塗装の悩みをプロに聞く

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メタリック塗装の垂れは、ソリッドカラーより致命的…!?

塗装に失敗して垂れた時の直し方・補足編。メタリック塗装が垂れた場合についてを解説する。メタリックやパールの塗装は、普通のソリッドカラーの垂れとは別の問題点があると知っておこう。

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  「塗装の垂れの直し方は？」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  前回は、垂れを削ることで直せる場合もある、という話をしましたが……

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

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  なかなか驚きの発想でした。

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  ただしメタリック塗装は、話が別です。メタリック塗装の垂れには問題点があるので、フォロー解説しておきます。

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  メタリック塗装だと何が違うのでしょうか？

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  普通のソリッドカラーとは違って、メタリックやパール塗装には、ギラギラ光る粒々が入っています。


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  もしメタリック層の塗料が垂れたら、メタリックの粒々もいっしょに引っ張られて移動します。

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  ふむ。

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  移動した結果、メタリックが寄ってしまいます。

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  ありゃー。

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  塗装が垂れて膨らんだ部分だけを削って、キレイに消せたとしても、移動したメタリックは元に戻りません。

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  ……でも、メタリックの分布が変わって光り方が多少違う位なら許容範囲かな？

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  いやいやいや。それによって「線」ができてしまいます。「ここ垂れましたよね」……っていう感じの線が。

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  線？

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  メタリックのムラによって、線のように見えるってことですね。こんなイメージ（↓）です。


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  こうなると、いくら表面を削って平らに直しても、内部では垂れムラが残るので、塗り直すしかありません。

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  けっきょく塗り直しだと？

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  ハイ。
  動いてしまったメタリックの粒は戻せませんから。

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  だとしたら、苦労して垂れを削る前に、さっさと塗装を剥がして塗り直すほうがヨカッタ。

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  そうなりますよね。だからメタリックの垂れについては、フォロー解説をしておきたかったのです。

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  あー、そういうことね。

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  ただし、メタリック塗装の垂れでも、磨きで修正できるケースもあります。この違いも解説しておきましょう。

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  「メタリック塗装が垂れた」とはいっても、どの段階で垂れたのかは、状況によっていろいろです。

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  ……というと？

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  メタリックのベースの色は固まっていて、その上から吹いたクリアも2層くらいまでは固まっていて、最後の3回目のクリア層だけが垂れている……というような状況だとすれば、メタリックの粒々は動いていないはず。

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  垂れているのは表面のクリアだけかも！

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  そうです。そういうケースなら、修正することが可能です。上手に削ることができるのであれば。

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  なるほどォ。

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  ただ、メタリックの直後に重ねたクリアが垂れた場合は、メタリックも引っ張られている可能性があります。

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  …なるほど。

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  ようするにメタリック塗装の垂れには、修正できるものと、できないものがあるわけですね。

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  それを判断するには、目で見て、メタリックの粒が動いていないか見極めればよい。

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  そうなんですが、垂れて固まっている状態だとそれが分かりにくいこともあるので、削ってある程度平らになった段階で、水をかけてみるといいですよ。

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  水なんかかけてどうするの？

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  水をかけたときの見え方は、クリア塗装したときと同じ。水をかけてキレイに見えるなら、そのまま頑張って修正することで、キレイに直せる可能性があります。

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  おお。
  そういうことか。

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  反対に、水をかけたときにメタリックの線が見えるようなら、この先どんなに頑張って磨いても、その苦労は無駄になる。

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  修正の労力を無駄にしないためのテクニック、と言えますね。