images/basic-79-04.jpg)
いったんカット
![配線の銅線をカットしている](../images/basic-79-05.jpg)
これなら通せる
![スリーブを配線に通せた](../images/basic-79-06.jpg)
配線の被覆をむく
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今回は0.5スケアの配線コードを使っているので、電工ペンチのワイヤーストリッパー「0.5sq」の穴を使って、被覆をむきます。
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芯線をムキ出しにしたら、指先でよじっておきます。
![配線の被覆剥き作業](../images/basic-79-07.jpg)
5ミリ程度むけばOK
![配線の被覆を剥き終わった状態](../images/basic-79-08.jpg)
こんな感じでOK!
![配線の銅線をよじった](../images/basic-79-09.jpg)
端子の位置に注意!
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ギボシ端子を付けるときは、2箇所あるツメの位置に注意です。
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真ん中のツメが芯線に、根元側のツメが被覆にかかるようにセットします。
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両方とも芯線にかかっていたりすると、引っ張ったときにちぎれてしまいますよ〜。
正しい位置関係
![防水ギボシ端子のかしめ位置](../images/basic-79-10.jpg)
防水ギボシ端子のツメをかしめる
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芯線(銅線)にかけたツメから圧着します。
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まずは電工ペンチのハート形の穴の、「1.25-2.0」穴を使って1発目の圧着。
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その後、1段階小さい「0.5-0.75」穴に移って、さらに圧着。この2段階かしめがポイントです。
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こうすると、ツメがキレイなハート形に折り込まれて、芯線に食い込む(↓)
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次に配線の被覆にかけたツメを圧着します。
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ここはさっきよりツメが大きいので、まずは「3.0」の穴で、ある程度ツメをつぶします。
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その後、1段階小さい「1.25-2.0」穴でぐ〜っと圧着します(↓)
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こういう状態(↓)になればOKです。
![銅線にかけたツメの圧着作業 軽く圧着](../images/basic-79-11.jpg)
![銅線にかけたツメの圧着作業 強く圧着](../images/basic-79-12.jpg)
![銅線に防水ギボシ端子のツメが食い込んだ](../images/basic-79-13.jpg)
![被覆にかけたツメの圧着作業 軽く圧着](../images/basic-79-14.jpg)
![被覆にかけたツメの圧着作業 強く圧着](../images/basic-79-15.jpg)
![防水ギボシ端子が圧着できた状態](../images/basic-79-16.jpg)
スリーブを引き上げる
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端子のかしめが終わったら、先に通しておいたスリーブを引き上げます。
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普通のギボシ端子のスリーブより、キツめですよ。
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このとき、ギボシ端子メスの先端が、スリーブのラインと一致するところまでスリーブを引き上げます(↓)
![スリーブの引き上げ](../images/basic-79-17.jpg)
![スリーブの正しい位置](../images/basic-79-18.jpg)
防水ギボシ端子オスを付ける
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オス端子はスリーブの形状が異なります。
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端子のかしめ方そのものは、メス端子と同じですね。
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注意点として、防水ギボシ端子オスのスリーブには上下向きがあります。先端方向から見ると、口の半分が閉じているんですが……
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スリーブが塞がっている側に、ギボシ端子のかしめたツメが来るようにセットします。そうすることで、端子の前端方向からも水が入らないように隙間を塞ぎます。
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スリーブに、上下の向きがある点には注意が必要ですね〜。
![防水ギボシ端子オスのスリーブ形状](../images/basic-79-19.jpg)
![ギボシ端子オスをかしめた](../images/basic-79-20.jpg)
スリーブの穴はまん丸ではなく半月形
![防水ギボシ端子オス用スリーブの正しい向き](../images/basic-79-21.jpg)
スリーブの前端に注目。この写真では上側が塞がって、下側が半月形に開いている。
この位置でピタっと収まる!
![スリーブを装着できたところ](../images/basic-79-22.jpg)
横から見ると、スリーブ下側はナナメにラインが上がっていて、密着させる形状になっている。
つなぐ時の注意点
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しっかり差し込まないと、隙間ができて防水にならないので注意しましょう。
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こんな状態(↓)だと、隙間があるのでNGです。
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そもそもギボシ端子のオスメスは、ロックがかかるポイントがあります。
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しかし、外からは防水スリーブで見えにくい。ココは注意が必要です!
![オス端子とメス端子の接続](../images/basic-79-23.jpg)
![隙間があるダメな例](../images/basic-79-24.jpg)
スリーブ同士がかぶっているようで、あと数ミリ押し込める状態。オス端子側のお団子が、メス端子の前端まで届いていない。
この位置関係までさすのが正解
![ギボシ端子の正しい結合位置](../images/basic-79-25.jpg)
上の位置まで来ると、メス端子側のツメが、オス端子の凹みにはまってロックされる仕組み。
こういうこと!
![しっかりと結合できたギボシ端子](../images/basic-79-26.jpg)
ガシッ
防水ギボシ端子の抜き方
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防水ギボシ端子はメスのスリーブが大きいので、抜くときは写真(↓)の位置をつかんで引っ張ります。
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オス端子側はお団子のような部分を掴み、メス端子側は、太い胴体部分ではなく、その後ろを持って引っ張ります。
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ほー。
そんなコツがあったのか。 -
メス端子の太くなっている胴体部分を掴んでしまうと、噛み合っている部分を押さえるような格好になるので抜けないのです。
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それ、ギボシ端子では意外とやりがちな事かも。
![防水ギボシ端子を抜くときの持ち方](../images/basic-79-27.jpg)
配線コードを選ぶときは「太さ」を間違えるとリスクが生じる、という話については、DIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しています。配線コードの選び方のおさらいにも最適。
![エーモン工業 中塚雅彦](../images/adv-nakatsuka.jpg)
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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