オプションカプラーの疑問

---

オプションカプラーから取り出せる電源の容量はどの位あるのか？

オプションカプラーが付いている車種は、電源取り出しハーネスを使えばカンタンに電源が取り出せるが、容量はどのくらいなのか。後付け電装品を付けるときに便利…という認識はあっても、何アンペア取れるのかがよく分からない問題を、電装のプロに聞いてみた。

• 

  DIYラボではこれまでいろいろな方法での電源取り出しを解説してきましたが、今日は最近増えている印象のオプションカプラーからの電源取り出しについての話題。

  ●レポーター：イルミちゃん

Q

オプションカプラーから電源取り出しをしたら、容量はどのくらいあると考えればよいのでしょうか？

ヒューズや配線（太線）などから取り出しする場合と比べて、容量的に有利だったり不利だったりするのか、教えてほしいです。

• 

  これは後付け電装品の、メインの電源（常時電源など）を取り出す場合には、特に気になる問題かなと。

• 

  まず注意点ですが、オプションカプラーから取り出せる電源の種類は、車種によっても少し違っていたりします。

  ●アドバイザー：CEP 服部研究員

• 

  常時電源・アース・ACC電源・イルミ電源がセットで取れるよ～、みたいなパターンとは限らない？

• 

  そこは車種によります。オプションカプラーの本来目的は「ディーラーオプションパーツの装着用」ですので、そのオプションにとって必要な電源でなければ、来ていない可能性もあります。



特にホンダ車については独自の注意点がある。

「ホンダ車のオプションカプラーを利用するときの要注意点…！」参照。

• 

  では、常時電源が取れるとして……それを電装品のメインの電源として取るにあたっては、どのくらいの容量が期待できるものなのでしょうか？

• 

  それはなかなか一概には回答しづらいですねぇ。

• 

  それもやっぱり、車種による？

• 

  そうです。一例として80系ノア・ヴォクシーの車両配線図を確認してみたところ、ヒューズの容量は10アンペアでしたが……

• 

  ヒューズの容量で確認したんだ。

• 

  はい。ヒューズの先にオプションカプラーがありますが、そのヒューズの容量が10アンペアだった、ということですね。

• 

  では、オプションカプラーから10アンペアまで取り出せるってことかな？

• 

  いいえ。
  そうはなりません。

• 

  む。
  なんでだ？

• 

  なぜならそのヒューズは、オプションカプラーの回路だけではなく、純正の他の電装品とも兼用になっていますので。

• 

  そういうことか……。オプションカプラーだけで10アンペア使っていい、という話ではない。

• 

  ただ配線図を見る限りでは、80系ノア・ヴォクシーの場合は、そんなに大きな容量を必要とする電装品とはつながっていないようでしたが。

• 

  なるほど、なるほど。それなら数アンペアはいけそうな……

• 

  しかし、こういった回路の事情も車種によって違うので、何アンペアまで取れます、とはお答えしづらい問題です。

• 

  確かに。

• 

  ただ、ひとつ言えることとして、ここから後付け電装品の電源を取る場合は、あまり大きい電流が流れるものは接続できない（しないほうがいい）という話にはなってくると思います。

• 

  上限がハッキリ見えない中ではねぇ。

• 

  オプションカプラーは、もともとディーラーオプションパーツ用の電源としてメーカー側が設けているものなので、そんなに大きい電流は想定していないと思いますし。

• 

  ふむ。

• 

  1アンペアも流れないような電装品なら、問題ないとは思いますが。

• 

  えーっと、例えば……

• 

  フットランプのLEDの電源を取るだけとか、消費電力の小さい電装品……例えばドライブレコーダーやレーダー探知機みたいなものなら、心配ないと思います。

• 

  どんな電装品の電源としても使える、とは思わないほうが良さそうです。

• 

  以前にキックパネル裏の配線から常時電源を取る場合は、比較的太い線が見つけられる可能性が高いという話をしたことがありますが……



「常時電源の取り出し場所として、キックパネル裏は狙い目」で紹介した80系ノア・ヴォクシーの例。

• 

  それに比べると、オプションカラーの配線はもっと線が細いです。

• 

  そこにつなげて使う市販の電源取り出しハーネスも、線が細めであったりしますね。

• 

  というわけで、あまり大きな電力を必要とする電装品は、ここから電源は取らないほうが無難だと思います。

• 

  何かと便利なオプションカプラーからの電源取り出しではありますが、後付け電装品に使うときにはこの点には注意しておきましょう。