DIYデッドニング特集╱連載【第4回】
DIYでできる車の静音化。ボディデッドニング入門
デッドニングというと、まずイメージされるのはドアデッドニング。スピーカーから出る音の低域を豊かにするのが目的なら、ドアからやるのが効果的だ。しかし「車の静音化」が目的ならば、ドア以外にもやるべきポイントはいろいろある。
デッドニングはドアだけではなくボディにも効く
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デッドニング連載の前編では、「ドアデッドニングをDIYで行う方法」を教わりましたが……
●レポーター:イルミちゃん
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今日はボディデッドニングを紹介します。
●アドバイザー:セントラル 藤原研究員
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ボディ? デッドニングって、ドアに施工するものとばかり思っていました。
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ドアデッドニングの目的は、主にドアスピーカーから出る音を良くするため(特に低域)のもの。対してボディデッドニングの目的は、車の静音化です。
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なるほどォ。で、ボディといっても広いですが、どこに施工する気ですか?
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例えば雨が降ると天井がうるさい! という車であれば、天井裏に施工すると抜群に車内が静かになります。
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へえ〜!
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フェンダー周り(タイヤハウス)など、タイヤに近い場所に施工することで、ロードノイズを低減できたりとか……
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フムフム。
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リアハッチに施工するのも、静音化につながりますよ。ハッチを閉めたときの音も変わります。ボン! って。
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音に高級感が出そう。
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というわけで施工できる場所はいろいろある。そこでボディデッドニングキットには、小さい5センチ角のポイント制振材が50枚入っています。
>>>使用アイテム
CENTRAL
ボディデッドニングキット
フロア、ボディ、天井、荷室、フェンダーなどの制振。ハーネス、内張りなどの干渉部分の吸音防音に使うデッドニングキット。約5cm×5cm 制振シート50枚、約24cm×約40cm 厚さ約1cm 吸音スポンジ1枚入り。amazonで購入可能。セントラルの公式サイトでも購入できる。
●セントラルオートパーツジャパン
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制振シートが50枚も入っているんですか!
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天井デッドニングができるだけの量……となると、車種によってはそのくらい必要なので。
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黒い大きいシートも入っていますね。
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それは吸音シート。間にブチルが入っていて、「制振」と「吸音」の効果があります。
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吸音シートのほうは、どこに使うものなんですか?
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例えば内張り内部に配線が通っているような場所。カタカタ音が発生したりしますが、そういう音の原因である干渉を防止するんです。
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ふーん。
どうやるのか今ひとつイメージできませんが。 -
ドアデッドニングよりもカンタンなので、やってみましょう!
ボディデッドニング用の制振材
吸音シート
ボディデッドニングのやり方
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今回は手軽にできる、荷室の静音化に挑戦。
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ボディデッドニングは、鉄板を叩いたときに軽い音がする場所に制振材を貼ると、低く鈍い音に変わります。
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カンカンが、ゴンゴンになる?
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そうですね。
それだけ室内の静粛性が上がるってことです。 -
ほほう。
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だからまず、軽い音がする場所を叩いてさぐります。
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なにやら鉄板の音が軽い場所を発見しました!
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そうしたら、そこに何枚か制振材を貼ります。ただし、貼る前にまず脱脂しましょう。
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脱脂後、制振材を貼ります。
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びっしり敷き詰めなくてもいいんですね。
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貼れば貼っただけ効果はありますが、少し間隔を開けながら貼っても十分な効果が得られます。
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なるほど。こういう狭い場所にも貼れるように、制振材が小さく切ってあるのか。
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さらに制振材をヘラで圧着して、ボディに一体化させましょう。
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ハイ!
これでおしまいです。 -
これはカンタン!
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これでも荷室から響いていたビビリ音が減って、車内の静粛性がアップします。
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このキットの制振材は50枚もあるから、この調子で鉄板のヤワいところを強化していけばいいんですね〜!
カンカンカン
脱脂して油分や汚れを取る
ペタリ、ペタリ
グリグリグリ
荷室のデッドニング完了
カタカタ音をなくして車内の静音化
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次はこの吸音シートの使い方ですが……
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こっちは特に天井、ピラーが狙い目ですね。
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ピラーの内張りを外してみて、内部の配線が接触するような場所にクッションとして貼ります。
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こういう配線が当たって、カタカタ音が出ていたりするのか。
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そうなんですよね。
でもその接触箇所をなくせば、音も消えます。 -
今回は鉄板と配線の間に貼りましたが、内張りと配線が当たっている状況なら、上から配線を押さえ込むのも効果的です。
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ようは遊びをなくして、接触しないようにすればいいんですね。
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そうです。
荷室の車載工具の置いてあるスペースに、クッション代わりに施工したりするのも有効ですよ。 -
なるほど〜。皆さんも愛車の騒音源を探り出して、つぶしていきましょう!
吸音シートは切り出して使う
貼り方の例
これだけで作業は完了!
DIY Laboアドバイザー:藤原弘賀
セントラルの藤原さんはもともとDIYユーザー出身。その当時から音圧コンテストに出ていたので、DIYでウーハーボックスなども製作していた。自分でやらないと満足しないタイプ。そういうDIYに対する思いがデッドニングキットにも込められている。●セントラル http://central-ap.com/
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