ウインカーポジションキットの取り付け②
ウインカーポジション取り付け方法╱配線方法
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ウインカーポジションキットの取り付け方法の続き。前回、あらかじめユニット側に端子を付けておくところまでやった(↑)ので、あとは車両に配線する作業。左右のウインカー線を純正配線に割り込ませる際には、逆につながないように注意しよう。
左フロントウインカー線への割り込み
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前回、ユニット側の配線の仕込み(端子の取り付け)をしたので、今日は、実際に車両に配線していく作業を解説します。
●レポーター:イルミちゃん
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順番に決まりはないですが、今回はまず左ウインカー線に割り込ませる手順からいきます。
●アドバイザー:CEP 服部研究員
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ということは、まず「青」と「白」の配線ですね。この2本を左ウインカー付近に持っていきます。
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純正のウインカーバルブを抜くと、後部には2本の純正配線がつながっています。
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これはプラス線とマイナス線ですね〜。
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そうですね。で、どっちがプラス線なのかを知りたいので、検電テスターで調べます。
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ここではウインカーをオンにしたとき、ウインカー点滅に連動して検電テスターが反応する線を探します(それがプラス線)
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今回は純正配線2本のうち、黄色がプラスで、茶色がマイナスでした。そこで、黄色のプラス線をカットします。
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カットすると「バルブ側につながる線」と「車両側につながる線」に分かれたことになりますよね。
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そしてカットした純正配線の「バルブ側」「車両側」の両方に、接続コネクターを付けます。
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ユニット側の「青」と「白」には、事前に接続コネクターを付けてあるので……これで割り込めますね!
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この場面が重要なんですが、ユニット側の「青」と「白」のうち、「白」のほうが出力線です。
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出力線とは、ユニットから電気を送り出す線ですね。
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そうです。この「白」を「バルブ側につながる純正配線」につなぐことで、ユニットがウインカーバルブを光らせる仕組みです。
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ここでもし「青」のほうをバルブ側につなぐとどうなるだろう?
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それは……つまり、「白」の出力線を車両側につなぐことになるので、以下のような症状になります。
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ウインカーの線は車両側で全ウインカーがつながっているので、そういう事態になります。
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……なるほどぉ〜。
この場面は注意です。
ウインカーバルブを抜く
テスターの使い方が分からない人は「検電テスターの正しい使い方」参照。
マイナス線に対しては何もしない。
ギボシ端子を使ってもよい。
こういう風につなぐのが正解
✔ ひとくちメモ
●白を車両側につなぐと、車両側の線に出力することになるので、目的のウインカー以外のウインカー(今回でいうとフロント以外のウインカー)がポジション化されるという、ややこしい事態を招く。●その場合は、挙動としてフロントウインカーが光らなくなる。この症状が出たら、逆向きを疑おう。
右フロントウインカーへの割り込み配線作業
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右ウインカーにも、同様の配線作業をします。
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右ウインカーにつなぐ線は「茶色」と「紫色」。
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エンジンルームにカバーが付いている車は、配線作業の前にカバーを外しておきましょう。
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カバーを外したら、茶色と紫色の配線を、右ウインカー方向に取り回します。
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そして純正ウインカーのプラス線を調べて、カットするのは同じですね。
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右ウインカープラス線をカットしたら、「茶色」をバルブ側に「紫」を車両側に接続します。
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この場面も、逆につながないよう注意しましょう。
カバーはピンやネジで固定されているだけなので、外すのはカンタン。今回のモデル車は30ヴェルファイア。
右ウインカー・プラス線をカットして……
このように合流させる
ポジション(スモール)線への接続
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ユニット側オレンジ色の配線は、ポジション(スモール)ランプのプラス線につなぎます。
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ここは、純正配線をカットする必要はないんですね。
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そうですね。エレクトロタップ等で普通に合流させればOKです。
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ただ、今回取り付けしている30ヴェルファイア(アルファード)は、ちょっと特殊な例なのですが、ヘッドライト裏からはスモール連動の電源が取り出せません。
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30アルファード/ヴェルファイアのスモール電源取り出しは、別記事「ヘッドライト裏からスモール+12V線が取れない車の対応策」で詳しく解説しているので、そちらを参照してくださいね。
ほとんどの車はポジションバルブ裏から電源を取れる
検電テスターでプラスとマイナスを調べて、プラス線に合流させればOK
バッテリーのプラスとマイナスにつなぐ
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ユニットの電源としては常時電源とアース(マイナス)が必要ですが、エンジンルームで作業しているので、これらはバッテリーに直結するのが早いです。
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というわけで事前にクワ型端子を付けてあるので……
「赤」をプラスターミナルに接続
「黒」をマイナスターミナルに接続
ユニット本体はどこに設置する?
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あとは、ユニット(↓)の設置です。
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今回のようにフロントのみウインカーポジション化する場合は、エンジンルーム内で配線が完結するので、ユニットもエンジンルーム内に設置するのがオススメです。
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そうすれば、わざわざ配線を室内に引き入れる手間がはぶけますね。
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例えば車のヒューズボックス位置付近などは、エンジンルーム内の中では水がかかりにくいし、熱も持ちにくい場所なので……
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ユニットの設置場所として、狙い目!
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ただ、ユニット自体は防水ではないので、簡単な防水処理はしておきます。
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なお、ユニットの設置場所によってどっちか片側のウインカーに配線が届かない、というようなケースでは配線を延長します。
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これでウインカーポジションの配線作業、すべて終了です!
DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。勉強家。●コムエンタープライズ TEL 079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78
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