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基礎知識まとめ

足まわりのきほん

ツライチと車検。合法と非合法の境界線

ホイールがフェンダーに収まっているべき範囲

どの位のツライチ具合なら車検に通るのか、あるいは落ちるのか。実はフェンダーからのタイヤハミ出しには、定められた規定の範囲（角度）があるので具体的に解説。「引っ込んだタイヤ＆ホイールを、さり気ないレベルでカッコよくしたい。そして保安基準には適合で！」という人に。
なお、具体的なツライチのやり方は「ツライチオフセットの計算方法」で解説している。

保安基準適合ツライチとは？

ホイールのリムと、フェンダーの際（キワ）とを揃える、いわゆる「ツライチ」は車検に通るのか!?

●レポーター：イルミちゃん
注意しないといけないのは、タイヤ＆ホイールがハミ出し扱いになることですね。それは車検NGです。

●アドバイザー：スパイス佐藤研究員

✔ ひとくちメモ

2017年6月の保安基準改正で、タイヤのはみ出しについては条件付きで緩和されたものの、ツライチへの影響は限定的。

※詳しくは、「タイヤのハミ出しに関する保安基準の改正は、誤解が多い!?」参照。

ピッタリのツライチなら、ハミ出てはいないんだから……ツライチでも、車検に通るってことですね♫
タイヤ＆ホイールの中心から、頂点に向かって線を1本引いて、前30度、後ろ50度の範囲がフェンダー内に収まっていれば大丈夫です。
え？ 30度、50度って言われても。全然イメージできないんですけど。
そう言うと思ったので、実際にホイールにマスキングテープを貼ってみました。

フェンダーから出ると、タイヤハミ出し扱いとなるエリア

タイヤハミ出し扱いとなる範囲

拡大！

フェンダーの前30度、後ろ50度の範囲にマスキングテープを貼った

おお〜！
これは分かりやすい。
この範囲が収まっていれば、大丈夫です。
ところで車検の時、検査員の人はどうやって見るんだろう？ 30度とか、目分量ではわからない気がしますが……
専用の計測器みたいなのがあるんです。怪しい車の場合は、すぐ出てきますよ。
そんなのがあるのか。……でも、ツライチまでは車検に通るってことですよね？
えっ？
だって！ツライチならハミ出てないし!! ツライチなんだから。
……それはどうかなぁ。車高も落としていますよね。すると、キャンバー角も付いている可能性が高いですよね。
あ……。
そう言えば。
そうすると、ホイールの頂点をツライチ状態に持ってくる時点で、頂点から下はどんどん外側に出てくることになるので……
……あわわ。
多少、キャンバー角が付いているのを合わせて考えると、リムの頂点は少し内側に入ってないとダメってことになりますね。

リム頂点は現実的にはツラウチとなるはず

ツラウチ

では、あわよくばリムがチラっと外に出ているリムツラは……
それは完全に出てますよね。チラっとだろうが、何だろうが。
……とほほ。
キャンバー角が付いていなくて、タイヤ＆ホイールがほぼ真っ直ぐの車なら、ツライチに近いところまで出せますが。

別の理由で車検NGとなる可能性も……

ツラ具合に関しては、範囲内に収まっていればいいんですが、それとは別な理由で車検NGになるケースはあるので注意しておきましょう。
ムムム。
……と言うと？
例えばツライチにするなら、タイヤもある程度、引っ張るのが前提みたいなところあるじゃないですか。
それは……そうですけど。

事実上はツライチにするためにタイヤも引っ張る

引っ張りタイヤを駆使してのツライチ

でも、あまりに細身で薄いタイヤを履いていると、外径が小さすぎてスピードメーターの誤差で落ちる。最近はロードインデックス不足を指摘されることも多いし。
要するにツラ具合は問題なくても、ツライチにするためにやっている複合的な要素が問題となるという……。
そうなんですよ。だから30度50度の範囲に入っていれば、そのタイヤ＆ホイールが必ず車検に通る、とは言えませんよ〜。
……と、いうことは頭に入れておきましょう。

「タイヤのハミ出しに関する保安基準の改正は、誤解が多い!?」も合わせて読んでおくのがオススメ

イルミ

カスタムガレージスパイス・佐藤峻一

DIY Laboアドバイザー：佐藤峻一
元カスタムガレージスパイス代表。足回りに強く、得意技は勝負ツライチだが、実用性重視のセッティングも高いレベルで実現。ドレスアップ全般に明るく、不思議な包容力があってDIYユーザーにも人気。

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