通好みの電装カスタム
スライドドア開閉ボタン「長押し」を、「短押し」に変える方法╱ドアハンドル編
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トヨタ車のスライドドアのボタンを長押しせずに、ドア開閉ができるようになったらいいのに! というせっかちな人・待望のアイテム〈スライドドアスイッチ時間短縮キット╱ショートクリッカー〉の取り付け方法。まずは車外のドアハンドル編から。
ショートクリッカーの取り付け方法とは?
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「パワースライドドアの〈長押し〉を〈短押し〉に変える技がある」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
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今日はショートクリッカーの取り付け方法を解説します。
●アドバイザー:CEP 服部研究員
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ショートクリッカーの配線は意外とシンプルで、4本だけです。
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ホー。
コムエンタープライズ製品にしては……確かに少ない。 -
4本の内訳は、赤、黒、緑、緑/白です。
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電源とアースを取って、出力線をつなぐだけですが、ポイントとして出力は2系統あります。
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なぜ、2系統?
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スライドドアハンドル(車外)の開閉ボタンに対して付けるのであれば、左右ハンドルのボタンにつなぐためです。
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あー、そういうことか。
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ようするにユニット1個で、2か所のボタン(スイッチ)が時間短縮できる……ということですね。
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……ということは、ドアハンドルだけでなく室内側のスイッチも短押しに変えたいよ……という人は?
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ショートクリッカーを複数付けることになります。室内側スイッチの取り付けについては、次回解説します。
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今回のターゲットはまず、車外のドアハンドルスイッチのショートクリック化ですね~。
使用アイテム
コムエンタープライズの ショートクリッカー
登場する配線の種類
赤 | 常時電源 |
---|---|
黒 | アース |
緑 | 出力線1 |
緑╱白 | 出力線2 |
ドアステップを取り外して、裏側で配線作業
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今回のモデル車は30ヴェルファイアです。
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まずパワースライドドアをオフにして作業します。
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それはなぜ?
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スライドドアを開けた状態で取り付け作業をするので、もしもパワースライドドアが動いて、身体が挟まったりしたら危ないからですよ。
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そういうことか。
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まずはスライドドアを開けた足元にある、ステップを取り外します。
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アルファード╱ヴェルファイアの場合、ステップを外した後、後ろ側の黒いカバーも取ったほうがやりやすいです。
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そして、このカプラー(↓)を通っている、アウターハンドルスイッチ線を切断し、分かれた双方に接続コネクター(あるいはギボシ端子など)を取り付けます。
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この場面で便利な、接続コネクターの使い方については、「ギボシ端子の立場を脅かす!? 接続コネクター」で解説しています。
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そして、まずこのように(↓)付属のダイオードを割り込ませるんです。
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写真は分かりやすく見せるために長いまま割り込ませていますが、必要に応じてダイオードの前後の線を短くカットしても問題はないです。
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しかし、整流ダイオードの向きは決まっていますよね。
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ハイ。切った配線の、スイッチ側(ドア側)に赤/白が来るようにつなぎます。
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どっちがスイッチ側なのか、分かりにくい場面ですけど……。
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そうですね。ヴェルファイアの例でいうと、カプラーがつながっている先……というのがスライドドアを動かしているモーターのユニットなんですね。
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フムフム。
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スイッチはそれとは反対側です。つまりカプラーとは反対方向に、ダイオードの赤/白を接続します。
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必然的に、カプラー側に白がつながるカタチになりますね。
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ダイオードを割り込ませたら、そのダイオードの線に対して、緑(あるいは緑/白)の出力線を接続します。
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ここはエレクトロタップなどを使って、接続すればよいですね。
✔ 運転席のスイッチで、パワースライドドアをオフにできる。
内張りはがしをかけて、きっかけを作り……
引っ張ってピン固定を外していく
このカバーも外す
✔ どれがアウターハンドルスイッチ線なのか? という配線情報は、コムエンタープライズ公式サイトの、ショートクリッカー解説ページで、車種別に公開している。
常時電源とアースの取り方
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常時電源が必要とのことでしたが、どこから取るのでしょうか。
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ステップを外して作業しているので、電源&アースもその周辺(ステップ内の配線)から取るのがベストです。
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30アルファード╱ヴェルファイアの場合、近くのカプラーから取れます。常時電源はこの緑(↓)で、アースはこの白黒(↓)です。
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緑は細線ですけど、ここからメインの電源を取って大丈夫でしょうか?
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ナルホド。
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あとはユニットの黒を、アース線に割り込ませるだけですね。
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ちなみにアース線に割り込ませるのではなく、ユニットの黒線を普通にボディアースするやり方でもOKです。
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これで4本とも接続完了。配線情報があれば、すぐに終わりますね。
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アウターのスライドドアハンドルの場合は、左右のステップ内で配線が完結するのでやりやすいですね。
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……あれ、そういえば反対側は?
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今回の工程で、ユニットの緑をダイオードにつないだとすれば、緑白(※もう1本の出力線)が余っていますよね。
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ああ。
そういえば。 -
それを、反対側のステップ裏まで通して、同じようにドアハンドルスイッチ線に割り込ませるのです。
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電源はコッチ側で取ってあるから、スイッチ線のカット→ダイオード割り込み→緑白の接続、だけやればいいってことか。
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ハイ。
そういうことですね。 -
次ページでは、室内側のスライドドア開閉スイッチをショートクリック化します。
✔ ※コムエンタープライズの車種別配線情報で、そのあたりのガイドも行っている。
✔ 通常は、電装品のメイン電源は細線からは取らないほうがよい。詳しくは、「細線、中線、太線の違い。配線から電源取り出しするならどれ?」参照。
今回のユニットはほとんど電気を使わないので、細線からの電源取り出しでも問題ないのです
ユニットの赤を、常時電源につなぐ
パチン
ユニットの黒を、アース線につなぐ
ユニットは隙間に隠す
DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。配線図大好き。●コムエンタープライズ TEL 079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78