缶スプレー塗装を学ぶ⑬

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クリア塗装の重ね塗りで、艶を出すコツ

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クリア塗装も「重ね塗り」がポイント。色塗り後、クリアを塗るタイミングはいつか。クリアの重ね塗りは、何回やれば艶が出るのか。また「クリアの艶」はプロ目線の純正風の仕上がり感があるので、それについても教わる。

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  「重ね塗りのタイミング（インターバル時間）は？」の続きです。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  色を塗り終わったら、これまでの重ね塗り同様にインターバルをおいて、そのままクリアを塗装します。
  （↓）

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

仕上げのクリア


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  色が塗れた！ というところで、いったん区切ったらダメなんだ。

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  クリアを塗装するタイミングが遅すぎると、クリア剥がれの原因になりますので。

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  クリア剥がれ。
  ……そんな現象あるのね。

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  「クリアだけパリパリ剥がれる」のは、わりとよく聞く話です。

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  塗り方に要注意、なんですね。

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  ベースの色が乾燥した上からクリアを塗るとなると、それはけっきょく、足付けしていないところに塗料を吹くのと同じこと。

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  言われてみればそうだなァ。

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  塗った色が完全に乾く前に、粘着力のある状態でクリアを塗らないと、密着しません。

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  つまり、重ね塗りはまだ継続中ってことですね。

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  そういうことです。
  必要以上に休んでいるヒマはありません。


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  塗りにくいところから吹くのも、色と吹くときと同じ。


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  クリア塗装も、何回も重ね塗りするのでしょうか？

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  そうですね。クリアの目的のひとつが艶出しですが、重ね塗りしながら艶を出しに行きます。

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  1回では艶は出ない？

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  1回で艶を出そうとすれば、垂れます。

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  ……ここまで来て垂れるのはイヤ過ぎる。

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  いっぺんにたくさんクリアを塗ると、シンナーも大量にかかるから一見すると艶は出るんだけど、垂れやすい。

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  クリアの艶っていうより、水面の艶みたいな感じ？

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  そうなんです。ようするにシンナーでそう見えるだけ。缶スプレーの中には、クリアとシンナーが入っているので。

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  フムフム。

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  でもシンナーは蒸発して抜けていきます。そうすると艶も引けます。

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  ……だとすると、艶が出ないじゃないですか？

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  でも、クリアの塗料は残ります。

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  ふむ。

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  シンナーが飛ぶ→艶が引ける→また重ね塗りする……この工程を繰り返していくと、だんだんクリアの層が厚くなっていきます。


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  クリアが厚くなって、純粋なクリアの艶が出る。

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  そうです。
  だから、クリア塗装も重ね塗りが重要なんです。

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  なるほどね～。
  分かってきたぞ。

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  先を急いで、シンナーがまだ残っているところにどんどん重ね塗りすれば、やっぱり垂れますよ。

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  ここは前回学んだ、重ね塗りのタイミングの測り方を応用すればいいですね。

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  クリアの重ね塗りって、何回ぐらいやるんでしょうか？

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  ガンで塗った場合は、3～4回も塗れば十分な艶が出ますが、缶スプレーだとシンナーが抜けていく分が多いから、もっと回数が必要なケースもあるでしょうね。

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  ……とは言いつつも、本多研究員は缶スプレーでも3回の重ね塗りでもここまで艶を出してきました。



クリアを3回重ね塗りしてツヤツヤになった。

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  艶的にはこれぐらいだと思います。磨かないならこれでいいかなと。

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  え!?
  クリア後に、磨くこともある？

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  例えばもし、ホコリなどが付いてしまって、磨いて消すのであれば、クリアの厚みがあったほうがいいから、もう少し塗り重ねたりもします。

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  なるほど。

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  今回はこれでいいかなと。

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  ……でも、これ、インターバルをおけば、もっと重ね塗りしてもいいんですよね？

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  まあ、そうだけど。

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  だったら、せっかくだから、もっとクリアを厚くして、ツヤツヤにしましょう！

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  クリアで艶を出すといっても、鏡面のようなツヤツヤを目指すわけではありませんよ？

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  ……む？

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  例えば、車のボディの塗装には必ず肌（ハダ）があります。

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  ハダ？
  塗装の肌があるってどういうこと？

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  鏡面のツルツルではなくて、魚のうろこみたいな感じで、模様があるってことです。

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  模様なんて、車のボディにあるように見えませんけど？

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  いやいや、自分の顔をボディに写り込ませると分かりますよ。ハッキリと顔が映るのではなく、必ずボヤボヤっとしたラインになります。

車の塗装の「肌（ハダ）」



写り込む景色に注目。モヤモヤ、ナミナミしている。

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  それは、このように（↑）肌があるから。

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  ホー。
  本当だ。

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  つまり、車のパーツを塗装するときは、ボディの肌くらいに合わせて、そこで止めておくほうがそれっぽいのです。

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  クリアで、艶々のツルツルにすればいいってもんじゃないと。

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  そうです。
  塗装の仕方にも、「純正風」というものがあるんですよ。

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  ……ふ、深いな。