DIYデッドニング特集╱連載【第2回】

効果の出るDIYデッドニング方法【前編】

アウター鉄板の制振つづき

アウター用制振シートを貼る

アウター用の制振シートは、キットに2枚入っている黒いほうのシートです。

アウター用の制振シート

これはさっき切り出したインナー用とは素材が違う？
そうですね。こちらは貼りにくい場所なので、作業性も考えて樹脂製になっています。
サービスホールから手を入れて奥の鉄板に貼るんですもんね。いかにも貼りにくそうです。

まずは制振シートを奥の空間へ入れる

ここで問題になるのがインパクトビームの部分をどう処理するか。
インパクトビームとはドア内部の柱のことですね。
これを避けるように平面部にだけ制振シートを貼る、という考え方もあるんですが、インパクトビーム自体の共振を防ぐという意味ではガッチリ押さえたほうがいいです。
ほほー、なるほど。
圧着が中途半端になるのはダメですが、しっかり圧着する前提でインパクトビームを押さえるのがオススメ。

今回はインパクトビームも押さえる方式

あれ？そのまま大きいシート1枚のままでバーンって貼るんですね？てっきり切って分けるのかと……
貼りにくければ切って分けて貼ってもいいんですが、理想はこのように1枚貼りすることです。
ほほう？
手抜きしてるわけじゃないんだ……
制振シート自体につなぎ目を作らないほうが、強度的には有利ですからね。僕、手抜きするタイプじゃないんで。
そういうことかー。
ちなみに制振性能という観点で見ると、アウター鉄板の全体の面積の1/3〜1/4程度が貼れていればいいんですけど、貼る場所の問題というのもあります。
確かに、どこに貼るか迷いそう。
基本的にはスピーカー背面を中心としたあたりに貼るのがいいですね。

位置を決めたら剥離紙を剥がして…

1枚モノで貼り付ける

スピーカー裏に1枚貼りできました～。

制振シートを圧着させる

そしてここからが重要です。制振シートは貼るだけではダメ。

キット付属のヘラ登場

このヘラでしっかりと制振シートを圧着させるのがポイントです。
今回はインパクトビームにかけた貼り方をしているから、貼っただけではなおさら隙間がありますしね。
そうなんです。丸いインパクトビームに対して上下からしっかり押し込んで圧着するのは、作業的にはやりにくいですけど、しっかり圧着できないと剥がれる可能性も出てきます。
インパクトビームにまで貼るからには、そのデメリットはつぶしたいところ。

上側からグリグリ圧着

柱の形に沿わせておいて…

下からもグリグリ圧着！

さすが職人技！これならインパクトビーム自体の共振も防げますね。
この他の注意点としては、車種によってはドアパネルを留めているピンがあって、そこに制振シートがかかってしまう場合があります。

こんなケースがあり得る！

こういう場所は密着してないわけですから、放置すると剥がれのきっかけになってしまう。カッターなどで切り込んでかわします。

切り込みを入れる

う〜む、職人の仕事は隙がないな〜。

アウター鉄板の制振がガッチリ完了！

この時点でアウターの鉄板が強化されてますから、ドアをコンコン叩くと鈍い音に変わったのが分かるはず。
この続きは「デッドニングをDIYで正しく行う方法後編」で公開しています。

DIY Laboアドバイザー：藤原弘賀
セントラルの藤原さんはもともとDIYユーザー出身。その当時から音圧コンテストに出ていたので、DIYでウーハーボックスなども製作していた。自分でやらないと満足しないタイプ。そういうDIYに対する思いがデッドニングキットにも込められている。●セントラル http://central-ap.com/