アクリル面発光もいいけど「アクリル点発光」も味がある

アクリルとLEDといえば面発光。LEDの粒感を出さず、キレイに面発光させる技が、昨今の加工者のこだわりの定番だったが、逆に敢えての「アクリル点発光」に着目。何もかも面発光にするより、点発光がハマる例もあるもよう。

アクリルを使いながらも、あえて「点発光」っぽい光ムラを残す意味

「アクリル面発光」はLEDの粒々感を出さずに、アクリルの形に「面発光」させる技のことですが……
●レポーター：イルミちゃん

アクリル面発光

✔「アクリル板をDIYでブラスト加工風に処理して光らせる方法」参照。

最近の球屋では、アクリルを使いながらも、あえて「点発光」させているケースがちょくちょく見受けられます……最近の例だと、50プリウス後期のシフトイルミ。

詳細は球屋の50プリウス後期シフトイルミ参照。

純正でもオプションで光るのがありますが、純正オプションの場合は「シフトノブとセットで交換する形式」なので高価なんですよ。
●アドバイザー：球屋森田研究員
球屋のは、あくまでもシフトノブはそのままで、根元のところを加工しているんですね。
でも切ったり貼ったりはしないで、アクリルを入れることができています。
へー！
純正部品を切らずに、アクリルと、LEDを仕込んで、シフトノブ根元を光らせている、という技です。

この方法なら、シフトノブは純正のままだし、1万円台（※）で加工できます。

※ 光らせ方を「イルミ連動」にするか、「イルミ減光回路」まで組むのかで工賃が変わる。

リング状のアクリルの4点に光源を仕込んであって、あえて完全な面発光にはせず、若干「点発光」感があって、ムラのある感じに光らせています。
……そこですよ、森田研究員。
ん？
せっかくリング状のアクリルを仕込んでいるんだから……この光ムラは、消せますよね？
もちろん消せますよ。光源が4か所……と言いましたが、その間にもLED光源を仕込めば、ムラはなくなって完全な面発光になります。
なぜ、それをしないの？
まさかの手抜き？？？
そもそもこの技は、純正オプションの光るシフトノブとほぼ同じ感じ……つまり、「純正風に光らせる」のが主旨ですから。
あ。
そういうことか。
純正オプションもほぼ同じ感じに、若干光ムラのある光り方なんですよ。完全な面発光にはしないところが純正風っていうことです。
マニアックだなぁー。
点発光のほうが純正っぽいケースは、他にもありますよ。

US風にサイドマーカーをLEDで光らせるなら、面発光より点発光!?

わざと「点光源」っぽく光らせる典型的な例は、US風サイドマーカーですね。

50プリウス後期のサイドマーカー

US仕様の純正ヘッドライト風カスタム、ですね。
この技も、やろうと思えば全体を面発光させることもできるけど、わざとそうはしないんです。
面発光より、「純正風の点発光」ってことか。
そういうことですね。サイドマーカーをやりたいという人は、やっぱりUS仕様を意識しているので、US純正のヘッドライトとかよく見ているんですよ。
フムフム。
中には純正風にしたいがために、「USライトとニコイチ加工したい」なんてリクエストもくるほどですから……
本格的だなァ。
でもそれを実現しようとしたら、部品の輸送費も合わせて、とても高くつくでしょう。
あう……。
ですから「US純正ヘッドライトと同じ感じのことを、加工で実現できますよ」というコンセプトなんです。
なるほど。
50プリウス後期の例ですが、国内仕様のヘッドライトにも「サイドマーカー光源を入れる用の穴」はあるんです。
US仕様とインナーは共用しているってこと？
そのようですね。ようはそこに光源を入れるか、入れないか……だけの違いです。
じゃあ、球屋の加工もそこにLED光源を入れているの？
そうなんですが、50プリウス後期の場合は、その窓が、ちょっと太いライン過ぎる気がしたので、むしろ窓を小さくしています。

純正だと、光っている部分が上の仕切りまで伸びているんですよ。
ということは、真四角に近い発光になりますね。
それをつぶして細い四角に光らせたのが、球屋のサイドマーカーです。プリウスはオレンジがデカイいので、このほうがカッコいいかなと。
ホホウ。「マーカー全体を光らせる面発光」とは、むしろ真逆の方向性。
好みの問題でしょうけど、「面発光サイドマーカー」だと、少なくとも「US純正風」ではなくなりますね。
そのマニアックさに納得です♪

DIY Laboアドバイザー：森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。最先端かつデザイン性の高いライト加工技の探求者にして、アクリルづかいの若き老練者。純正風で分かりにくいまでにさり気ない、内装LEDイルミも精力的に提案。派手さより「完成度と質感」を重視する。

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